木造住宅の耐震診断とは?上部構造評点と一般診断法・精密診断法(耐震改修促進法)

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ルート君

木造の家の耐震診断って、どうやって安全かどうかを判定するの?

木造住宅の耐震診断は、上部構造評点という指標で地震に対する安全性を判定します。

診断には一般診断法と精密診断法があり、耐震改修促進法に基づき、(一財)日本建築防災協会の「木造住宅の耐震診断と補強方法」による手法が広く用いられます。

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木造住宅の耐震診断にはどんな方法があるのか

木造住宅の耐震診断は、目的に応じて段階が分かれています。

方法内容
誰でもできるわが家の耐震診断所有者が問診形式で行う予備的な自己チェック
一般診断法専門家が図面・現地で行う、改修の要否を判定する診断
精密診断法改修の必要性が高いものに、より詳細に行う診断

専門家による診断の中心が、一般診断法と精密診断法です。

一般診断法と精密診断法は何が違うのか

2つの診断は、目的と調査の深さが異なります。

区分一般診断法精密診断法
主な目的改修が必要かどうか(精密診断へ進むべきか)の判定改修設計の判断・補強方針の決定
調査原則として非破壊(目視・図面)必要に応じて壁等を剥がす破壊調査

まず一般診断法で要否を判定し、必要なものを精密診断法で詳しく調べる流れです。

上部構造評点はどう判定するのか(4段階)

上部構造評点は、保有する耐力を必要な耐力で割った値で、次の4段階で判定します。

上部構造評点判定
1.5以上倒壊しない
1.0以上1.5未満一応倒壊しない
0.7以上1.0未満倒壊する可能性がある
0.7未満倒壊する可能性が高い

評点が大きいほど安全で、0.7未満は倒壊の危険性が高いと判定されます。

評点の4段階と、2つの診断法の関係をまとめると次のとおりです。

木造住宅は上部構造評点で判定する(4段階) 1.5 以上 倒壊しない 1.0 以上 1.5 未満 一応倒壊しない ← 改修の目標 0.7 以上 1.0 未満 倒壊する可能性がある 0.7 未満 倒壊する可能性が高い 一般診断法 原則 非破壊。改修の要否を判定 精密診断法 必要に応じ破壊調査。改修設計を判断 ※ 非木造(RC造・鉄骨造)は構造耐震指標 Is(Is ≧ 0.6 が目安)で判定する
図:上部構造評点の4段階と、一般診断法から精密診断法への流れ。

改修の目標となる評点はいくつか

耐震改修では、上部構造評点を一定以上まで高めることを目標にします。

改修の目標は上部構造評点1.0以上(一応倒壊しない)で、補助制度でもこの水準が目安とされることが多いです。評点は壁の量だけでなく、壁の配置のバランスや劣化の程度によっても変わります。

耐震改修促進法やIs値とはどう関係するのか

木造住宅の耐震診断は、耐震診断を義務づける耐震改修促進法の枠組みの中で位置づけられています。

非木造(RC造・鉄骨造)では構造耐震指標Is値(Is≧0.6が目安)で判定するのに対し、木造住宅では上部構造評点で判定する点が異なります。改修と確認申請の関係は耐震改修と確認申請で扱っています。

実務で押さえるポイント

  • 木造住宅は上部構造評点、非木造はIs値で耐震性を判定する。木造の改修目標は上部構造評点1.0以上(一応倒壊しない)。
  • 一般診断法は非破壊で改修の要否を判定し、精密診断法は必要に応じ破壊調査を行い改修設計を判断する。
  • 上部構造評点は壁の強さ・配置のバランス・劣化度で決まる。手法は(一財)日本建築防災協会「木造住宅の耐震診断と補強方法」による。

耐震設計は、試験でも実務でも欠かせない分野です。学習の進め方は、建築士の通信講座の選び方もあわせてご覧ください。

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一問一答

Q. 木造住宅の耐震性を表す指標は何か。

答えを見る

上部構造評点。保有する耐力を必要な耐力で割った値で、1.0以上で「一応倒壊しない」、0.7未満で「倒壊する可能性が高い」と判定する。

Q. 一般診断法と精密診断法の違いは何か。

答えを見る

一般診断法は非破壊で改修の要否を判定する診断、精密診断法は必要に応じ破壊調査を行い改修設計を判断する詳細な診断。一般診断で必要性が高いものを精密診断で調べる。

Q. 木造とRC造・鉄骨造で耐震診断の指標は同じか。

答えを見る

異なる。木造住宅は上部構造評点、RC造・鉄骨造は構造耐震指標Is値(Is≧0.6が目安)で判定する。

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最終判断は、所管行政庁または専門家にご相談ください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。耐震診断の判定区分・補助制度の要件は手法の版や自治体により異なるため、最新の指針・要綱で確認してください。

参照

  • 建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)
  • (一財)日本建築防災協会「木造住宅の耐震診断と補強方法」(一般診断法・精密診断法)
  • 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針(国土交通省告示)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。