構造耐力上主要な部分とは?定義と対象部材(令第1条第3号)
ルート君
構造耐力上主要な部分って、建物のどこのことなの?
構造耐力上主要な部分は、令第1条第3号に定義された、建物の自重・地震・風圧などの荷重を支える基幹的な部材の総称です。
この定義は、法第20条(構造耐力)をはじめ、多くの構造規定がどの部材に適用されるかを決める基準になっています。
令第1条第3号の条文
建築基準法施行令 第1条第1項第3号(定義)
「構造耐力上主要な部分」とは、基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。
)、床版、屋根版又は横架材(梁、けたその他これらに類するものをいう。
)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。
構造耐力上主要な部分に含まれる部材は何か
| 部材の種類 | 具体例 |
|---|---|
| 基礎 | 布基礎、べた基礎、独立基礎 |
| 基礎ぐい | 既製コンクリートぐい、場所打ちコンクリートぐい、鋼管ぐい |
| 壁 | 耐力壁(RC造、木造の構造壁) |
| 柱 | RC柱、鉄骨柱、木柱 |
| 小屋組 | 木造の棟木・垂木・母屋など小屋の骨組み全体 |
| 土台 | 木造の最下部の横架材 |
| 斜材 | 筋かい、方づえ、火打材 |
| 床版 | RCスラブ、合成スラブ |
| 屋根版 | RC屋根スラブ、折板屋根(構造に関与するもの) |
| 横架材 | 梁、けた |
荷重を支えていない壁は該当するのか
条文が定める部材の種類に当てはまっても、「自重・積載荷重・積雪荷重・風圧・土圧・水圧または地震その他の震動・衝撃を支えるもの」でなければ、構造耐力上主要な部分には該当しません。
間仕切り壁のうち荷重を負担しない非耐力壁は、条文の「壁」に形式上は含まれますが、荷重を支えていないため構造耐力上主要な部分には当たりません。
法第20条・仕様規定との関係はどうなっているのか
- 法第20条(構造耐力)は、「構造耐力上主要な部分」が荷重・外力に対して安全であることを求めています。
- 令第36条以下の仕様規定も、この定義に基づく部材に適用されます。
- 耐久性等関係規定(令第36条第1項)においても、構造耐力上主要な部分の耐久性確保が求められています。
「主要構造部」とはなぜ別の概念なのか
「構造耐力上主要な部分」と混同されやすい概念に、法第2条第5号の主要構造部があります。
主要構造部は防火・避難規制を目的とした概念で、壁・柱・床・梁・屋根・階段が対象です。
一方、構造耐力上主要な部分は構造強度を目的とした概念で、基礎・基礎ぐい・斜材なども含まれます。
2つを分けているのは、防火上重要な部材と構造強度上重要な部材が必ずしも一致しないためです。
基礎は構造強度上の核心ですが防火とは関係がなく、階段は防火・避難上重要でも構造強度の主要部材ではありません。
試験で問われやすいポイント
- 「構造耐力上主要な部分」と「主要構造部」は異なる概念。「基礎・基礎ぐい」は構造耐力上主要な部分に含まれるが、主要構造部(法第2条第5号)には含まれない。逆に「階段」は主要構造部だが構造耐力上主要な部分ではない。
- 平成27年 学科3 問51:木造の構造耐力上主要な部分である柱の有効細長比は150以下(令第43条)。「間柱」は構造耐力上主要な部分の柱ではないため同規定の対象外。柱と間柱の区別も出題される。
- 小屋組・土台・斜材(筋かい・方づえ・火打材)は構造耐力上主要な部分に含まれる。仕様規定(令第36条以下)の適用はこの定義に基づく部材に対して行われる。
一問一答
Q. 「構造耐力上主要な部分」と「主要構造部」はどちらが基礎を含むか。
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構造耐力上主要な部分(令第1条第3号)が基礎・基礎ぐいを含む。主要構造部(法第2条第5号)には基礎は含まれない。
Q. 荷重を負担しない間仕切り壁は「構造耐力上主要な部分」に該当するか。
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該当しない。令第1条第3号は「荷重を支えるもの」という条件があるため、荷重を負担しない壁は同定義に当てはまらない。
Q. 木造の構造耐力上主要な部分である柱の有効細長比の上限は何か(令第43条)。
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150以下。間柱は構造耐力上主要な部分の「柱」に含まれないため、この規定は適用されない(平成27年 学科3 問51)。
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参照
- 建築基準法施行令 第1条第1項第3号(構造耐力上主要な部分の定義)
- 建築基準法 第20条(構造耐力)
- 建築基準法施行令 第36条(仕様規定)