「政令で定める」「大臣が定める」とは?建築基準法の委任の階層と構造の告示(条文の読み方)

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ルート君

法律を読むと「政令で定める」ばっかりで、肝心の数字が書いてない。どこに載ってるの?

「政令で定める」「国土交通大臣が定める」「条例で定める」は、法律が具体の基準を下位の法令に委ねていることを表す言い方です。

数値そのものは法律の本文ではなく、委ねられた先の政令・告示・条例に書かれています。

委任の言い回しの例

「…その構造は、政令で定める技術的基準に適合するものでなければならない。」(法律 → 政令へ)

「…国土交通大臣が定める構造方法を用いるもの…」(政令 → 告示へ)

「…地方公共団体は、条例で、…制限を付加することができる。」(法律 → 条例へ)

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委任の階層はどうなっているのか

建築基準法は、大きな枠組みを法律で定め、具体の技術的基準を段階的に下位の法令へ委ねています。

この段階を、委任の言い回しとあわせて並べると次のとおりです。

段階 正式名称の例 条文での言い回し
法律 建築基準法(昭和25年法律第201号) 委ねる側(枠組みを定める)
政令 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号) 政令で定める
省令 建築基準法施行規則(国土交通省令) 国土交通省令で定める
告示 ○年国土交通省告示第○号 国土交通大臣が定める」「国土交通大臣が指定する」
条例 各地方公共団体の建築基準条例など 「地方公共団体は、条例で

上の段が下の段に委ねるので、条文に「政令で定める」とあれば施行令を、政令に「大臣が定める」とあれば告示を見に行くことになります。

数値を探すときは、この階層を1段ずつたどるのが基本です。

なぜ構造分野は告示委任が多いのか

構造の規定は、材料・工法・計算方法が細かく、改正も多い分野です。

そのため、変わりやすい具体の数値や方法は法律・政令に直接書かず、告示に委ねている条文が多くあります。

委任の例 委ねる条文 委ねられた先
構造耐力の技術的基準 法第20条 → 施行令第3章 各告示(基礎・荷重・計算方法など)
その他の構造の構造方法 令第80条の2 告示第1320号(PC造)告示第474号(特定畜舎)など
基準風速V0・地盤の許容応力度など 令第87条・第93条ほか 告示第1454号・告示第1113号など
建築材料の品質 法第37条 JIS規格・国土交通大臣の指定・認定

つまり構造の実務では、法律や政令だけでは足りず、告示まで読まないと数値が確定しません。

この委任のつながりを追う力が、構造法規を読むうえでの土台になります。

「大臣が定める」と「大臣の認定」はどう違うのか

告示と紛らわしいのが、同じ「大臣」でも意味が違う認定です。

言い回し 性格 対象
国土交通大臣が定める/指定する 告示=一般的な基準 要件に当たるものすべてに一律に適用される
国土交通大臣の認定を受けた 大臣認定=個別の判断 申請された個々の構造方法・材料などに対して行われる

「大臣が定める」は告示という一般ルール、「大臣の認定」は個別の建築物や材料についての判断です。

個々の認定の手続や種類は大臣認定とはで扱っています。

条文の読み方は、学科試験の法規で差が出る分野です。学習の進め方は、スタディングの評判もあわせてご覧ください。

条例への委任はどんなときか

法律は、地方公共団体に対しても条例で制限を定める余地を委ねています。

構造で身近なのは、地方の実情に応じてがけや擁壁の制限を上乗せする条例です。

委任の例 委ねられた先
地方公共団体が地域の状況により付加する制限(法第40条ほか) がけ条例(各都道府県・市の建築基準条例)

条例は地方公共団体ごとに内容が違うため、同じ全国の法律・政令・告示に加えて、その地域の条例を確認する必要があります。

告示・技術的助言・条例の位置づけの違いは技術的助言とはでも整理しています。

どこを見れば数値が確定するのか

委任の階層を追うと、確認する順序が決まります。

順序 見るもの
1法律の条文(枠組みと、どこへ委ねているか)
2「政令で定める」→ 施行令
3「大臣が定める」→ 告示
4「条例で」→ その地域の条例

実際の調べ方(e-Gov法令検索・国土交通省ウェブサイト・官報)は告示・技術的助言の調べ方にまとめています。

法律の本文で数値が見つからないときは、たいてい下位の法令に委ねられていると考えると迷いません。

試験・実務で押さえるポイント

  • 「政令で定める」=施行令、「国土交通省令で定める」=施行規則、「国土交通大臣が定める/指定する」=告示、「条例で」=地方公共団体の条例への委任。
  • 委任の階層は法律 → 政令 → 省令/告示 → 条例。数値は委ねられた先に書かれている。
  • 構造分野は改正が多く細かいため、告示委任が多い(法第20条・令第80条の2など)。告示まで読まないと数値が確定しない。
  • 「大臣が定める」=告示(一般的な基準)と、「大臣の認定」=個別の判断は別物。

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一問一答

Q. 条文の「政令で定める」は、どの法令を指すか。

答えを見る

A. 建築基準法の場合は建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)を指す。数値や技術的基準はそこに書かれている。

Q. 「国土交通大臣が定める」とあったら、どこを見るか。

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A. 国土交通省告示を見る。構造分野は令第80条の2や令第3章の各規定から告示に委ねられているものが多い。

Q. 「大臣が定める」と「大臣の認定を受けた」はどう違うか。

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A. 「定める」は告示で、要件に当たるものすべてに一律にかかる一般的な基準。「認定」は申請された個々の構造方法・材料等に対して行われる個別の判断。

Q. 全国共通の法律・政令・告示のほかに、確認が必要なものはあるか。

答えを見る

A. 条例。法律が地方公共団体に委ねている部分(がけ条例など)は地域ごとに内容が異なるため、その地域の条例を確認する必要がある。

ほかの条文の読み方は「準用・適用・みなす・この限りでない」数値の読み方(以上・以下・超・未満)で扱っています。用語解説の一覧もどうぞ。

最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。委任の言い回しは条文により細部が異なるため、実際の適用にあたっては各条文の文言と最新の法令をご確認ください。

参照

  • 建築基準法(昭和25年法律第201号)第20条・第37条・第40条
  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第80条の2・第87条・第93条ほか
  • 建築基準法施行規則(国土交通省令)
  • 国土交通省告示(○年国土交通省告示第○号)=大臣が定める技術的基準

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。