特定天井の技術基準とは?告示第771号と平成20年代の構造関係告示の整備

ルート君

特定天井って、どんな技術基準があるの?

平成19年(2007年)の建築基準法改正後も、構造関係の告示・技術的助言は継続的に整備・改正されています。

ここでは、平成20年前後に改正・新設された主な構造関係告示の概要を整理します。

特定天井はどんな基準で定義され、どう設計するのか

建築基準法施行令 第39条第3項(特定天井の技術基準)

政令で定める技術的基準に適合するもの(特定天井)でなければならない。特定天井とは、脱落によって重大な危害を生ずるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める天井をいう。

平成23年(2011年)東日本大震災での天井落下被害を受け、平成25年に「特定天井」の規定が新設されました(令第39条第3項・平成25年国土交通省告示第771号)。

項目 内容
特定天井の定義 高さ6m超・面積200m²超・天井面構成部材等の重量が2kg/m²超の吊り天井
設計方法 仕様ルート・計算ルート・大臣認定ルートの3方法から選択
仕様ルートの主な要件 天井面構成部材等の単位面積質量20kg/m²以下・吊り材1本/m²以上・斜め部材(ブレース)の設置・壁等とのクリアランス確保

東日本大震災後、液状化対策はどう変わったのか

平成23年東日本大震災での液状化被害を受けて、国土交通省から液状化対策の技術的助言が複数発出されました。

液状化の判定方法(FL法)では、FL ≦ 1.0 の場合に液状化の可能性ありと判定します。東日本大震災後の技術的助言では、液状化対策工法(格子状地盤改良・小口径鋼管杭等)の適用条件・既存建築物の液状化被害調査の方法等について整理されています。

CFT柱の設計はどの告示に基づくのか

CFT柱は鋼管内部にコンクリートを充填した複合構造柱です。

大臣認定により告示の仕様規定によらない設計が可能ですが、標準的な設計法として平成14年国土交通省告示第474号に規定があります。

CFT柱の許容応力度・保有水平耐力の評価方法が定められており、実務では当該告示に基づいて設計します。

熊本地震後、どんな技術的助言が発出されたのか

平成28年熊本地震では、新耐震(1981年以降)の建物でも倒壊被害が生じました。

これを受けて、①ピロティ構造の耐震補強の重要性、②コンクリートの品質管理、③柱の帯筋量の確認等について技術的助言が発出されています。

試験で問われやすいポイント

  • 特定天井の定義3条件(令第39条第3項):①高さ6m・②面積200m²・③天井面構成部材等の重量2kg/m²の吊り天井。3条件全てを満たすものが特定天井。背景:2011年(平成23年)東日本大震災での天井落下被害を受けた平成25年改正(令第39条第3項の新設)。
  • 特定天井の仕様ルートの主な要件:天井面構成部材等の単位面積質量20kg/m²以下・吊り材1本/m²以上・ブレース(斜め部材)の設置・壁等とのクリアランス確保(平成25年告示第771号)。これらを満たせば地震時の応答計算なしで設計できる(※質量2kg/m²は特定天井の"定義"の閾値で、仕様ルートの上限20kg/m²とは別)。
  • 液状化判定(FL法):FL≦1.0→液状化可能性あり。東日本大震災後に国土交通省から液状化対策の技術的助言が複数発出。CFT柱(コンクリート充填鋼管)は平成14年告示第474号に許容応力度・保有水平耐力評価が規定。

一問一答

Q. 特定天井(令第39条第3項)の定義となる3つの条件を挙げよ。

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A. ①高さ6mを超えること(床面からの天井高さ)、②水平投影面積が200m²を超えること、③天井面構成部材等の重量が2kg/m²を超えること(平成25年国土交通省告示第771号)。3条件全てを満たす吊り天井が特定天井に該当し、令第39条第3項の技術基準への適合が必要となる。

Q. 特定天井の仕様ルートの主な要件を3つ挙げよ。

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A. 告示第771号の仕様ルートの主な要件:①天井面構成部材等の単位面積質量が20kg/m²以下、②吊り材を1本/m²以上釣合い良く配置、③斜め部材(ブレース)の設置と壁等とのクリアランス確保(天井面の水平揺れ・衝突を防止するため)。これらを全て満たすことで計算なしで特定天井の技術基準に適合できる(質量2kg/m²は"定義"の閾値であり仕様ルートの上限20kg/m²とは別物)。

Q. 特定天井の規定(令第39条第3項・平成25年告示第771号)が設けられた直接の背景となった出来事は?

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A. 2011年(平成23年)東日本大震災での天井落下被害。大規模施設(体育館・コンサートホール等)の吊り天井が地震時に落下し、けが人が多数発生した。これを受けて平成25年(2013年)に令第39条第3項が新設・平成25年告示第771号が制定され、特定天井の技術基準が整備された。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法施行令 第39条第3項(特定天井の技術基準)
  • 平成25年国土交通省告示第771号(特定天井の構造方法)
  • 平成14年国土交通省告示第474号(CFT柱の許容応力度)
  • 国土交通省ウェブサイト「液状化対策に関する技術的助言」

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ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。