設備配管が柱・はりを貫通してよいか?構造耐力上主要な部分の貫通と構造上の措置(令第129条の2の4)

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ルート君

設備の配管を、はりに穴を開けて通してもいいの?

給水・排水などの配管が、柱・はり・耐力壁のような構造耐力上主要な部分を貫通する場合は、建築物の構造耐力上支障を生じないようにしなければなりません(令第129条の2の4第1項第二号)。

部材に穴を開けて配管を通すことは、その断面を欠損させることになります。

欠損によって部材の耐力が下がらないよう、貫通する位置や大きさ、補強で構造の安全を確かめるのが基本的な考え方です。

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建築関係法令集 法令編

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配管の貫通に構造の規定があるのはなぜか(令第129条の2の4第1項第二号)

建築基準法施行令 第129条の2の4第1項(給水、排水その他の配管設備の設置及び構造)

建築物に設ける給水、排水その他の配管設備の設置及び構造は、次に定めるところによらなければならない。

二 配管設備を構造耐力上主要な部分を貫通して配管する場合においては、建築物の構造耐力上支障を生じないようにすること。

構造耐力上主要な部分は、令第1条第3号に定められた基礎・基礎ぐい・壁・柱・小屋組・土台・斜材・床版・屋根版・横架材などです。

これらの部材を配管が貫通すると、その位置の断面が欠けます。

欠損した断面では、部材が負担できる曲げやせん断の力が小さくなります。

令第129条の2の4第1項第二号は、この欠損で構造の安全が損なわれないことを求めています。

どの部材の貫通が問題になるのか

部材 貫通の考え方
はり(大梁) 貫通孔を設けることはあるが、位置・大きさ・補強によって断面の欠損を構造耐力上支障のない範囲に収める
軸力と曲げを負担する重要な部材のため、貫通は原則として避ける
耐力壁 水平力を負担するため、大きな開口・貫通は耐力の低下につながる。避けるか補強する
床版(スラブ) 開口部は周囲を補強する。水平力を伝える役割も踏まえて配置する
基礎・基礎ばり 貫通は避け、配管は基礎の下を通すなど、欠損を生じさせない納まりとする

どこまでの貫通が「構造耐力上支障がない」といえるかは、部材の応力状態によって変わります。

せん断力や曲げが大きい位置ほど、貫通の影響は大きくなります。

鉄筋コンクリートのはりの貫通孔で配慮される事項

鉄筋コンクリートのはりに配管用の貫通孔を設ける場合、一般的に配慮されるのは次の点です。

  • せん断力の小さい位置に設ける
  • 孔の径をはりのせいに対して小さく抑える
  • 孔の周囲を補強筋で補強する

ただし、貫通孔の位置・径・間隔・補強方法の具体的な数値は、建築基準法令に定められているわけではありません。

日本建築学会の鉄筋コンクリート構造計算規準などの設計上の基準や、構造設計者の判断によります。

このため、実際の可否や納まりは、構造設計者に確認して構造計算で確かめることになります。

配管に関する他の規定との関係(令第129条の2の4)

令第129条の2の4第1項には、構造の第二号のほかにも配管の規定が並んでいます。

号ごとに内容が異なるため、混同しないよう区別します。

内容 性格
第一号 腐食のおそれのある部分の防食措置 耐久
第二号 構造耐力上主要な部分を貫通する場合の構造上の措置 構造
第三号 エレベーターの昇降路内への配管の原則禁止 安全
第七号 防火区画等を貫通する管の構造(令第112条関係) 防火

防火区画の貫通(第七号)は防火の規定で、構造耐力上主要な部分の貫通(第二号)とは目的が異なります。

同じ「貫通」でも、構造の欠損を問題にするのが第二号です。

試験・実務で問われやすいポイント

  • 根拠規定:配管設備が構造耐力上主要な部分を貫通する場合は、建築物の構造耐力上支障を生じないようにしなければならない(令第129条の2の4第1項第二号)。
  • 理由:貫通は部材の断面の欠損になり、負担できる曲げ・せん断の力が小さくなるため。
  • 部材ごとの扱い:柱の貫通は原則避け、はりは位置・径・補強で断面欠損を支障のない範囲に収める。
  • 数値の注意:はりの貫通孔の径・位置・補強の具体的な数値は建築基準法令には定められていない。学会規準等の設計基準や構造設計者の判断による。

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一問一答

Q. 配管が構造耐力上主要な部分を貫通する場合、建築基準法令は何を求めているか。

答えを見る

建築物の構造耐力上支障を生じないようにすることを求めている(令第129条の2の4第1項第二号)。貫通は部材の断面の欠損になるため、位置・大きさ・補強で構造の安全を確かめる。

Q. はりに配管用の貫通孔を設けるとき、どんな配慮が一般的か。

答えを見る

せん断力の小さい位置に設け、孔の径をはりのせいに対して小さく抑え、孔の周囲を補強筋で補強することが一般的。ただし具体的な数値は建築基準法令にはなく、日本建築学会の構造計算規準等の設計基準や構造設計者の判断による。

Q. 令第129条の2の4第1項第二号(構造)と第七号(防火区画貫通)はどう違うか。

答えを見る

第二号は構造耐力上主要な部分の断面欠損による構造安全の規定、第七号は防火区画等を貫通する管の防火の規定で、目的が異なる。同じ「貫通」でも、構造の欠損を問題にするのが第二号である。

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はりの貫通孔の位置・径・間隔・補強などの具体的な数値は、建築基準法令には定められていません。構造設計者の判断や日本建築学会の構造計算規準等の設計基準によります。最終判断は構造設計者・所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。

参照

  • 建築基準法施行令 第129条の2の4第1項第二号(構造耐力上主要な部分を貫通する配管の措置)
  • 建築基準法施行令 第1条第3号(構造耐力上主要な部分)
  • 建築基準法施行令 第129条の2の4第1項第七号・第112条(防火区画等を貫通する管の構造)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。