型式適合認定とは?法第68条の10の仕組みと大臣認定との違い(プレハブ等の構造審査の省略)

ルート君

同じ規格のプレハブを何棟も建てるとき、毎回ぜんぶ審査し直すの?

同じ型式で量産される建築物の部分は、あらかじめ国土交通大臣がその型式を一連の規定に適合すると認定しておくことができます。これが型式適合認定(法第68条の10)です。

認定された型式の部材を使えば、建築確認や検査でその部分の審査を省略できます。

建築基準法 第68条の10第1項(型式適合認定)

国土交通大臣は、申請により、建築物の部分(建築設備を含む。)で政令で定めるものの型式が、当該建築物の部分に係る一連の規定(防火・避難・構造耐力等に関する規定)に適合するものであることの認定(型式適合認定)を行うことができる。

型式適合認定の対象となる建築物の部分は、令第136条の2の11が定めています。

大きく分けて、防火設備・換気設備等の単体の部分(第一号)と、主要構造部や主要構造部以外の構造耐力上主要な部分などをまとめた建築物の部分(第二号、プレハブ住宅・ユニット工法等の型式)があります。

型式適合認定から確認の省略まではどうつながるのか

段階 根拠条文 内容
① 型式適合認定 法第68条の10 建築物の部分の型式が一連の規定に適合する旨を大臣(または指定認定機関)が認定する
② 型式部材等製造者の認証 法第68条の11 その型式どおりに製造する者を認証する(認証型式部材等製造者)
③ 確認・検査の特例 法第68条の20 認証型式部材等については、建築確認・完了検査で当該型式に係る一連の規定の審査・検査が省略される

同じ型式の製品を一つひとつ審査し直す必要をなくすことで、確認手続を合理化する仕組みになっています。

構造耐力(法第20条・令第3章の構造強度)も「一連の規定」に含まれるため、プレハブ・ユニット工法等の構造性能をあらかじめ型式で確認しておくことができます。

型式適合認定と「構造方法等の大臣認定」は何が違うのか

名前が似ていますが、構造方法等の大臣認定(法第68条の25・第68条の26等)とは別の制度です。

制度 根拠 認定するもの
型式適合認定 法第68条の10 量産される建築物の部分の「型式」が一連の規定に適合すること(→確認・検査の省略につながる)
構造方法等の大臣認定 法第68条の25・第68条の26等 例示仕様によらない個別の構造方法・建築材料・構造計算の方法が基準に適合すること(時刻歴応答解析・特殊な材料等)

型式適合認定は「同じものを繰り返し建てる」ことを前提にした量産・合理化のための認定です。

構造方法等の大臣認定は、例示仕様に当てはまらない個別の構造方法・材料を認める認定であり、目的が異なります。

なぜ型式で認定する仕組みがあるのか

工業化住宅のように同じ仕様で大量に供給される建築物では、一棟ごとに同じ内容の審査を繰り返すことは合理的ではありません。

そこで、型式の段階で一連の規定への適合を確認しておき、製造者を認証することで、品質を確保しながら確認手続を軽くしています。

審査を省略しても安全性が下がらないように、認証された製造者には型式どおりに製造する義務が課されています。

試験で問われやすいポイント

  • 型式適合認定(法第68条の10)は、建築物の部分の「型式」が一連の規定に適合する旨の認定。対象は令第136条の2の11が定める。
  • 型式適合認定→型式部材等製造者の認証(法第68条の11)確認・検査の特例(法第68条の20)という流れ。認証型式部材等は確認・検査で一連の規定の審査・検査が省略される。
  • 構造方法等の大臣認定(法第68条の25・第68条の26)とは別の制度。型式適合認定は量産部材の合理化、大臣認定は例示仕様によらない個別の構造方法・材料・計算方法の認定。両者を取り違えない。

一問一答

Q. 型式適合認定(法第68条の10)を受けた型式の部材を製造する者を認証する制度と、その根拠条文は何か。

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A. 型式部材等製造者の認証(法第68条の11)。認証を受けた者(認証型式部材等製造者)が製造する認証型式部材等は、建築確認・完了検査で当該型式に係る一連の規定の審査・検査が省略される(法第68条の20)。

Q. 型式適合認定と「構造方法等の大臣認定」は同じ制度か。

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A. 別の制度である。型式適合認定(法第68条の10)は量産される建築物の部分の「型式」が一連の規定に適合する旨の認定で、確認・検査の省略につながる。構造方法等の大臣認定(法第68条の25・第68条の26等)は、例示仕様によらない個別の構造方法・建築材料・構造計算の方法を認める認定である。

Q. 型式適合認定の対象となる建築物の部分を定めているのはどの規定か。

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A. 令第136条の2の11。防火設備・換気設備等の単体の部分(第一号)と、主要構造部等をまとめた建築物の部分(第二号、プレハブ住宅・ユニット工法等の型式)が定められている。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。条番号は法改正により変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法 第68条の10(型式適合認定)
  • 建築基準法 第68条の11(型式部材等製造者の認証)
  • 建築基準法 第68条の20(認証型式部材等に関する確認及び検査の特例)
  • 建築基準法 第68条の25・第68条の26(構造方法等の認定・特殊構造方法等の認定)
  • 建築基準法施行令 第136条の2の11(型式適合認定の対象とする建築物の部分及び一連の規定)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。