告示第1450号とは?コンクリートの付着・引張り・せん断の許容応力度(令第91条)
ルート君
コンクリートの許容応力度って、圧縮以外はどこで決まるの?
平成12年建設省告示第1450号は、コンクリートの付着・引張り・せん断に対する許容応力度と材料強度を定めた告示です。
コンクリートの圧縮の許容応力度は令第91条が直接定めますが(長期=Fc/3)、付着・引張り・せん断については令第91条が大臣の定めに委ね、その具体値をこの告示が与えています。
令第91条と告示第1450号はどう分担しているのか
建築基準法施行令 第91条(コンクリートの許容応力度)/平成12年建設省告示第1450号
コンクリートの長期に生ずる力に対する許容圧縮応力度は設計基準強度Fcの1/3、短期はその2倍とする。付着・引張り・せん断に対する許容応力度及び材料強度は、平成12年建設省告示第1450号(「コンクリートの付着、引張り及びせん断に対する許容応力度及び材料強度を定める件」)の定めるところによる。
| 応力の種類 | 根拠 | 長期許容応力度 |
|---|---|---|
| 圧縮 | 令第91条 | Fc/3 |
| せん断・付着・引張り | 告示第1450号 | 告示の式による(下記) |
Fcは設計基準強度(N/mm²)です。短期許容応力度は、圧縮・せん断・付着いずれも長期の2倍とします。
長期許容せん断応力度はどう求めるのか(告示第1450号)
平成12年建設省告示第1450号(コンクリートの長期許容せん断応力度)
コンクリートの長期に生ずる力に対する許容せん断応力度は、Fc/30とする。ただし、その値が 0.49 + Fc/100 を超える場合は、0.49 + Fc/100 とする。短期は長期の2倍とする。
つまり長期許容せん断応力度は Fc/30 と (0.49 + Fc/100) の小さい方です。設計基準強度が大きくなるほど、後者(頭打ちのある式)が効いてきます。
| 設計基準強度Fc | Fc/30 | 0.49+Fc/100 | 長期許容せん断応力度 |
|---|---|---|---|
| 18 N/mm² | 0.60 | 0.67 | 0.60 N/mm² |
| 21 N/mm² | 0.70 | 0.70 | 0.70 N/mm² |
| 24 N/mm² | 0.80 | 0.73 | 0.73 N/mm² |
Fc21までは Fc/30 が、Fc21を超えると (0.49+Fc/100) が支配します(Fc21でちょうど一致)。短期はそれぞれ2倍です。
付着の許容応力度はどう扱われるのか
告示第1450号は、異形鉄筋のコンクリートに対する付着許容応力度も定めています。
特徴的なのは、はりの上端筋(下に300mm以上のコンクリートが打ち込まれる位置にある鉄筋)は、それ以外の鉄筋より付着許容応力度が小さく定められている点です。コンクリート打込み時に下方の沈下やブリーディング(浮き水)で上端筋の下面の付着が劣化しやすいことを反映しています。短期は長期の2倍とします。
なお、コンクリートの引張りは設計上ふつう見込みませんが(引張は鉄筋が負担する)、告示はその許容応力度・材料強度の枠組みも定めています。具体の数値は告示第1450号本文によります。
なぜ圧縮以外を告示で定めるのか
令第91条はコンクリートの基本となる圧縮(Fc/3)を条文本文に置きつつ、付着・引張り・せん断は数値を大臣の定め(告示)に委ねています。
これらは設計基準強度Fcや鉄筋の位置(上端筋かどうか)によって細かく場合分けされるため、表や式を告示に切り出すことで、規定を整理しやすくしているものです。
RC造のせん断設計や定着・継手の検討では「令第91条+告示第1450号」をセットで参照することになります。
試験で問われやすいポイント
- コンクリートの許容応力度の分担:圧縮=令第91条(長期Fc/3)、付着・引張り・せん断=告示第1450号。短期はいずれも長期の2倍。
- 長期許容せん断応力度=Fc/30 と (0.49+Fc/100) の小さい方。Fc21でちょうど0.70N/mm²(両式が一致)、Fc24では0.73N/mm²(後者が支配)。
- 付着:はりの上端筋(下に300mm以上コンクリートがある鉄筋)は付着許容応力度が小さい。ブリーディングで上端筋下面の付着が劣るため。短期は長期の2倍。
一問一答
Q. コンクリートの圧縮・せん断・付着の許容応力度は、それぞれどの規定が定めているか。
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A. 圧縮は令第91条(長期Fc/3)、せん断・付着・引張りは告示第1450号。短期はいずれも長期の2倍。圧縮だけ条文本文、それ以外は告示に委任という分担を押さえる。
Q. 設計基準強度Fc=24N/mm²のコンクリートの長期許容せん断応力度はいくらか(告示第1450号)。
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A. 0.73N/mm²。Fc/30=0.80と、0.49+24/100=0.73の小さい方をとる。Fcが21を超えると(0.49+Fc/100)が支配する。短期はこの2倍。
Q. はりの上端筋の付着許容応力度が、それ以外の鉄筋より小さく定められているのはなぜか。
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A. コンクリート打込み時のブリーディング(浮き水)や下方の沈下により、上端筋の下面の付着が劣化しやすいため。告示第1450号は、はりの上端筋(下に300mm以上のコンクリートがある鉄筋)の付着許容応力度を小さく設定している。
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参照
- 建築基準法施行令 第91条(コンクリートの許容応力度)
- 建築基準法施行令 第97条(コンクリートの材料強度)
- 平成12年建設省告示第1450号(コンクリートの付着、引張り及びせん断に対する許容応力度及び材料強度を定める件)