「当該」「に係る」「に関する」「における」の読み方(条文の読み方)

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ルート君

「当該部分」って何回も出てくるけど、どの部分のこと?前に戻らないと分からないの?

「当該」は、すでに条文に出てきた特定のものを指す言い回しです。

「に係る」「に関する」「における」は、対象や場所とのつながりを示す言い回しで、それぞれ結び方が少し違います。

建築基準法施行令 第88条第4項(地下部分の地震力)から

「建築物の地下部分の各部分に作用する地震力は、当該部分の固定荷重と積載荷重との和に…水平震度を乗じて計算しなければならない。」

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建築関係法令集 法令編

建築関係法令集 法令編

「当該」が何を指すかは、法令集で前後の条文を追うと身につきます。

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「当該」はすでに出てきたものを指す

「当該」は、その条文の中ですでに述べられている特定のものを指し示す言葉です。日常語の「その」に近い働きをします。

新しく何かを持ち出すのではなく、直前までに出てきたものを受けるので、何を指すかは前の文をたどれば分かります。

言い回し 指すもの
当該建築物 その条文が対象にしている建築物
当該部分 直前に述べた特定の部分(例:地下部分の各部分)

令第88条第4項の「当該部分」は、その前にある「地下部分の各部分」を受けています。

また令第85条の積載荷重の低減でも、「当該部分の固定荷重と積載荷重との和」のように「当該」で対象を特定しています。

「に係る」は対象に直接つながる

「に係る」は、前の言葉が後の言葉に直接つながる・関係することを表します。

「Aに係るB」は、Aに関係するB、Aについてのそのものを指す読み方です。

言い回し(例) 読み方
大規模の模様替に係る建築物 大規模の模様替がなされる、その建築物
建築士の設計に係る建築物 建築士が設計した、その建築物

「に係る」は、後の言葉が前の言葉と一体の関係にあることを示します。

どの建築物・どの部分が対象かを絞り込むときによく使われます。

「に関する」はより広く「についての」

「に関する」は、「~についての」という、やや広い関係を表します。

建築基準法の目的を定める第1条にも、この言い回しが出てきます。

建築基準法 第1条(目的)から

「…建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り…」

「構造に関する最低の基準」は、構造についての基準という広いくくりを示しています。

「に係る」が対象そのものに直接つながるのに対し、「に関する」は「についての」と広めに受けるのが使い分けの目安です。

3つのつながり方を並べると、違いがはっきりします。

指し示す言葉は、つながり方の広さが違う 当該 地下部分の各部分 当該部分 =すでに述べられている特定のものを受ける(例:令第88条第4項) に係る 「Aに係るB」=直接つながる A B 例:大規模の模様替に係る建築物 に関する 「Aに関するB」=広く受ける A についての範囲 B 例:構造に関する最低の基準(法第1条) 「における」は場所や場合を示す 例:多雪区域における(積雪荷重)/火災時における(火熱)
図:当該・に係る・に関する・における のつながり方の違い。

条文の読み方は、学科試験の法規で差が出る分野です。学習の進め方は、スタディングの評判もあわせてご覧ください。

「における」は場所や場合を示す

「における」は、「~において」の連体形で、場所や場合を示します。

言い回し(例) 示すもの
多雪区域における(積雪荷重) 多雪区域という場所・場合において
火災時における(火熱) 火災時という場合において

「における」を見たら、その前にある区域や時点が、規定の当てはまる場面だと読みます。

「多雪区域における積雪荷重」は、多雪区域という場所での積雪荷重を指しています。

試験・実務で押さえるポイント

  • 当該=すでに条文に出てきた特定のものを指す(「その」に近い)。当該建築物・当該部分は、前に述べた建築物・部分を受ける。
  • に係る=前が後に直接つながる関係(「Aに係るB」=Aについてのそのもの)。対象を絞り込むときに使う。
  • に関する=より広く「についての」。法第1条「構造、設備及び用途に関する最低の基準」。
  • における=場所や場合を示す(「多雪区域における」「火災時における」)。

構造法規を読みこなす力は、実務でも評価されます。建築士・設計者の転職エージェント比較で選択肢を確かめてみてください。

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一問一答

Q. 条文の「当該」は何を指すか。

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A. その条文の中ですでに述べられている特定のもの。「その」に近い。令第88条第4項の「当該部分」は、前にある「地下部分の各部分」を受ける。

Q. 「に係る」と「に関する」はどう違うか。

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A. 「に係る」は前が後に直接つながる関係(対象そのものを絞る)。「に関する」はより広く「についての」。法第1条の「構造…に関する最低の基準」が後者の例。

Q. 「多雪区域における」の「における」は何を示すか。

答えを見る

A. 場所や場合。「多雪区域における積雪荷重」は、多雪区域という場所での積雪荷重を指す。

Q. 「当該建築物」の意味をつかむにはどうすればよいか。

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A. 前の文をたどる。「当該」は新しく持ち出す語ではなく、直前までに出てきた建築物を受けるので、前の文を見れば何を指すか分かる。

ほかの条文の読み方は「者」「もの」「物」「その他」と「その他の」本文・ただし書・柱書・号・イロハの構造で扱っています。用語解説の一覧もどうぞ。

最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。個別の条文での「当該」「に係る」「に関する」「における」の意味は文脈により細部が異なるため、実際の適用にあたっては各条文の文言と最新の法令をご確認ください。

参照

  • 建築基準法 第1条(目的=「構造、設備及び用途に関する最低の基準」)
  • 建築基準法施行令 第88条第4項(当該部分の地震力)・第85条(当該部分の積載荷重)・第86条(多雪区域における積雪)
  • 法令の一般的な用語法(「当該」=既出の特定のもの・「に係る」=直接の関係・「に関する」=についての・「における」=場所や場合)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。