告示第1452号とは?木材の基準強度と目視等級・機械等級・無等級材(令第89条)
本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
ルート君
木材の許容応力度って、どの告示で決まるの?等級で強さが変わるって聞いたけど。
平成12年建設省告示第1452号は、木材の基準強度(Fc・Ft・Fb・Fs)を定めた告示です。
許容応力度そのものは令第89条が「基準強度の何倍か」という形で定めており、その基準強度の数値を樹種・等級ごとに与えるのがこの告示です。
木材は同じ樹種でも、格付け(等級)によって基準強度が変わります。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
(設計者の方へ)告示・実務に強い人材の求人相場は設計者の転職エージェント比較で確認できます。
令第89条と告示第1452号はどんな関係なのか
建築基準法施行令 第89条(木材の許容応力度)/平成12年建設省告示第1452号
木材の繊維方向の許容応力度は、令第89条により基準強度に一定の数値を乗じて定める。長期に生ずる力に対する許容応力度は基準強度の1.1/3、短期に生ずる力に対する許容応力度は基準強度の2/3とする。基準強度Fc(圧縮)・Ft(引張り)・Fb(曲げ)・Fs(せん断)の数値は、樹種・区分・等級ごとに平成12年建設省告示第1452号が定める。
告示第1452号がどこから委任されているかを整理すると、次の階層になります。法第20条(構造耐力の基本原則)が施行令第89条に、さらに施行令が告示第1452号に、木材の基準強度を順に委任する形です。
つまり「許容応力度の決め方(基準強度の何倍か)」は令第89条が、「基準強度そのものの数値」は告示第1452号が分担しています。
両者はセットで使い、告示だけ・令だけでは木材の許容応力度は決まりません。
許容応力度の長期・短期の考え方そのものは許容応力度とはにまとめています。
木材の等級区分は2つある(目視等級区分・機械等級区分)
構造用製材の等級区分には、材面を目で見て格付けする方法と、機械で測って格付けする方法の2つがあります。
この区分は、製材の日本農林規格(JAS=平成19年農林水産省告示第1083号)が定めています。
| 区分 | 格付けの方法 |
|---|---|
| 目視等級区分 | 材面の節・割れ・繊維の傾斜・年輪の間隔などを目視で見て等級を区分する |
| 機械等級区分 | 曲げ試験機などで曲げヤング係数(材の曲げにくさ)を1本ごとに測定して等級を区分する |
告示第1452号は、この目視等級区分・機械等級区分のそれぞれについて基準強度を定めています。
目視等級区分=甲種構造材と乙種構造材(1級〜3級)
目視等級区分では、部材が主にどんな力を受けるかで甲種構造材と乙種構造材に分かれます。
| 区分 | 主に受ける力・使う部位 |
|---|---|
| 甲種構造材 | 主として高い曲げ性能を必要とする部位(土台・大引・根太・はり・けた・筋かい等)。木口寸法により甲種I・甲種IIに細分される |
| 乙種構造材 | 主として圧縮性能を必要とする部位(通し柱・管柱・床束・小屋束等) |
甲種・乙種のそれぞれに、材面の欠点の程度に応じて1級・2級・3級の等級があります。
等級が上がる(1級に近い)ほど欠点が少なく、基準強度は大きくなります。
告示・技術基準に強い設計者は求人でも重宝されます。設計者の転職・年収の比較で相場を見ておくと安心です。
機械等級区分=E50〜E150(曲げヤング係数)
機械等級区分では、曲げヤング係数の測定値によってE50・E70・E90・E110・E130・E150の6段階に区分します。
Eの後の数字が大きいほど、曲げにくく(ヤング係数が高く)、基準強度も大きくなります。
1本ごとに測定するため、目視等級より実際の強度に近い格付けができるのが特徴です。
無等級材とは(JASの等級区分を受けない木材)
無等級材は、JASの等級区分の格付けを受けていない木材(製材)です。
一般に流通する多くの製材がこれに当たり、告示第1452号は無等級材についても樹種ごとに基準強度を定めています。
格付けで品質が保証された等級材に比べ、無等級材の基準強度は一般に低めに設定されています。
なお無等級材では、並列して用いる部材(並列材)の曲げの基準強度Fbに、構造用合板を張る場合は1.25、その他の場合は1.15を乗じることができるとされています。
基準強度の具体的な数値はどこで確認するのか
告示第1452号は、樹種(スギ・ヒノキ・ベイマツ・カラマツ・ヒバ・アカマツ/クロマツ等)×区分(甲種I・II/乙種)×等級(1〜3級/E区分/無等級材)ごとに、Fc・Ft・Fb・Fsの数値を表で定めています。
表の数が多く、樹種・等級の組み合わせで値が変わるため、実際の設計では告示原文または構造関係技術基準解説書(黄色本)の表を引いて確認します。
本記事は数値そのものではなく、どの表を引けばよいかという枠組み(区分の読み方)を整理したものです。
試験・実務で問われやすいポイント
- 役割分担:許容応力度の決め方(長期=基準強度×1.1/3、短期=×2/3)は令第89条、基準強度Fc・Ft・Fb・Fsの数値は告示第1452号。令と告示をセットで使う。
- 等級区分:目視等級区分(甲種構造材=曲げ用・乙種構造材=圧縮用、各1〜3級)と機械等級区分(E50〜E150)の2つ。JASの製材規格に基づく。
- 強さの順:等級が高い(1級・Eの数字が大きい)ほど基準強度は大きく、無等級材は一般に低め。
告示や技術的助言は、試験対策でも押さえておきたい分野です。試験対策の進め方は、スマホでの学習法を参考にしてください。
告示や技術的助言を読み込む実務力は、転職でも評価されます。建築士・設計者の転職エージェント比較で相場を見ておくと安心です。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
一問一答
Q. 木材の許容応力度は、基準強度を用いてどう表されるか(令第89条)。
答えを見る
A. 長期に生ずる力に対する許容応力度=基準強度の1.1/3、短期に生ずる力に対する許容応力度=基準強度の2/3。基準強度Fc・Ft・Fb・Fsの数値は樹種・等級ごとに平成12年建設省告示第1452号が定める。
Q. 目視等級区分の甲種構造材と乙種構造材の違いは何か。
答えを見る
A. 甲種構造材は主として高い曲げ性能を必要とする部位(土台・はり・けた等)に、乙種構造材は主として圧縮性能を必要とする部位(柱・床束・小屋束等)に用いる区分。それぞれ1級〜3級があり、等級が高いほど基準強度が大きい。
Q. 機械等級区分は何で等級を分けるか。
答えを見る
A. 曲げヤング係数の測定値でE50〜E150の6段階に区分する。1本ごとに測るため実際の強度に近い格付けができ、Eの数字が大きいほど基準強度も大きい。
この記事のカテゴリの記事一覧は技術的助言・告示にまとめています。
参照
- 建築基準法施行令 第89条(木材の許容応力度)・第95条(木材の材料強度)
- 平成12年建設省告示第1452号(木材の基準強度Fc、Ft、Fb及びFsを定める件)
- 製材の日本農林規格(平成19年農林水産省告示第1083号)