計画変更確認と軽微な変更とは?構造の設計変更で再確認が必要な場合(法第6条・規則第3条の2)
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ルート君
確認をとったあとに設計を変えたら、もう一度確認が必要なの?
確認済証の交付後に設計を変更する場合、その変更が「軽微な変更」に該当しなければ、改めて確認(計画変更確認)を受ける必要があります(法第6条・規則第3条の2)。
構造の設計変更では、変更後の安全性を再計算なしに確認できる範囲なら軽微な変更、架構全体の再計算が必要なら計画変更確認、という線引きが基本になります。
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計画変更確認と軽微な変更とは何か
| 区分 | 内容 | 手続き |
|---|---|---|
| 軽微な変更 | 変更後も建築基準関係規定に適合することが明らかな、規則第3条の2に定める変更 | 改めての確認は不要 |
| 計画変更 | 軽微な変更に該当しない設計変更 | 計画変更確認申請が必要(工事完了前) |
建築基準法施行規則 第3条の2(計画の変更に係る確認を要しない軽微な変更)の趣旨
確認済証の交付を受けた建築物の計画の変更のうち、変更後も建築基準関係規定に適合することが明らかなものとして規則第3条の2第1項各号(第一号〜第十六号)に掲げる変更は、改めて確認を受ける必要がない「軽微な変更」とされる。これに該当しない変更は、法第6条第1項の規定により計画変更確認を受けなければならない。
軽微な変更とは何か(規則第3条の2)
軽微な変更は、規則第3条の2に第一号から第十六号まで列挙されています。いずれも「変更後も建築基準関係規定に適合することが明らか」であることが前提です。
たとえば、敷地面積を増加させる変更、建築物の高さ・階数を減らす変更、用途を変えずに行う軽微な間取りの変更などが含まれます。
軽微な変更に該当すれば、改めて確認申請を行う必要はありません。ただし、変更した内容は、完了検査の際などに変更の概要を明らかにする運用が一般的です。
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構造の変更は「軽微」と「計画変更」のどちらになるのか
構造に関わる設計変更がどちらになるかは、実務で特に判断が問われるところです。ポイントは「変更後の安全性を、改めての再計算なしに確認できるかどうか」です。
| 判断 | 構造変更の例 |
|---|---|
| 軽微な変更になりやすい | 構造耐力上主要な部分の材料・構造を同等以上にする変更、変更した部材とそれに接する部材が令第82条の構造計算で安全と確かめられ、架構全体の再計算を要しない変更 |
| 計画変更確認が必要になりやすい | 柱・はりの断面や配置の変更、耐力壁・ブレースの配置変更など、架構全体のモデルを再構成して応力・耐力を再計算する必要がある変更 |
つまり、構造耐力上主要な部分に関する変更であっても、変更箇所が限定的で令第82条の構造計算により容易に安全性を確認できるものは軽微な変更となり得ます。一方、架構全体の応力分布が変わるような変更は、再計算(再審査)が必要なため計画変更確認の対象になります。
行政・審査機関は構造の軽微な変更をどう判断しているか
構造の変更が軽微かどうかの判断は、日本建築行政会議の運用解説や特定行政庁(大阪府など)が事例として公表しています。共通する考え方は次のとおりです。
- 変更する部材の強度・耐力が減少しない変更は、軽微な変更となりやすい。
- 強度・耐力が減少する場合でも、変更部材と接する部材以外に応力度の変更がなく、変更部材とそれに接する部材が構造計算で安全と確かめられ、全体架構への影響が軽微なら、軽微な変更と判断され得る(規則第3条の2第四号)。
- 強度・耐力が減少する、または架構全体のモデルの再計算が必要になる変更は、計画変更確認が必要。
この考え方をもとに、基礎・杭・地盤改良・柱・はり・床版・屋根版・耐力壁・筋かい(ブレース)・接合金物・コンクリートの呼び強度など、部材ごとに判断事例が整理されています。よくある軽微な変更の例(構造)を挙げると、次のようになります。いずれも強度・耐力が減少しない(または同等以上にする)ことが前提で、あてはまらなければ計画変更確認の対象です。
| よくある軽微な変更の例 | 軽微とされる主な条件 |
|---|---|
| 構造耐力上主要な部分の材料・構造を同等以上にする | 変更後の強度・耐力が従前以上(規則第3条の2) |
| コンクリートの呼び強度(設計基準強度)を上げる | 強度が上がる方向で、耐力が減少しない |
| 柱・はりの断面を大きくする | 部材の強度・耐力が減少せず、接する部材以外に応力度の変更がない |
