免震・制振建築物の大臣認定基準と計算要件(免震=告示第2009号/制振=大臣認定)

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ルート君

免震建築物と制振建築物は、どんな認定が必要なの?

免震建築物は平成12年建設省告示第2009号(免震建築物の構造方法に関する技術的基準)に基づく大臣認定制振建築物は専用の告示がなく令第81条第1項の大臣認定(時刻歴応答解析)により設計します。

2000年の建築基準法改正(性能規定化)に伴い、免震・制振構造の法的根拠が整備されました。

免震建築物の技術的基準(告示第2009号)がどこから委任されているかを整理すると、次の階層になります。法第20条から施行令第81条第1項の大臣認定ルートを経て、告示第2009号が免震の技術的基準を定める形です(制振建築物は専用の告示がなく、時刻歴応答解析による大臣認定によります)。

制定機関 根拠の階層(上ほど上位) 国会 建築基準法 第20条 建築物の構造耐力(安全性の基本原則) 委任 内閣 建築基準法施行令 第81条第1項 免震建築物の大臣認定ルート(構造計算) 委任 建設大臣 平成12年建設省告示 第2009号 免震建築物の構造方法・免震材料の性能・ 構造計算の技術的基準を規定 ← 免震はこの告示(制振は専用告示なし)
図:免震建築物(告示第2009号)の位置づけ(法第20条→施行令第81条第1項→告示第2009号の委任関係)。制振は専用告示なし。

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告示第2009号と第1892号、それぞれ何を定めているのか

告示番号 対象 主な内容
平成12年建設省告示第2009号 免震建築物 免震材料(アイソレータ・ダンパー)の性能基準・免震建築物の構造計算方法・大臣認定の申請に必要な書類
(専用告示なし)令第81条第1項 制振建築物 制振部材(ダンパー等)を含む建築物は、専用告示ではなく時刻歴応答解析等による大臣認定で安全性を確認する

免震建築物はどんな技術基準を満たす必要があるのか

項目 内容
免震材料の性能 大臣認定を受けた積層ゴム支承等の使用。水平変形性能・鉛直荷重支持性能の確認。
稀地震動(レベル1)の検討 上部構造・下部構造が損傷しないことの確認(許容応力度計算)
極稀地震動(レベル2)の検討 免震層の変形が限界変形以下であること。上部・下部構造が倒壊しないことの確認。
風荷重時の検討 強風時に免震層が変形せず上部構造が安定していること(復元力の確認)

制振建築物の計算はどうやって行うのか

制振建築物では、ダンパーが地震エネルギーを吸収することで主体構造の応答を低減できることを計算で確認します。

計算方法としては時刻歴応答解析が基本ですが、ダンパーの効果を等価減衰として扱う近似的な方法が認められる場合もあります。

能動型ダンパー(アクティブ制御)は電力を必要とするため、停電時に機能しないという特性があります。

制振建築物の大臣認定(時刻歴応答解析)ではフェールセーフ設計が求められ、ダンパーが機能しない場合でも主体構造のみで一定の耐震性能を確保できることを設計上確認する必要があります。

試験で問われやすいポイント

  • 免震建築物(告示第2009号)・制振建築物(専用告示なし・時刻歴応答解析)はともに令第81条第1項の大臣認定ルート→適合性判定不要R2問53R5問11)。大臣認定の審査プロセスで構造安全性が確認されるため。ただし耐久性等関係規定(令第36条第1項)は常に適用。
  • 免震建築物の2段階検討(告示第2009号):レベル1(稀地震動)=上部・下部構造が損傷しない(許容応力度計算相当)、レベル2(極稀地震動)=免震層変形が限界変形以下かつ倒壊しない。超高層の告示第1461号と同じ2段階構造。
  • 制振建築物(専用告示なし・大臣認定)の計算方法:時刻歴応答解析が基本。ダンパーの効果を等価減衰定数に変換して計算することも可能。能動型ダンパー(電力必要)→停電時不機能→フェールセーフ設計必要の点も告示上の設計要件として重要。

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一問一答

Q. 免震建築物に平成12年建設省告示第2009号が適用される場合、構造計算適合性判定は必要か?

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A. 不要。告示第2009号に基づく免震建築物は令第81条第1項の大臣認定ルートを採用するため、適合性判定は免除される(R2問53R5問11)。大臣認定の審査(指定性能評価機関による性能評価)で構造安全性が確認されるため。なお、令第36条第1項の耐久性等関係規定は大臣認定ルートでも常に適用される。

Q. 免震建築物(告示第2009号)において、強風時(台風等)に要求される検討事項は?

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A. 強風時に免震層が変形しないよう、十分な復元力が確保されていること。免震装置(積層ゴム支承等)は水平剛性が低いため、強風時にも建物が揺れないよう免震層の復元力(剛性)を確認する。地震時(長周期化・低剛性)と風荷重時(高剛性・変形しない)で相反する要求があるため、両方の検討が告示上必要。

Q. 制振建築物(時刻歴応答解析による大臣認定)における「等価減衰」とは何か?

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A. ダンパーが地震エネルギーを吸収する効果を、構造物の粘性減衰定数(h)に換算して表現したもの。時刻歴応答解析が基本だが、ダンパーの吸収エネルギーを等価減衰定数に置き換えることで、応答スペクトル法等の近似的な計算方法を使うことができる。等価減衰が大きいほど応答変位・応力が低減される。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 平成12年建設省告示第2009号(免震建築物の構造方法に関する安全上必要な技術的基準)
  • 制振建築物:専用の告示はなく、令第81条第1項の大臣認定(時刻歴応答解析)による
  • 建築基準法施行令 第81条第1項(大臣認定に基づく構造計算)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。