大規模の修繕・大規模の模様替とは?主要構造部の過半と確認申請(法第2条第14号・第15号)

ルート君

リフォームでも「大規模の修繕」になると確認申請が要るって聞いたよ。

大規模の修繕・大規模の模様替とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う「過半」の修繕・模様替をいいます(法第2条第14号・第15号)。

一定の建築物では、新築だけでなく大規模の修繕・模様替にも建築確認が必要です。主要構造部の過半に手を入れるため、構造の安全に関わる重要な概念です。

大規模の修繕・大規模の模様替とは何か

用語 定義
大規模の修繕(法第2条第14号) 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕
大規模の模様替(法第2条第15号) 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替

建築基準法 第2条第14号・第15号

十四 大規模の修繕 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。
十五 大規模の模様替 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。

主要構造部とは何か(法第2条第5号)

大規模の修繕・模様替の判断の基準になるのが「主要構造部」です。主要構造部は法第2条第5号に定められています。

区分 内容
主要構造部に含まれる 壁・柱・床・はり・屋根・階段
主要構造部から除かれる 構造上重要でない間仕切壁・間柱・付け柱・揚げ床・最下階の床・小ばり・ひさし・局部的な小階段・屋外階段その他これらに類する部分

注意したいのは、主要構造部(法第2条第5号)は防火・避難の観点からの分類で、構造耐力上主要な部分(令第1条第3号)とは異なる概念だという点です。たとえば「最下階の床」は主要構造部から除かれますが、基礎は構造耐力上主要な部分には含まれます。大規模の修繕・模様替の判断は「主要構造部」で行います。

「過半」「一種以上」とはどういう意味か

大規模の修繕・模様替に当たるかは、次の2つで判断します。

  • 一種以上:壁・柱・床・はり・屋根・階段のうち、いずれか1種類以上が対象であること。
  • 過半:その種類の主要構造部の過半(半分超)について修繕・模様替を行うこと。たとえば外壁の過半を改修する場合などが該当します。

逆に、主要構造部の過半に満たない部分的な修繕や、主要構造部に当たらない部分の工事は、大規模の修繕・模様替には該当しません。

大規模の修繕・模様替に確認申請は必要か

一定の建築物では、建築(新築・増築等)だけでなく、大規模の修繕・大規模の模様替を行う場合にも確認申請が必要です(法第6条第1項)。

確認が必要となるのは、おおむね法第6条第1項第一号・第二号の建築物(特殊建築物や階数2以上・延べ面積200m²超の建築物)です。2025年4月(令和7年)の改正で木造2階建てなどが第二号に位置づけられたため、これらの大規模の修繕・模様替も確認の対象になりました。一方、都市計画区域等内の小規模な建築物(新三号)は、建築(新築等)には確認が必要でも、大規模の修繕・模様替には確認が不要です。確認の対象区分の詳細は建築確認とは(法第6条)で整理しています。

修繕と模様替はどう違うのか

用語 内容
修繕 既存とおおむね同じ材料・仕様で行い、劣化した部分を回復させる(原状回復的)
模様替 既存と異なる材料・仕様に変える(性能はおおむね同等以上を保ちつつ造り替える)

いずれも主要構造部の一種以上について過半に及べば、それぞれ大規模の修繕・大規模の模様替となり、確認の要否や構造上の検討が問題になります。

大規模の修繕で構造規定は遡及するのか

大規模の修繕・模様替を行っても、構造耐力(法第20条)の規定は原則として遡及せず、既存の構造は既存不適格のまま扱われます(一定の制限はあります)。これは用途変更の場合と同様の考え方です。

ただし、主要構造部の過半に手を入れる工事である以上、既存の構造耐力に影響を与えないか、構造設計者が確認することが望まれます。著しく構造の安全を損なうような工事は避けるべきです。

試験で問われやすいポイント

  • 大規模の修繕(法第2条第14号)・模様替(第15号)=主要構造部の一種以上について行う「過半」の修繕・模様替。
  • 主要構造部(法第2条第5号)=壁・柱・床・はり・屋根・階段。構造上重要でない間仕切壁・最下階の床・ひさし・屋外階段等は除く。構造耐力上主要な部分(令第1条第3号)とは別概念。
  • 確認申請:法第6条第1項の一定の建築物(一号・二号)は大規模の修繕・模様替にも確認が必要。R7改正で木造2階建て等も対象に。
  • 構造規定の遡及:大規模の修繕・模様替でも構造耐力(法第20条)は原則として遡及しない(既存不適格のまま)。

一問一答

Q. 大規模の修繕・大規模の模様替の定義は?

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A. 建築物の主要構造部の一種以上について行う「過半」の修繕(第14号)・模様替(第15号)。主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)のいずれか1種類以上の半分超に手を入れる工事が該当する。

Q. 主要構造部と構造耐力上主要な部分は同じか。

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A. 別の概念。主要構造部(法第2条第5号)は壁・柱・床・はり・屋根・階段で、防火・避難の観点の分類。構造耐力上主要な部分(令第1条第3号)は基礎・基礎ぐい・壁・柱・はり等で、構造安全の観点の分類。大規模の修繕・模様替の判断は「主要構造部」で行う。

Q. 大規模の修繕に確認申請は必要か。

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A. 法第6条第1項の一定の建築物(一号・二号)では必要。2025年4月の改正で木造2階建て等が第二号となり、その大規模の修繕・模様替も確認対象になった。都市計画区域等内の小規模な建築物(新三号)は大規模の修繕・模様替には確認不要。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。確認の要否や「過半」の判断は個別の事情によるため、具体的な該当性は所管の特定行政庁・指定確認検査機関でご確認ください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。

参照

  • 建築基準法 第2条第14号・第15号(大規模の修繕・大規模の模様替)
  • 建築基準法 第2条第5号(主要構造部)
  • 建築基準法 第6条第1項(建築・大規模の修繕・大規模の模様替に関する確認)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。