| 基礎ぐい・間柱・床版・屋根版・横架材の位置の変更 | 接する部材以外に応力度の変更がなく、接する部材が構造計算で安全(規則第3条の2第四号) |
| 敷地面積を増す/建築物の高さ・階数を減らす | 規則第3条の2に明記された軽微な変更 |
逆に、柱・はりの断面や配置を小さくする、耐力壁・筋かいの配置を変えるなど、強度・耐力が減少したり架構全体の再計算が必要になる変更は、計画変更確認の対象です。
ただし、これらはあくまで例示であり、個別の変更が軽微かどうかは慎重な検討を要します。判断は特定行政庁・指定確認検査機関によって異なる場合があり、迷うときは変更に係る工事に着手する前に、確認を行った建築主事・審査機関へ事前相談するのが確実です。
判断の軸を1枚にすると、次のとおりです。
計画変更確認はいつ受けるのか
計画変更確認は、変更後の工事に着手する前(建築物が完成する前)に受ける必要があります。確認を受けずに変更後の内容で工事を進めると、確認内容と異なる建築物となり、違反建築物として是正命令の対象となるおそれがあります。
変更が軽微な変更に該当するか、計画変更確認が必要かの判断は、確認を行った建築主事または指定確認検査機関に確認するのが確実です。工事監理者は、設計変更が生じた際にこの手続きの要否を踏まえて対応します。
なぜ軽微な変更と計画変更を区別するのか
工事中には、現場の状況に応じて設計を変更する場面が少なくありません。そのすべてに改めての確認を求めると、手続きが過大になり工事が滞ります。
そこで、変更後も基準への適合が明らかな軽微な変更については再確認を不要とし、安全性に実質的な影響がある変更(特に架構全体の再計算を要する構造変更)に限って計画変更確認を求めることで、手続きの合理性と安全確認の確実性を両立させています。
試験で問われやすいポイント
- 軽微な変更(規則第3条の2):変更後も建築基準関係規定に適合することが明らかな変更で、改めての確認は不要。第一号〜第十六号に列挙。
- 計画変更:軽微な変更に該当しない設計変更は、計画変更確認申請が必要(工事完了前に受ける)。
- 構造変更の線引き:変更部材とそれに接する部材が令第82条の計算で安全と確かめられ再計算を要しないものは軽微、架構全体のモデルの再計算が必要なものは計画変更確認が必要。
- 同等以上の変更:構造耐力上主要な部分の材料・構造を同等以上にする変更は軽微な変更となり得る。
- 部材位置の変更(規則第3条の2第四号):構造耐力上主要な部分(基礎ぐい・間柱・床版・屋根版・横架材)の位置変更は、接する部材以外に応力度の変更がなく、接する部材の安全性が構造計算で確かめられる場合に軽微。判断は特定行政庁・審査機関で異なる場合があり事前相談が確実。
建築確認や構造規定は、建築士試験でもよく問われる分野です。効率よく学ぶ方法は、建築士は独学で合格できるかで整理しています。
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一問一答
Q. 軽微な変更と計画変更の違いは?
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A. 軽微な変更は変更後も基準への適合が明らかなもの(規則第3条の2に列挙)で、改めての確認は不要。計画変更はそれ以外の設計変更で、工事完了前に計画変更確認を受ける必要がある。
Q. 構造の変更はどんなときに計画変更確認が必要になるか。
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A. 変更部材とそれに接する部材が令第82条の構造計算で安全と確かめられ、架構全体の再計算を要しない場合は軽微な変更となり得る。一方、柱・はりの断面・配置変更など架構全体のモデルを再計算する必要がある変更は、軽微に該当せず計画変更確認が必要。
Q. 計画変更確認はいつ受けるか。受けずに変更したらどうなるか。
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A. 変更後の工事に着手する前(完成前)に受ける。受けずに確認内容と異なる工事を進めると、違反建築物として是正命令(法第9条)の対象となるおそれがある。
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参照
- 建築基準法 第6条第1項(建築物の建築等に関する確認・計画変更の確認)
- 建築基準法施行規則 第3条の2(計画の変更に係る確認を要しない軽微な変更)
- 日本建築行政会議「構造関係規定に関する運用解説」(軽微な変更の判断事例)
- 大阪府「計画変更申請の要否・軽微な変更事例」/ICBA「計画変更の円滑化のためのガイドライン」
- 建築基準法施行令 第82条(許容応力度等計算)/法第9条(違反建築物に対する措置)