RC造の許容応力度とは?コンクリート・鉄筋の長期・短期数値(令第90条・第91条)
ルート君
RC造の許容応力度って、どんな数値を使うの?
RC造の許容応力度は、コンクリートの設計基準強度Fcと鉄筋の種別に応じた数値が定められています。
RC造の許容応力度は、コンクリートと鉄筋の2種の材料について個別に規定されています。
令第91条〜令第99条および告示(コンクリートは平成12年建設省告示第1450号)に数値が定められています。
コンクリートの許容応力度はどんな数値か(令第91条)
| 応力の種類 | 長期許容応力度(Fc=21 N/mm²の例) | 短期許容応力度 |
|---|---|---|
| 圧縮 | 7 N/mm²(= Fc/3) | 10.5 N/mm²(長期の1.5倍) |
| 引張 | 0(原則、引張強度は無視) | 0 |
| せん断 | 0.70 N/mm²(Fc=21。Fc/30と0.49+Fc/100の小さい方) | 長期の1.5倍 |
| 付着(異形鉄筋) | 1.35 N/mm²(Fc=21・異形の目安) | 長期の1.5倍 |
許容応力度はコンクリートの設計基準強度Fc(N/mm²)によって変化します。
Fcが大きいほど許容応力度が高くなります。
鉄筋種別ごとの許容応力度はどう違うのか(令第90条)
| 鉄筋の種類 | 長期許容引張応力度 | 短期許容引張応力度 |
|---|---|---|
| SR235(丸鋼) | 155 N/mm² | 235 N/mm² |
| SD295A(異形) | 195 N/mm² | 295 N/mm² |
| SD345(異形) | 215 N/mm² | 345 N/mm² |
| SD390(異形) | 215 N/mm²(長期は345N/mm²の2/3以下に制限) | 390 N/mm² |
柱に圧縮と曲げが同時に作用するときはどう確認するのか(令第82条第三号)
柱のように圧縮力と曲げモーメントが同時に作用する部材では、令第82条第三号に基づき、各応力度を組み合わせた状態で許容応力度以下であることを確認します(圧縮材は座屈を考慮した許容圧縮応力度を用いる)。
(令第92条の2は高力ボルト接合の許容応力度を定める条文で、柱の複合応力の規定ではありません。)
なぜRC造ではコンクリートと鉄筋の許容応力度を個別に設定するのか
コンクリートは圧縮に強く引張に極めて弱い(引張強度は圧縮強度の約1/10程度)のに対し、鉄筋は引張力を主に負担します。
このため、RC造の設計ではコンクリートの引張許容応力度をゼロとして、引張力はすべて鉄筋が負担するという前提を置きます。
SD345やSD390のような高強度鉄筋でも長期許容引張応力度に上限(215N/mm²)が設けられているのは、応力度が高い鉄筋を長期的に使用するとひび割れ幅が大きくなり耐久性が低下するためです。
短期では降伏点相当の高い応力を使えますが、長期には制限が必要です。
試験で問われやすいポイント
- RC造の鉄筋長期許容引張応力度(令第90条):SR235=155・SD295A=195・SD345=215・SD390=215(N/mm²)。SD345とSD390の長期が同値「215N/mm²」であることに注意。短期はそれぞれ235・295・345・390N/mm²(降伏点相当)。
- コンクリートの長期許容圧縮応力度(令第91条):Fc/3。Fc=18→6N/mm²、Fc=21→7N/mm²、Fc=24→8N/mm²。引張は原則ゼロ(RC造設計の前提)。
- 柱の複合応力(令第82条第三号):軸力と曲げが同時に作用する柱では、各応力度を組み合わせて許容応力度以下であることを確認する。圧縮材は座屈を考慮した許容圧縮応力度を用いる。(令第92条の2は高力ボルト接合の規定で別物)
一問一答
Q. SD390鉄筋の長期許容引張応力度はいくつか。SD345と比較して述べよ(令第90条等)。
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SD390の長期許容引張応力度は215N/mm²で、SD345の215N/mm²と同値。高強度鉄筋でも長期許容応力度の上限は制限される(345N/mm²の2/3≒230→215N/mm²)。短期のみSD390(390N/mm²)> SD345(345N/mm²)となる。
Q. RC造の設計でコンクリートの引張力を無視するのはなぜか。また引張力は何が負担するか。
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コンクリートの引張強度は圧縮強度と比べて非常に小さく(約1/10程度)、かつひび割れが生じると実質ゼロになるため設計では無視する。引張力は鉄筋が全て負担する(RC造許容応力度設計の基本前提)。
Q. Fc=27N/mm²のコンクリートの長期許容圧縮応力度と短期許容圧縮応力度を答えよ。
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長期=Fc/3=27/3=9N/mm²、短期=長期×1.5=9×1.5=13.5N/mm²(令第91条)。
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参照
- 建築基準法施行令 第90条(鋼材・鉄筋の許容応力度)・第91条(コンクリートの許容応力度)
- 平成12年建設省告示第1450号(コンクリートの許容応力度・材料強度)