既存ブロック塀を撤去・改修する場合の注意点は?確認申請の要否と令第62条の8(法第88条・令第138条)

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ルート君

古いブロック塀を低くしたり積み直したりするとき、確認申請っているの?

ブロック塀の撤去や改修には、建築確認申請は原則として不要です。

住宅などに附属する塀は「建築物」、独立した塀は「工作物」にあたりますが、いずれの場合も塀の撤去・改修そのものは確認申請の対象にならないためです。

ただし、積み直しや新設で塀をつくり直す場合は、補強コンクリートブロック造の塀の基準(令第62条の8)に適合させる必要があります。

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建築関係法令集 法令編

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ブロック塀の撤去・改修に確認申請は必要か

「塀は建築物なのか、工作物なのか」でまず迷いますが、建築基準法はどちらの場合も定めています。住宅などの建築物に附属する塀は「建築物」(法第2条第1号が「これに附属する門若しくは塀」を建築物に含めています)、建築物に附属しない独立した塀は「工作物」として扱われます。

ただし、いずれであっても塀の撤去・改修そのものに確認申請は不要です。理由が次のように分かれるだけです。

塀の区分 確認申請が不要な理由
建築物に附属する塀(=建築物) 確認申請が必要なのは建築(新築・増築など)・大規模の修繕・大規模の模様替(法第6条)。塀の撤去・改修はこれに当たらない
独立した塀(=工作物) 確認を要する工作物を限定列挙した令第138条に、塀は含まれていない

独立した工作物のうち、確認申請が必要なものは令第138条で限定的に定められています。

建築基準法 第88条/施行令 第138条(工作物の確認の対象)

法第88条は、煙突・広告塔・高架水槽・擁壁などの工作物に建築基準法の規定を準用する。確認の対象となる工作物は令第138条で限定列挙され、高さ6mを超える煙突、高さ4mを超える広告塔・広告板、高さ2mを超える擁壁などが挙げられている。ブロック塀(塀)はこの列挙に含まれていない。

このため、ブロック塀の築造・撤去・改修そのものに対して、確認申請を求める手続きはありません。撤去して新しい塀をつくり直す場合も、塀である限り確認申請の対象にはなりません。

確認申請の対象になる擁壁・広告塔などの工作物については工作物の構造規定(法第88条・令第138条)で整理しています。

改修・新設では何に適合させるのか

確認申請が不要でも、塀をつくり直す以上、塀の構造規定には適合させる必要があります。

塀の種類 適合させる規定
補強コンクリートブロック造の塀 令第62条の8(高さ・厚さ・控え壁・基礎・鉄筋など)
組積造(無筋)の塀 令第61条(高さ・控え壁など)

補強コンクリートブロック造の塀は、令第62条の8で高さの上限(2.2m以下)や、高さ1.2m超で必要になる控え壁、基礎・鉄筋の配置などが定められています。数値の詳細は補強コンクリートブロック造の塀の構造規定を参照してください。

既存の塀を一部だけ低くする、控え壁を増設するといった改修でも、改修後の塀がこれらの基準に適合する状態になることが求められます。

既存の危険なブロック塀はどう扱われるのか

2018年(平成30年)の大阪府北部地震では、控え壁のない塀の倒壊が問題になり、既存ブロック塀の安全点検が広く求められるようになりました。

塀の所有者・管理者には、建築物と同様に維持保全(法第8条)の考え方が及び、塀を安全な状態に保つことが求められます。点検では次のような項目が確認されます。

  • 塀の高さが令第62条の8の上限(2.2m以下)を超えていないか
  • 高さ1.2m超で控え壁があるか、その間隔・突出が基準を満たすか
  • 傾き・ひび割れ・鉄筋の腐食・基礎の状態

基準に適合しない危険な塀は、低くする・控え壁を増設する・撤去するなどの改修を検討することになります。著しく危険な状態であれば、所管行政庁による是正の指導・命令の対象になることもあります。

試験で問われやすいポイント

  • 塀は建築物に附属すれば建築物(法第2条第1号)、独立すれば工作物。いずれも撤去・改修に確認申請は不要(建築物の塀は建築・大規模修繕模様替に当たらず、独立塀は確認を要する工作物の令第138条に含まれない)。
  • 確認は不要でも、塀をつくり直す場合は補強CB造=令第62条の8、組積造=令第61条の構造規定に適合させる必要がある。
  • 補強CB造の塀は高さ2.2m以下、高さ1.2m超で控え壁が必要。既存の危険な塀は維持保全(法第8条)・是正の対象。

塀や工作物の構造規定は、建築士試験でも出題されます。学習の進め方は、建築士講座の費用の比較もあわせてご覧ください。

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一問一答

Q. そもそも塀は建築物ではないのか。

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A. 建築物に附属する塀は「建築物」(法第2条第1号が「これに附属する門若しくは塀」を建築物に含める)、独立した塀は「工作物」。ただしどちらでも、塀の撤去・改修は確認申請の対象(建築・大規模修繕模様替=法第6条/確認を要する工作物=令第138条)に当たらないため、確認申請は不要。

Q. 既存ブロック塀の撤去・改修に確認申請は必要か。

答えを見る

A. 原則として不要。確認が必要な工作物を定める令第138条にブロック塀は含まれていないため、築造・撤去・改修に確認申請を要しない。ただし新設・積み直しでは塀の構造規定(補強CB造=令第62条の8、組積造=令第61条)に適合させる必要がある。

Q. 塀をつくり直すとき、何に適合させればよいか。

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A. 補強コンクリートブロック造の塀なら令第62条の8(高さ2.2m以下、1.2m超で控え壁、基礎・鉄筋など)、組積造の塀なら令第61条に適合させる。確認申請がなくても基準への適合は必要。

Q. 既存の危険なブロック塀はどう扱われるか。

答えを見る

A. 所有者・管理者には維持保全(法第8条)の考え方が及び、安全な状態に保つことが求められる。高さ・控え壁・傾き・鉄筋の腐食などを点検し、基準に適合しない塀は低くする・控え壁を増設する・撤去するなどの改修を検討する。著しく危険なら所管行政庁の是正の対象になることもある。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。塀の改修の範囲や既存塀の安全性の判断は個別の事情によるため、所管行政庁・専門家にご確認ください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。

参照

  • 建築基準法 第88条(工作物への準用)/施行令 第138条(確認等を要する工作物)
  • 建築基準法施行令 第62条の8(補強コンクリートブロック造の塀)・第61条(組積造の塀)
  • 建築基準法 第8条(維持保全)・第9条(違反建築物に対する措置)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。