特定構造計算基準とは?ルート2・3と適合性判定の関係(法第20条第二号イ)
ルート君
特定構造計算基準って、何のことなの?
特定構造計算基準は、ルート2(大規模建築物)またはルート3を採用する場合に適用される、適合性判定が必要な計算基準です。
建築基準法 第20条第1項第二号イ(特定構造計算基準)
令第81条第2項第一号イに規定する保有水平耐力計算によるもの、または令第81条第2項第二号イに規定する許容応力度等計算によるものであって、政令で定めるものに限る。
特定構造計算基準とは、法第20条第1項第二号イまたは第三号イに規定する構造計算基準のうち、政令で定めるもの(令第9条の2)を指します。
具体的には、ルート2(許容応力度等計算)とルート3(保有水平耐力計算)が特定構造計算基準に該当し、構造計算適合性判定の対象となります。
特定構造計算基準にはどんな計算ルートが該当するのか
| 計算ルート | 特定構造計算基準への該当 |
|---|---|
| ルート3(保有水平耐力計算) | 該当する |
| ルート2(許容応力度等計算) | 該当する(ルート2主事がいる場合は判定不要) |
| ルート1(許容応力度計算のみ) | 該当しない |
| 限界耐力計算 | 該当する |
| 時刻歴応答解析(大臣認定ルート) | 大臣認定の対象であり、適合性判定とは別の手続き |
各ルートと構造計算適合性判定・構造設計一級建築士の関与対象の関係は、国土交通省の資料(下図)に整理されています。
特定構造計算基準と特定増改築構造計算基準は何が違うのか
- 特定増改築構造計算基準とは、既存建築物に増改築を行う場合に適用される構造計算基準のうち特定のものを指します(法第20条第1項第二号ロ・第三号ロに規定)。
- いずれも構造計算適合性判定の申請が必要という点では同じです。
なぜルート2・3は特定構造計算基準として特別扱いになるのか
ルート1(許容応力度計算のみ)は計算内容が比較的シンプルで確認検査機関でも審査できますが、ルート2・3・限界耐力計算は高度な専門知識を要するため、確認検査機関の通常審査では計算の妥当性を担保しにくいという背景があります。
特定構造計算基準として区分することで、専門機関(指定構造計算適合性判定機関)による二重審査の対象とし、構造安全性の確認精度を高めています。
ルート1はなぜ特定構造計算基準に含まれないのか
ルート1(許容応力度計算のみ)は部材断面の応力確認という基本的な計算であり、計算内容を確認検査機関でも審査できます。
また対象は比較的小規模な建築物(第三号・第四号)です。
一方、ルート2以上は偏心率・剛性率・保有水平耐力など複雑な検討が必要なため、専門機関の審査が求められます。
「どの計算ルートか」で適合性判定の要否が決まるという点を押さえましょう。
試験で問われやすいポイント
- 特定構造計算基準に該当するのはルート2・ルート3・限界耐力計算の3つ。ルート1は非該当。令和2年 学科3 問53:ルート1(許容応力度計算)採用建築物は適合性判定不要、ルート3採用建築物は必要という対比が出題された。
- 大臣認定ルート(令第81条第1項:時刻歴応答解析)は特定構造計算基準に該当せず、適合性判定の手続きとは別の大臣認定手続きが必要(令和2年 学科3 問53)。「大臣認定だから判定不要」という結論だけでなく、「別手続き」という理由を押さえる。
- 令第9条の2(特定構造計算基準の政令での定義)と法第6条の3(適合性判定の申請義務)の条文番号セットで覚えておくと選択肢を絞りやすい。
一問一答
Q. ルート1(許容応力度計算のみ・令第82条各号)は特定構造計算基準に該当するか。
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該当しない(令第9条の2)。適合性判定は不要。令第82条各号のみによる計算は特定構造計算基準の対象外。
Q. 限界耐力計算は特定構造計算基準に該当するか。
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該当する(令第81条第2項第一号ロ)。ルート2・ルート3と同様に適合性判定の申請が必要。
Q. 特定構造計算基準に該当する計算ルートをすべて挙げよ。
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ルート2(許容応力度等計算:令第81条第2項第二号イ)、ルート3(保有水平耐力計算:令第81条第2項第一号イ)、限界耐力計算(令第81条第2項第一号ロ)の3つ。ルート1と大臣認定ルートは含まれない。
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参照
- 建築基準法 第20条第1項第二号(特定構造計算基準の根拠)
- 建築基準法 第6条の3(構造計算適合性判定)
- 建築基準法施行令 第9条の2(特定構造計算基準の範囲)
- 建築基準法施行令 第81条(構造計算の種類)