構造計算適合性判定とは?対象建築物と手続きの流れ(法第6条の3)

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ルート君

構造計算適合性判定って、どんな審査なの?

構造計算適合性判定は、ルート2(大規模)・ルート3の建築物に対して指定機関が計算内容を審査する制度です。

構造計算適合性判定(以下「適合性判定」)は、高度な構造計算を採用する建築物について、建築主事以外の第三者機関が構造計算の適否を審査する制度です。

法第6条の3・法第18条の2に規定されており、2007年の建築基準法改正で創設されました。

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適合性判定はどの計算ルートで必要か(法第6条の3)

適合性判定が必要な建築物は「特定構造計算基準」に従って設計された建築物です。

計算ルート 適合性判定の要否 根拠
ルート1(令第82条)のみ 不要 法第6条の3(対象外)
ルート2(令第81条第2項第二号イ) 必要(ルート2主事が審査する場合は不要) 法第6条の3第1項
ルート3(令第81条第2項第一号イ) 必要 法第6条の3第1項
限界耐力計算(令第81条第2項第一号ロ) 必要 法第6条の3第1項
大臣認定ルート(令第81条第1項) 大臣認定の審査で代替 法第20条第1項第一号

適合性判定の手続きはどんな流れか

  1. 建築主が指定構造計算適合性判定機関(または都道府県)に判定を申請する。
  2. 判定機関が構造計算書・設計図書を審査する(審査期間は原則14日以内)。
  3. 判定が「適合」または「不適合」として通知される。
  4. 「適合」の通知を受けた後、建築主事等に確認申請を提出する。

申請から確認申請までの順序を並べると、次のとおりです。

構造計算適合性判定の手続きの流れ(2015年改正後) ① 建築主が判定を申請する 指定構造計算適合性判定機関、または都道府県へ直接申請する ② 判定機関が審査する 構造計算書・設計図書を審査する(審査期間は原則14日以内) ③ 適合・不適合が通知される 判定の結果が「適合」または「不適合」として通知される ④ 適合の通知を受けてから、建築主事等に確認申請 2015年の改正で、適合性判定は確認とは別の手続きになった ※ 判定を行うのは都道府県知事。法第18条の2により、指定構造計算適合性判定機関に行わせることができる
図:適合性判定の申請から確認申請までの4つの段階。

適合性判定は誰が行うのか

構造計算適合性判定は、都道府県知事が行います。ただし、都道府県知事は指定構造計算適合性判定機関にその全部または一部を行わせることができ(法第18条の2)、実際には多くの都道府県で指定機関が判定を担っています。2015年の改正で適合性判定が確認とは別の手続きになり、建築主が直接、都道府県または指定機関へ申請します。

指定構造計算適合性判定機関の例としては、一般財団法人日本建築センター、日本ERI株式会社、ビューローベリタスジャパン株式会社、株式会社東京建築検査機構、一般財団法人大阪建築防災センターなどがあります。指定機関の指定は、業務を行う区域が2以上の都道府県にわたる場合は国土交通大臣、1つの都道府県内であれば都道府県知事が行います。

どの機関に申請できるかは都道府県ごとに異なり、都道府県が自ら判定する場合もあります。指定・取消により変わるため、実際に申請できる機関は国土交通省や各都道府県が公表する最新の一覧で確認してください。

ルート2主事制度とはどんな制度か

2015年の建築基準法改正により「ルート2主事」制度が創設されました。

ルート2に係る特定構造計算基準の審査ができると認定された建築主事等がいる確認検査機関に確認申請する場合、ルート2建築物は適合性判定が免除されます(法第6条の3第1項ただし書き)。

詳細はルート2主事制度を参照。

適合性判定と確認申請はどんな関係にあるのか

適合性判定の申請は確認申請と並行して行うことができます(2015年改正前は確認申請前に判定が必要でした)。

適合性判定は、建築確認(法第6条)の手続きの一部として、構造計算の内容を第三者機関が審査するものです。

確認済証は、適合性判定の通知(適合)を受けた後に交付されます。

なぜ構造計算適合性判定制度が必要なのか

2005年の姉歯建築士による構造計算書偽造事件(耐震偽装問題)を受けて、2007年の建築基準法改正で創設されました。

それまでは建築主事のみが構造計算を審査していましたが、高度な計算については専門機関による二重チェックが必要との判断から、第三者機関による適合性判定制度が設けられました。

ルート2以上の計算が「特定構造計算基準」に指定されているのは、これらの計算が高度かつ複雑であり、誤りや偽造のリスクが高いためです。

一方、ルート1(許容応力度計算のみ)は比較的単純な計算であるため、適合性判定の対象外とされています。

試験で問われやすいポイント

  • 適合性判定の要否はルートの種類で決まる(令和5年 学科3 問11):ルート1→不要、ルート2→必要(ルート2主事審査は免除)、ルート3→必要、限界耐力計算→必要、大臣認定ルート→不要。建物の高さや規模ではなく計算の種類が判断基準。
  • 大臣認定ルートは適合性判定不要(令和2年 学科3 問53):法第20条第1項第一号の大臣認定ルートは、大臣認定の審査で判定に代わる。「超高層=適合性判定必要」という誤解に注意。
  • ルート2主事制度(2015年改正・法第6条の3第1項ただし書き):ルート2に係る特定構造計算基準を審査できる建築主事等がいる確認検査機関に申請した場合、ルート2の適合性判定が免除。
  • 確認申請と適合性判定の手順:2015年改正後は並行申請可能。確認済証の交付は判定(適合)の通知後。

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一問一答

Q. 保有水平耐力計算(ルート3)を採用した建築物の確認申請には、構造計算適合性判定が必要か。

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必要(法第6条の3第1項)。ルート3は「特定構造計算基準」に該当するため。ルート3主事という制度はなく、ルート3で適合性判定が免除される制度はない(令和5年 学科3 問11令和2年 学科3 問53)。

Q. 大臣認定ルート(高さ60m超・法第20条第1項第一号)の建築物に適合性判定は必要か。

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不要。大臣認定ルートは大臣認定の審査が適合性判定の代替となるため(令和2年 学科3 問53)。「高さ60m超だから必ず適合性判定が必要」という理解は誤り。

Q. ルート2を採用した建築物で、適合性判定が免除されるのはどのような場合か。

答えを見る

ルート2主事(ルート2に係る特定構造計算基準の審査ができると認定された建築主事等)がいる確認検査機関に確認申請を行う場合(法第6条の3第1項ただし書き)。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法 第6条の3(構造計算適合性判定)
  • 建築基準法 第18条の2(指定構造計算適合性判定機関)
  • 建築基準法 第20条(構造耐力)
  • 国土交通省 指定構造計算適合性判定機関一覧

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。