昭和55年建設省告示第1791号・第1792号とは?ルート2・ルート3の構造計算基準

ルート君

耐震偽装問題って、建築基準法にどう影響したの?

昭和55年建設省告示第1791号・第1792号は、1980年(昭和55年)の新耐震設計法と同時に制定された、構造計算(ルート2・ルート3)の基準を定める告示です。

告示第1791号はルート2(許容応力度等計算:層間変形角・剛性率・偏心率の確認)、告示第1792号はルート3に関わるDs(構造特性係数)・Fes(形状係数)の算定方法を定めています。なお、これらは平成17年の耐震偽装問題を契機とする平成19年改正(適合性判定の法制化等)とは別の、新耐震時に整備された告示である点に注意が必要です。

なぜ平成19年に建築基準法が大改正されたのか

平成17年(2005年)の構造計算書偽造問題(いわゆる「耐震偽装問題」)を受けて、平成19年(2007年)に建築基準法が大幅改正されました。

確認申請の厳格化・構造計算適合性判定制度の導入・構造計算書の整備義務が強化されました。

告示第1791号はルート2のどんな計算を規定しているのか

項目 内容 対応条文
許容応力度計算の細目 令第82条の許容応力度計算で確認すべき荷重・応力の種類を規定 令第82条
層間変形角の算定方法 各階の層間変形角δ/hの算定に用いる水平力・剛性の取り方を規定 令第82条の2第一号
剛性率・偏心率の算定方法 Rs・Reの算定に用いる剛性・重心・剛心の計算方法を規定 令第82条の6第二号

告示第1792号はルート3のどんな計算を規定しているのか

項目 内容 対応条文
保有水平耐力の算定方法 崩壊機構・仮想仕事法・各部材の全塑性モーメントの算定方法を規定 令第82条の3
DSの数値(構造種別・靭性ランク別) RC造・鉄骨造・木造等の構造種別と靭性ランクに対応したDS値の表を規定 令第82条の3
鉄骨造ルート2の幅厚比区分 FA〜FD区分の幅厚比の限界値(鋼材種別別)を規定 令第65条

平成19年改正で構造計算の審査はどう変わったのか

平成19年改正では構造計算適合性判定が法制化され、保有水平耐力計算・許容応力度等計算の「方法」を定める平成19年国土交通省告示第594号等が新たに整備されました(Ds・Fesの数値自体は引き続き昭和55年建設省告示第1792号によります)。

主な変更点は、①構造計算書の作成要件の明確化、②ルート2主事(構造計算適合性判定が不要な場合)の要件規定、③適合性判定の手続きの法制化です。

試験で問われやすいポイント

  • 平成19年(2007年)建築基準法改正の直接の背景:平成17年(2005年)の構造計算書偽造問題(耐震偽装問題)。マンション等の確認申請書に虚偽の構造計算書が提出されていたことが発覚し、確認審査・適合性判定の制度改革が行われた。
  • 平成19年改正の主要事項:①構造計算適合性判定の法制化(法第6条の3)、②ルート2主事制度の導入(特定の確認検査機関でルート2の適合性判定免除)、③構造計算書の作成・保存義務の強化、④告示体系の整備(告示第1791号・第1792号・第593号・第594号等)。
  • 告示第1791号(ルート2系:層間変形角・Rs・Reの算定方法)と告示第1792号(ルート3系:DS値・保有水平耐力の算定方法)は役割が異なる。混同しないよう「ルート2→1791号・ルート3→1792号」の組み合わせを覚えると良い。

一問一答

Q. 平成19年建築基準法改正の直接の契機となった事件は?

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A. 平成17年(2005年)の構造計算書偽造問題(耐震偽装問題)。建築士が確認申請書に虚偽の構造計算書を提出してマンション等の確認が下りていた問題が発覚し、構造計算の審査体制の抜本的見直しにつながった。

Q. 平成19年改正で法制化された構造計算に関する審査制度は何か?

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A. 構造計算適合性判定制度(法第6条の3)。一定規模以上の建築物の構造計算について、確認検査機関とは別の機関(指定構造計算適合性判定機関等)が審査する制度が義務化された。

Q. 昭和55年告示第1791号と第1792号の主な役割の違いは?

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A. 告示第1791号はルート2(許容応力度等計算)の計算細目(層間変形角・剛性率Rs・偏心率Reの算定方法等)を規定。告示第1792号はルート3(保有水平耐力計算)の計算細目(DS値の数値・崩壊機構の算定方法・幅厚比区分等)を規定する。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 昭和55年建設省告示第1791号(ルート2・許容応力度等計算/層間変形角・剛性率・偏心率の基準)
  • 昭和55年建設省告示第1792号(Ds及びFesを算出する方法)
  • 平成19年国土交通省告示第594号(保有水平耐力計算・許容応力度等計算の方法/平成19年改正で整備)
  • 建築基準法施行令 第82条〜令第82条の4(ルート2・3の計算)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。