鉄骨の継手位置・接合方法の変更は計画変更になる?軽微な変更との線引き(法第6条・規則第3条の2)
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ルート君
現場の都合で、はりの継手を高力ボルト接合から溶接接合に変えたいんだけど、計画変更の申請って要るの?
鉄骨の継手位置や接合方法(高力ボルト接合⇔溶接接合、現場溶接⇔工場溶接など)の変更は、接合部の強度・耐力が減少しなければ軽微な変更になり得ます(法第6条・規則第3条の2第1項第九号)。
接合部の変更は、構造耐力上主要な部分の「構造の変更」に当たり、強度・耐力が減らない変更なら再計算を要しないためです。
ただし、保有耐力接合を満たさなくなる場合や、接合方法そのものが変わる場合(ピン接合⇔剛接合)は、計画変更確認の対象になります。
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鉄骨の継手・接合部の変更はどこに当たるのか
確認済証の交付を受けた計画を変更する場合、その変更が軽微な変更に当たらなければ、改めて確認(計画変更確認)を受けます(法第6条第1項)。
鉄骨の継手位置や接合部の変更は、構造耐力上主要な部分の「構造の変更」として、規則第3条の2第1項第九号で判断されます。
建築基準法施行規則 第3条の2第1項第九号(軽微な変更)の骨子
構造耐力上主要な部分である部材の材料又は構造の変更で、変更後の建築材料が変更前の建築材料と異なることとなる変更及び変更後の部材の強度又は耐力が減少する変更を除くもの。継手・接合部の構造の変更も、強度・耐力が減少しないものは、この号により軽微な変更になり得る。
ポイントは、接合部の強度・耐力が減少しないか、そして接合方法の変更によって架構全体の応力の前提が変わらないかです。
なぜ接合方法の変更が軽微になり得るのか
継手や接合部は、部材どうしをつなぐ部分です。
ここを変えても、接合部が伝える力(強度・耐力)が従前以上に保たれ、架構全体の応力の流れ方が変わらなければ、全体架構モデルの再計算は不要です。
日本建築行政会議の運用解説や特定行政庁の事例では、次のような変更が軽微な変更の例として整理されています。
| 軽微な変更になり得る例 | 満たすべき条件 |
|---|---|
| 継手の位置の変更 | 接合部の強度・耐力が減少しない |
| 現場溶接⇔工場溶接、高力ボルト接合⇔溶接接合 | 接合部の強度・耐力が減少しない |
| ダイヤフラム形式の変更 | 構造計算の変更を伴わない |
いずれも「接合部の強度・耐力が減少しない」ことが前提です。
接合の手段が変わっても、伝えられる力が同等以上で、架構全体の計算が変わらなければ、変更後も建築基準関係規定に適合することが明らかといえます。
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どんな場合は計画変更確認になるのか
同じ継手・接合部の変更でも、次のような場合は軽微な変更の要件を満たさず、計画変更確認の対象になります。
| 区分 | 継手・接合方法の変更(例) |
|---|---|
| 軽微な変更になり得る | 継手位置・接合方法の変更で、接合部の強度・耐力が減少しない(規則第3条の2第九号) |
| 計画変更確認の対象 | 接合部の強度・耐力が減少する場合/保有耐力接合を満足しなくなる場合/接合方法が変わる(ピン接合⇔剛接合)など全体架構の再計算を要する場合 |
とくにピン接合と剛接合の変更は要注意です。
接合部が回転を拘束するか(剛)しないか(ピン)は、架構全体にどう力が流れるかの前提です。
これが変わると、構造計算をやり直すことになります。
保有耐力接合(接合部が部材本体より先に壊れないようにする考え方)を満たさなくなる変更も、保有水平耐力の検討に影響するため、計画変更の領域です。
試験で問われやすいポイント
- 継手位置・接合方法の変更は、構造耐力上主要な部分の材料又は構造の変更(規則第3条の2第1項第九号)として判断される。
- 高力ボルト接合⇔溶接接合、現場溶接⇔工場溶接などは、接合部の強度・耐力が減少しなければ軽微になり得る。
- 保有耐力接合を満たさなくなる場合・接合方法が変わる場合(ピン⇔剛)は、全体架構の再計算を要するため計画変更確認の対象。
計画変更と軽微な変更の線引きは、建築士試験でも問われやすい分野です。学習の進め方は、建築士講座の費用の比較もあわせてご覧ください。
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一問一答
Q. 高力ボルト接合を溶接接合に変えると計画変更確認は必要か。
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A. 一律ではない。接合部の強度・耐力が減少しなければ、構造の変更(規則第3条の2第九号)として軽微な変更になり得る。ただし保有耐力接合を満たさなくなる場合や接合方法が変わる場合など、全体架構の再計算を要するときは計画変更確認の対象。
Q. 継手の位置を変えるのは軽微な変更か。
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A. 接合部の強度・耐力が減少しない継手位置の変更は、軽微な変更になり得る(規則第3条の2第九号)。強度・耐力が減少する場合や全体架構の再計算が必要な場合は計画変更確認の対象。
Q. ピン接合と剛接合の変更が特に注意されるのはなぜか。
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A. 接合部が回転を拘束するか(剛)しないか(ピン)は、架構全体の力の流れの前提そのもの。これが変わると応力分布が変わり、構造計算をやり直す必要があるため、計画変更確認の対象になる。
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参照
- 建築基準法 第6条第1項(建築物の建築等に関する申請及び確認)
- 建築基準法施行規則 第3条の2第1項第九号(軽微な変更/材料又は構造の変更)
- 建築基準法施行令 第1条第3号(構造耐力上主要な部分)・第82条(構造計算)
- 日本建築行政会議「建築構造審査・検査要領(運用解説編)2022年版」/大阪府ほかの軽微な変更事例