平成12年建設省告示第1454号とは?風圧力算定(V0・Gf・Cf)の根拠告示(令第87条)
ルート君
風圧力の計算に使うV0やGfって、どの告示で決まってるの?
平成12年建設省告示第1454号は、風圧力の計算に用いるV0(基準風速)・E(平均風速の高さ方向の分布係数)・風力係数Cfの数値を定めた告示です。
令第87条第2項・第4項の委任に基づき、速度圧qの算定に必要な各数値の算出方法・地域別数値・地表面粗度区分が規定されています。
告示第1454号はどんな告示なのか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 告示番号 | 平成12年建設省告示第1454号 |
| 正式名称 | Eの数値を算出する方法並びにV0及び風力係数の数値を定める件 |
| 公布 | 平成12年(2000年)5月31日 |
| 根拠条文 | 建築基準法施行令 第87条第2項・第4項 |
| 主な内容 | 基準風速V0の地域別数値・Eの算出方法(地表面粗度区分・ガスト影響係数Gf)・風力係数Cfの数値 |
建築基準法施行令 第87条第2項(告示第1454号の根拠)
前項の速度圧は、次の式によって計算しなければならない。q = 0.6 × E² × V0²(ただし、qは速度圧(単位 N/m²)、Eはその地方における風の性状に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値、V0はその地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて30m/秒から46m/秒までの範囲内において国土交通大臣が定める風速(単位 m/秒))
速度圧qの計算式とEの関係はどうなっているのか
令第87条第2項が定める速度圧qの計算式は次のとおりです。
| 記号 | 意味 | 根拠 |
|---|---|---|
| q | 速度圧(N/m²) | 令第87条第2項 |
| E | 平均風速の高さ方向の分布係数(地表面粗度区分・建物高さに応じて算出) | 告示第1454号 |
| V0 | 基準風速(m/s):地域別に30〜46 m/sの範囲で規定 | 告示第1454号 |
| Gf | ガスト影響係数:地表面粗度区分・建物高さに応じた数値 | 告示第1454号 |
Eは地表面粗度区分と建物の高さに応じて算出します。速度圧qは最終的に次の形で算定されます。
q = 0.6 × Er² × V0² × Gf(ErはEの算出に用いる係数、Gfはガスト影響係数)
qは基準風速V0の2乗に比例します。V0が2倍になるとqは4倍になります。
基準風速V0はどのように定められているのか
基準風速V0は、各地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて定められています。
告示第1454号では、市区町村ごとに30 m/s から 46 m/sの範囲で数値が規定されています。台風の影響が大きい沖縄・九州南部・四国の太平洋側では数値が大きく(40 m/s以上)、内陸部・東北・北海道の一部では小さくなる傾向があります。
基準風速V0の地域別数値の詳細は基準風速V0の記事で解説しています。
地表面粗度区分とガスト影響係数Gfはどう規定されているのか
告示第1454号は、地表面の粗さをI〜IVの4段階に区分しています。
| 地表面粗度区分 | 対象地域の例 | Gfの傾向 |
|---|---|---|
| 粗度区分 I | 海上・海岸沿い(遮蔽物のない平坦地) | Gf小(風速が一定で変動が小さい) |
| 粗度区分 II | 田園・農地・郊外(低い建物・樹木が散在) | |
| 粗度区分 III | 一般的な市街地(中高層建物が建ち並ぶ地域) | |
| 粗度区分 IV | 都市中心部(高層建物が密集する地域) | Gf大(風速の変動が大きく、ガスト成分が卓越) |
ガスト影響係数Gfは、地表面粗度区分が大きいほど(都市中心部ほど)値が大きくなります。これは、都市中心部では建物・地物が多く風速の乱れが大きくなるため、瞬間的な最大風速(ガスト)の影響を大きく考慮する必要があるためです。
ガスト影響係数Gfの詳細はガスト影響係数Gfの記事で解説しています。
なぜこの告示が存在するのか
令第87条は風圧力と速度圧の計算式の枠組みを定めていますが、V0の地域別数値・地表面粗度区分ごとのE算出方法・風力係数Cfの具体的数値は条文本文には記載されていません。
これらの具体的数値を定めているのが告示第1454号です。平成12年(2000年)の建基法改正(性能規定化)に伴い、それまで省令等で定められていた風圧力算定の数値が告示として整備されました。
建築士試験・実務において「令第87条+告示第1454号」はセットで参照されます。V0・Gf・Cfのどの数値も、この告示第1454号が根拠です。
試験で問われやすいポイント
- 告示第1454号の正式名称と根拠条文:「Eの数値を算出する方法並びにV0及び風力係数の数値を定める件」(令第87条第2項・第4項の委任)。平成12年建設省告示であること(2000年性能規定化改正と同時制定)がポイント。
- 速度圧qとV0の関係(告示第1454号・令第87条第2項):q = 0.6 × Er² × V0²(× Gf)の式によりqはV0の2乗に比例する。「V0に比例」とする誤答に注意。V0が2倍になるとqは4倍になる。
- 基準風速V0の範囲(告示第1454号):地域別に30〜46 m/sの範囲内で規定。台風の影響が大きい南西諸島・九州南部・四国太平洋側で数値が大きくなる。
- 地表面粗度区分(告示第1454号):I〜IVの4段階。粗度区分が大きいほど(都市中心部)Gfが大きくなり、速度圧に占めるガスト成分の割合が増す。都市ほど風速の乱れが大きいため。
一問一答
Q. 平成12年建設省告示第1454号の正式名称と根拠条文は?
答えを見る
A. 正式名称は「Eの数値を算出する方法並びにV0及び風力係数の数値を定める件」。根拠条文は建築基準法施行令第87条第2項・第4項(風圧力算定に用いる数値の大臣委任規定)。V0の地域別数値・地表面粗度区分・ガスト影響係数Gf・風力係数Cfのすべてがこの告示に規定されている。
Q. 速度圧qは基準風速V0の何乗に比例するか(令第87条・告示第1454号)。
答えを見る
A. 2乗に比例する。q = 0.6 × Er² × V0² × GfのうちV0は2乗で入っているため、V0を2倍にするとqは4倍になる(令第87条第2項・告示第1454号)。「V0に比例(1乗)」とする選択肢は誤り。
Q. 地表面粗度区分が大きい(I→IV)ほどガスト影響係数Gfはどう変化するか(告示第1454号)。
答えを見る
A. 粗度区分が大きいほどGfは大きくなる。都市中心部(粗度区分IV)は建物・地物が密集して風速の乱れが大きく、瞬間的な最大風速(ガスト)の影響が大きいため(告示第1454号)。海上・海岸沿い(粗度区分I)はGfが最も小さい。
この記事のカテゴリの記事一覧は技術的助言・告示にまとめています。
参照
- 建築基準法施行令 第87条(風圧力)
- 平成12年建設省告示第1454号(Eの数値を算出する方法並びにV0及び風力係数の数値を定める件)