筋かいに穴を開けて配管を通してよい?欠込みの原則禁止と例外(令第45条第4項)

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ルート君

エアコンの配管や換気ダクトを通すのに、筋かいに穴を開けたり切ったりしていいの?壁の中で筋かいに穴が開いてたら大丈夫?

筋かいへの欠込み(切り欠き・穴あけ)は、令第45条第4項で原則として禁止されています。

例外は、たすき掛けにするためやむを得ない場合に必要な補強を行ったときだけです。

エアコンの配管や換気ダクトのために筋かいを切ったり貫通させたりするのは認められず、配管のルートを変えるのが原則です。

建築基準法施行令 第45条第4項(筋かい)

筋かいには、欠込みをしてはならない。ただし、筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合において、必要な補強を行つたときは、この限りでない。

「欠込みをしてはならない」と明確に書かれており、認められる例外はたすき掛けのための補強だけです。設備配管のための切り欠きは、この例外に含まれません。

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「欠込み」とは何か

欠込みとは、部材の一部を切り欠いたり削ったりして断面を減らすことです。

筋かいでいえば、配管を通すための穴あけ、他の部材とぶつかる部分の切り欠き、面取り以上の削りなどが当たります。

筋かいは、地震や風の水平力を軸方向の引張・圧縮で受け持つ耐力壁の要です。断面を減らすと、その分だけ力を伝える能力が落ちます。

なぜ筋かいの欠込みは禁止なのか

筋かいは細長い部材で、地震時には全断面で軸力に抵抗します。

欠込みで断面が小さくなると、そこが弱点になり、大きな地震のときに欠込み部分から折れたり破断したりするおそれがあります。

筋かいが早く壊れると、その耐力壁は本来の壁倍率ぶんの働きをせず、建物全体の耐震性能が計算どおりに出ません。

令第45条第4項が欠込みを原則禁止にしているのは、この弱点を作らせないためです。

エアコン配管・ダクトが筋かいに当たるときどうするか

配管やダクトのルート上に筋かいがある場合、筋かいを切って通すことはできません。

実務では、次のように配管側で回避するのが原則です。

対処 考え方
配管ルートを変える 筋かいのない柱間や壁を通す。最も基本的な回避方法。
貫通位置を軸組の外に取る 筋かい・柱・土台を避け、間柱や下地の範囲で通す。
構造設計者と協議する どうしてもその位置が必要なら、筋かいの配置自体を見直し、別の耐力壁で必要壁量を確保できるか検討する。

「筋かいを少しだけ削れば通る」という判断は、令第45条第4項に反します。

必要な壁量と配置は建物全体で決まるため、1本の筋かいを欠いてよいかどうかを現場だけで判断してはいけません。

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例外の「たすき掛けのための補強」とは

令第45条第4項がただし書きで認めているのは、たすき掛け(2本の筋かいをX字に交差させる配置)にするための欠込みだけです。

木の筋かいをたすき掛けにすると、交点でどうしても一方を欠かざるを得ません。

この場合に限り、金物などで必要な補強を行つたときは欠込みが認められます。

あくまでたすき掛けを成立させるための例外で、設備配管を通すための欠込みを認めるものではありません。

すでに筋かいに欠込みがあった場合は

新築工事で筋かいの欠込みが見つかった場合は、令第45条第4項に適合しないため是正の対象になります。

リフォームや点検で既存住宅の筋かいの欠込み・穴あけが見つかった場合は、その筋かいが担っていた耐力の扱いを含め、耐震診断や構造の専門家に相談するのが確実です。

欠込みの程度や補強の要否は個別の判断になるため、現場での自己判断は避けてください。

試験・実務で押さえるポイント

  • 筋かいの欠込みは令第45条第4項で原則禁止。「欠込みをしてはならない」と明記されている。
  • 例外はたすき掛けにするためやむを得ない場合に必要な補強を行ったときだけ。設備配管のための欠込みは含まれない。
  • 禁止の理由:欠込みで断面が減ると、その部分が弱点になり地震時に折れ・破断のおそれ。耐力壁が計算どおりに働かなくなる。
  • 配管が当たるときは、筋かいを切るのではなく配管ルートを変えるのが原則。位置がどうしても必要なら構造設計者と協議して耐力壁計画を見直す。
  • 筋かいの断面・端部の緊結は令第45条第1〜3項、壁倍率は令第46条第4項表1。

仕様規定は、学科試験でも問われやすい分野です。学習の進め方は、スタディングの評判もあわせてご覧ください。

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一問一答

Q. エアコンの配管を通すために筋かいに穴を開けてよいか。

答えを見る

開けてはいけない。筋かいの欠込みは令第45条第4項で原則禁止で、認められる例外はたすき掛けのための補強だけ。配管はルートを変えて筋かいを避ける。

Q. 令第45条第4項が認めている欠込みの例外は何か。

答えを見る

筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合において、必要な補強を行ったときだけ。設備配管を通すための欠込みは例外に当たらない。

Q. なぜ筋かいの欠込みは禁止なのか。

答えを見る

筋かいは軸方向の引張・圧縮で水平力に抵抗する。欠込みで断面が減るとそこが弱点になり、地震時に折れ・破断して耐力壁が計算どおりに働かなくなるため。

Q. リフォームで筋かいに穴が開いているのが見つかったらどうすればよいか。

答えを見る

欠込みの程度や補強の要否は個別判断になるため、耐震診断や構造の専門家に相談するのが確実。現場での自己判断は避ける。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関、および構造設計者に確認してください。既存住宅の欠込みの是正・補強は個別の判断を要します。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法施行令 第45条(筋かいの断面・端部の緊結・欠込みの禁止)
  • 建築基準法施行令 第46条第4項(軸組・壁量・壁倍率)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。