耐震壁やブレースを撤去すると確認申請は必要?主要構造部と大規模の模様替(法第2条・第6条)
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ルート君
耐震壁を撤去すると確認申請がいるって聞くけど、鉄骨のブレースも同じ扱いなの?
RC造の耐震壁と鉄骨造のブレースは、どちらも地震力に抵抗する大事な要素ですが、確認申請の扱いは同じではありません。
分かれ目になるのが、その要素が主要構造部に当たるかどうかです。確認申請が必要になる「大規模の修繕・模様替」は、主要構造部を基準に定義されているからです。
ここでは、法第2条の定義に沿って、耐震壁とブレースの撤去で確認申請の要否がどう変わるのかを整理します。
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確認申請の鍵は「大規模の修繕・模様替」かどうか
増築をともなわない改修工事で確認申請が必要になるのは、それが大規模の修繕・大規模の模様替に当たる場合です。
建築基準法 第2条第14号・第15号
第14号(大規模の修繕):建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。
第15号(大規模の模様替):建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。
この定義は、いずれも「主要構造部の過半」を基準にしています。つまり、撤去しようとしている要素が主要構造部に当たるかどうかが、確認申請の要否を分ける出発点になります。
主要構造部と構造耐力上主要な部分は何が違うのか
よく似た用語に「主要構造部」と「構造耐力上主要な部分」がありますが、定義する条文も範囲も別物です。
| 用語 | 条文 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| 主要構造部 | 法第2条第5号 | 壁・柱・床・はり・屋根・階段(防火上の観点。間仕切壁・間柱・最下階の床・ひさし・屋外階段などは除く) |
| 構造耐力上主要な部分 | 令第1条第3号 | 基礎・基礎ぐい・壁・柱・小屋組・土台・斜材(筋かい・方づえ・火打材など)・床版・屋根版・横架材(構造耐力の観点) |
ポイントは、筋かい(ブレース)は構造耐力上主要な部分には含まれるが、主要構造部には含まれないという点です。両者の違いは主要構造部と構造耐力上主要な部分の違いでも整理しています。
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RC造の耐震壁を撤去する場合
RC造の耐震壁は、地震力に抵抗する耐力壁であると同時に、構造としての「壁」です。壁は主要構造部に含まれます。
そのため、耐震壁の撤去や改修が壁の過半に及ぶ場合は、大規模の模様替に当たり、確認申請の対象になりえます。確認が必要かどうかは、おおむね次の二つで決まります。
| 判断要素 | 内容 |
|---|---|
| 過半かどうか | 壁については、撤去・改修する面積が壁全体の面積の過半に当たるかで判断する |
| 建築物の区分 | 法第6条第1項一号・二号の建築物(RC造など一定規模以上)は、大規模の修繕・模様替も確認の対象。新3号の小規模建築物は対象外 |
耐震壁1枚の撤去がただちに「壁の過半」とは限りません。建物の壁全体に対する割合で判断するため、規模や枚数によって結論が変わります。なお、耐震壁と雑壁の違いのように、撤去する壁が構造上の耐震壁なのか非構造の雑壁なのかでも、構造的な影響の評価は変わってきます。
鉄骨造のブレースを撤去する場合
鉄骨造のブレース(筋かい・斜材)は、構造耐力上主要な部分には当たりますが、主要構造部には含まれません。
大規模の修繕・模様替は主要構造部を基準に定義されているため、ブレースの撤去や変更は、その行為だけでは大規模の模様替に当たらず、その行為単独では確認申請の対象にはならないと整理されます。
ただし、確認申請が不要であることと、構造的に問題がないことは別です。ブレースは地震力・風圧力に抵抗する要素なので、撤去すれば建物の耐力やバランスに直接影響します。法第20条の構造耐力の基準は確認の手続きとは別に満たす必要があり、撤去にともなって柱・はりなど主要構造部の改修が過半に及べば、その時点で大規模の模様替として確認が必要になります。
二つの違いをどう整理するか
耐震壁とブレースで扱いが分かれるのは、どちらも地震に効く要素でありながら、法律上の分類が違うためです。
| 要素 | 主要構造部か | 撤去と確認申請 |
|---|---|---|
| RC造の耐震壁 | 当たる(壁) | 壁の過半に及べば大規模の模様替=一号・二号建築物で確認の対象になりうる |
| 鉄骨造のブレース | 当たらない(斜材) | その行為単独では大規模の模様替に当たらず、確認申請は原則不要。ただし法第20条の構造安全は別途必要 |
確認申請の要否は最終的に所管行政庁・確認検査機関の判断によります。撤去の範囲が主要構造部の過半に及ぶかどうかを、工事の内容に沿って確かめておきたいところです。
試験で問われやすいポイント
- 大規模の修繕・模様替(法第2条第14号・第15号)は主要構造部の一種以上の過半で定義される。主要構造部は壁・柱・床・はり・屋根・階段(法第2条第5号)。
- 筋かい(ブレース)は構造耐力上主要な部分には含まれるが、主要構造部には含まれない(令第1条第3号と法第2条第5号の違い)。そのためブレースの撤去はその行為単独では大規模の模様替に当たらない。
- RC造の耐震壁は主要構造部の「壁」。壁の過半に及ぶ改修は大規模の模様替に当たり、法第6条第1項一号・二号建築物で確認の対象になりうる。
- 確認申請の要否と法第20条の構造安全は別。確認不要でも構造耐力上の安全は確保が必要。
主要構造部や大規模の模様替の定義は、建築士試験でも頻出です。学習の進め方は、建築士講座の費用の比較もあわせてご覧ください。
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一問一答
Q. 鉄骨造のブレースを撤去すると確認申請は必要か。
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A. ブレース(筋かい・斜材)は構造耐力上主要な部分だが主要構造部には含まれないため、その行為単独では大規模の模様替に当たらず、確認申請は原則不要。ただし法第20条の構造耐力の基準は別途満たす必要がある。
Q. RC造の耐震壁を撤去すると確認申請は必要か。
答えを見る
A. 耐震壁は主要構造部の「壁」なので、撤去・改修が壁の過半に及べば大規模の模様替に当たり、法第6条第1項一号・二号建築物では確認の対象になりうる。過半かどうかは壁全体の面積に対する割合で判断する。
Q. 主要構造部と構造耐力上主要な部分はどう違うか。
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A. 主要構造部(法第2条第5号)は防火の観点で壁・柱・床・はり・屋根・階段を指す。構造耐力上主要な部分(令第1条第3号)は構造耐力の観点で基礎・土台・斜材(筋かい等)・横架材なども含む。筋かいは後者のみに含まれる。
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参照
- 建築基準法 第2条第5号(主要構造部)・第14号・第15号(大規模の修繕・模様替)
- 建築基準法施行令 第1条第3号(構造耐力上主要な部分)
- 建築基準法 第6条第1項(確認申請を要する建築物)・第20条(構造耐力)