法令用語の「者」「もの」「物」はどう違う?主体・限定・有体物の使い分け(条文の読み方)

本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

ルート君

条文で「者」って書いてあるところと、ひらがなの「もの」があるけど、わざと変えてるの?

「者」「もの」「物」は書き分けられていて、「者」は人ひらがなの「もの」は限定や法人格のない団体など「物」は有体物を表します。

同じ「もの」でも漢字かひらがなかで、指しているものが変わります。

建築基準法 第2条(用語の定義)から

「建築主 建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をするをいう。」

「設計者 そのの責任において、設計図書を作成したをいい…」

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

建築関係法令集 法令編

建築関係法令集 法令編

「者」と「もの」の書き分けは、法令集で条文を実際に見ると身につきます。

実務者向けメモ:構造設計の市場価値は設計者の転職エージェント比較で見ておけます。

3つの書き分けの基本

まず、3つの意味を大づかみに押さえます。

表記 指すもの
権利義務の主体となる(自然人・法人) 建築主・設計者・工事施工者・所有者
もの(平仮名) 人にも物にも当たらない場合、または前の語句を受けて限定するとき 「…を支えるもの」「法人でない団体で…であるもの」
有体物(形のあるもの) 建築物・工作物・物件

「者」は人、「物」は形のあるもの、「もの」はそのどちらでもない場合や限定に使う、という並びです。

条文が漢字とひらがなを使い分けているのは、この違いを表すためです。

「者」は人を指す

「者」は、権利義務の主体になれる人を指します。自然人だけでなく、法人も含みます。

建築基準法第2条の定義でも、関係者はすべて「者」で書かれています。

用語 定義(第2条)
建築主 工事の請負契約の注文者、又は請負契約によらないで自らその工事をする
工事施工者 工事の請負人、又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする
設計者 その者の責任において、設計図書を作成した
工事監理者 建築士法第2条第8項に規定する工事監理をする

維持保全の義務を負う「所有者、管理者又は占有者」も、いずれも人を指す「者」です。

「者」とあれば、条文はその人(自然人・法人)を主語や対象にしていると読みます。

ひらがなの「もの」は限定などに使う

ひらがなの「もの」は、「者」にも「物」にも当てはまらない場合や、前の語句を受けて範囲を限定するときに使います。

構造でわかりやすいのが、構造耐力上主要な部分の定義(令第1条第3号)です。

建築基準法施行令 第1条第3号(末尾)

「…床版、屋根版又は横架材…で、当該建築物の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。」

ここでの「支えるもの」は、前に挙げた部材のうち、荷重や外力を支えるものに限るという限定です。

同じ壁や床でも、これに当たらないものは構造耐力上主要な部分ではない、という読み分けになります。

条文の読み方は、学科試験の法規で差が出る分野です。学習の進め方は、スタディングの評判もあわせてご覧ください。

「物」は有体物を指す

漢字の「物」は、形のある物(有体物)を指します。

建築基準法が対象とする建築物工作物も、この「物」を含む言葉です。

表記 指すもの
建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根・柱・壁を有するものなど(法第2条第1号)=有体物
工作物 擁壁・煙突・広告塔など(法第88条・令第138条)=有体物

「者」が人、「物」が有体物なので、両者を取り違えると規定の対象を人と物で混同してしまいます。

条文では、対象が人なら「者」、形のある物なら「物」と書き分けられている、と押さえます。

試験・実務で押さえるポイント

  • =権利義務の主体となる人(自然人・法人)。建築主・設計者・工事施工者・工事監理者・所有者など。
  • もの(平仮名)=人にも物にも当たらない場合、または前の語句を受けて限定するとき。令第1条第3号「…を支えるもの」は限定の例。
  • =有体物。建築物・工作物など。
  • 漢字とひらがなの書き分けは意味の違いを表す。「者」と「物」を取り違えると、規定の対象を人と物で混同する。

構造法規を読みこなす力は、実務でも評価されます。建築士・設計者の転職エージェント比較で選択肢を確かめてみてください。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

一問一答

Q. 「者」はどういうものを指すか。

答えを見る

A. 権利義務の主体となる人(自然人・法人)。建築基準法第2条の建築主・設計者・工事施工者・工事監理者はいずれも「者」で定義されている。

Q. ひらがなの「もの」はどんなときに使うか。

答えを見る

A. 「者」にも「物」にも当たらない場合や、前の語句を受けて範囲を限定するとき。令第1条第3号の「…を支えるもの」は、荷重や外力を支えるものに限る限定の例。

Q. 「物」は何を指すか。

答えを見る

A. 有体物(形のあるもの)。建築物・工作物などが「物」を含む言葉。

Q. 条文で漢字とひらがなが使い分けられているのはなぜか。

答えを見る

A. 人(者)・限定など(もの)・有体物(物)という意味の違いを表すため。書き分けを読み取ることで、規定の対象が人か物かを取り違えずに読める。

ほかの条文の読み方は「その他」と「その他の」「準用・適用・みなす・この限りでない」本文・ただし書・柱書・号・イロハの構造で扱っています。用語解説の一覧もどうぞ。

最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。個別の条文での「者」「もの」「物」の意味は文脈により細部が異なるため、実際の適用にあたっては各条文の文言と最新の法令をご確認ください。

参照

  • 建築基準法 第2条(建築主・設計者・工事施工者・工事監理者の定義=「者」)・第1号(建築物)・第88条(工作物)
  • 建築基準法施行令 第1条第3号(構造耐力上主要な部分=「…を支えるもの」)
  • 法令の一般的な用語法(「者」=人・「もの」=限定等・「物」=有体物)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。