法令用語の「場合」「とき」「時」はどう違う?二段階条件の読み方(条文の読み方)
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ルート君
ひとつの条文に「場合」と「とき」が両方出てくることがあるよね。何が違うの?「時」という漢字もあるし。
「場合」と「とき」は、どちらも「このような事態になれば」という仮定的な条件を表す言葉です。
漢字の「時」(ジ)は、これらとは別で、特定の時点を表します。
ひとつの条文で条件が二段階になるときは、大きい条件に「場合」、小さい条件に「とき」を使い分けます。
建築基準法施行令 第45条第4項(筋かい)から
「筋かいには、欠込みをしてはならない。ただし、筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合において、必要な補強を行つたときは、この限りでない。」
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「場合」と「とき」はどちらも仮定的な条件
「場合」も「とき」も、「もし~なら」という仮定的な条件を表す点では同じ働きをします。
条件が一段階だけのときは、「場合」と「とき」のどちらを使うかに厳密な決まりはなく、語感や文脈で選ばれます。
たとえば「構造計算によって安全性が確かめられた場合」と「安全性が確かめられたとき」は、条件としてはほぼ同じ意味になります。
二段階の条件は「大きい条件=場合/小さい条件=とき」
ひとつの規定で条件が二段階に重なるときは、使い分けにルールがあります。
大きい方(前提となる広い条件)に「場合」、小さい方(その中の細かい条件)に「とき」を用います。
| 条文(施行令) | 大きい条件=「場合」 | 小さい条件=「とき」 |
|---|---|---|
| 第45条第4項(筋かい) | 筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合において | 必要な補強を行つたときは(この限りでない) |
| 第91条(コンクリートの許容応力度) | 特定行政庁が規則で設計基準強度の上限を定めた場合において | 設計基準強度がその数値を超えるときは |
筋かいの例では、「たすき掛けのためやむを得ない」という広い前提の中で、「補強を行った」という条件が満たされたら欠込みが認められる、という二段構造です。
この入れ子を図にすると、次のようになります。
このように「場合において…ときは」と続く条文は、大きい枠の中の細かい条件を読み分けると意味がつかめます。
「時」(ジ)は時点を表す
漢字の「時」は「ジ」と読み、仮定の条件ではなく特定の時点を表します。
「その時点」「その日時」に意味があることを示すときに使われます。
建築基準法の構造の条文では、条件を表す「とき」が大半で、時点を表す「時」が単独で使われる場面は多くありません。
| 表記 | 意味 | 読み |
|---|---|---|
| とき(場合) | 仮定的な条件(もし~なら) | とき |
| 時 | 特定の時点・瞬間 | ジ |
ひらがなの「とき」を見たら条件、漢字の「時」を見たら時点、とまず読み分けると混乱しません。
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「この限りでない」のただし書きに多い二段構造
「場合において…ときは」の二段構造は、「この限りでない」で終わるただし書きによく現れます。
原則を述べたうえで、「ある広い場合において、さらにこういうときは、原則を適用しない」と例外を絞り込むためです。
筋かいの欠込み(令第45条第4項)も、原則禁止のうえで、たすき掛けのためやむを得ない場合の補強という二段の条件で例外を認めています。
試験・実務で押さえるポイント
- 「場合」「とき」はどちらも仮定的な条件(もし~なら)。一段階の条件ではどちらを使うかに厳密な決まりはない。
- 二段階の条件では、大きい条件に「場合」、小さい条件に「とき」。「〜する場合において、〜のときは」の形。
- 実例:令第45条第4項(たすき掛けの場合において、補強したときは)・令第91条(上限を定めた場合において、超えるときは)。
- 漢字の「時」(ジ)は時点。ひらがなの「とき」(条件)と読み分ける。構造条文では条件の「とき」が大半。
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一問一答
Q. 「場合」と「とき」は意味が違うのか。
答えを見る
A. どちらも仮定的な条件(もし~なら)を表す。一段階の条件ではどちらを使うかに厳密な決まりはなく、語感や文脈で選ばれる。
Q. 「〜する場合において、〜のときは」という二段の条文はどう読むか。
答えを見る
A. 大きい条件に「場合」、小さい条件に「とき」を使う。令第45条第4項なら「たすき掛けのためやむを得ない場合」という広い前提の中で、「必要な補強を行ったとき」に欠込みが認められる。
Q. ひらがなの「とき」と漢字の「時」はどう違うか。
答えを見る
A. ひらがなの「とき」は仮定的な条件、漢字の「時」(ジ)は特定の時点を表す。構造の条文では条件を表す「とき」が大半で、時点の「時」が単独で使われる場面は多くない。
ほかの条文の読み方は「以上・以下・超・未満・以内」、「及び・並びに」「又は・若しくは」、「準用・適用・みなす・この限りでない」で扱っています。用語解説の一覧もどうぞ。
参照
- 建築基準法施行令 第45条第4項(筋かい=「…場合において、…ときは、この限りでない」)
- 建築基準法施行令 第91条(コンクリートの許容応力度=「…場合において、…ときは」)
- 法令用語の一般的な用法(「場合」「とき」=仮定的条件/二段階では大きい条件に「場合」・小さい条件に「とき」/「時」=時点)