RC造のかぶり厚さとは?部位別最小値と耐久性等関係規定の位置付け(令第79条)

ルート君

かぶり厚さって、なんで決められているの?

かぶり厚さは、鉄筋を錆から守り付着力を確保するために令第79条で定められた最小寸法です。

かぶり厚さとは、鉄筋の表面からコンクリート表面までの最短距離のことです。

令第79条に部位別の最小かぶり厚さが規定されており、耐久性等関係規定に分類されます。

建築基準法施行令 第79条(かぶり厚さ)

鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあっては2cm以上、耐力壁、柱又ははりにあっては3cm以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は基礎の立上がり部分にあっては4cm以上、基礎(捨コンクリートの部分を除く。)にあっては6cm以上としなければならない。

部位ごとのかぶり厚さの最小値はどう規定されているのか(令第79条)

部位 最小かぶり厚さ 根拠
柱・はり(土に接しない屋内) 3cm以上 令第79条第1項
耐力壁・床・屋根(屋内) 2cm以上 令第79条第1項
直接土に接する柱・はり・壁・床 4cm以上 令第79条第1項
基礎(捨てコンクリートのない場合) 6cm以上 令第79条第1項
基礎(捨てコンクリートのある場合) 捨てコン上面から4cm以上 令第79条第1項

かぶり厚さはなぜ耐久性等関係規定に分類されているのか

令第79条は「耐久性等関係規定」に分類されます(令第36条第1項に列挙)。

耐久性等関係規定は、超高層建築物(法第20条第1項第一号)・限界耐力計算採用建築物(法第20条第1項第二号ロ)においても適用が免除されません。

どの構造ルートを採用する場合でも、かぶり厚さの確保は必須です。

法令の数値とJASS 5の数値はどう違うのか

令第79条の数値は法令上の最小値です。

日本建築学会のJASS 5(鉄筋コンクリート工事)では、環境条件・設計耐用年数に応じてより大きなかぶり厚さが定められており、実務では令第79条よりもJASS 5の数値が上回る場合があります。

確認申請上の審査は令第79条の数値に基づきますが、施工管理・品質確保の観点からはJASS 5の要求かぶり厚さを満足することが求められます。

工事が始まると、施工者との調整はかぶり厚さについても繰り返し生じます。基準(令第79条)と規準(JASS 5)の要求値が異なる場合、どちらを根拠にするかが現場での判断の基準になります。

かぶり厚さはどこからどこまでを測定するのか

かぶり厚さは、鉄筋の最外縁(帯筋・スターラップ等の補強筋の外縁)からコンクリート表面までの距離で計測します。

主筋の中心からではなく補強筋の外縁からの距離であることに注意が必要です。

なぜかぶり厚さが部位によって異なるのか

かぶり厚さが部位によって異なるのは、鉄筋の腐食リスクが環境条件によって大きく変わるからです。

直接土に接する部位は常時湿潤な状態にさらされるため屋内柱・はりの3cmより厚い4cmが求められ、基礎は地下水・酸性土等の過酷な条件にさらされるため捨てコンなしで6cmと最も厚い値が設定されています。

一方、屋内の耐力壁・床・屋根は2cmと比較的薄い値で、外気や土への直接接触がない環境を前提としています。

かぶり厚さが不足するとどんな問題が起きるのか

かぶり厚さが不足すると、大気中の二酸化炭素(炭酸化)や塩化物イオンが鉄筋まで到達しやすくなり鉄筋が腐食します。

鉄筋が錆びると体積が膨張しコンクリートにひび割れ・剥落が生じます(爆裂現象)。

また、かぶり厚さは鉄筋とコンクリートの付着力にも影響し、不足すると定着・継手が機能せず設計通りの耐力が発揮できなくなります。

試験で問われやすいポイント

  • 令和3年 学科3 問51(選択肢2正):直接土に接する柱のかぶり厚さは4cm以上(令第79条第1項)。保有水平耐力計算(ルート3)採用時でも適用除外にならない(耐久性等関係規定として令第36条第1項に列挙)。「ルート3では不要」とする誤答に注意。
  • 基礎のかぶり厚さ:捨てコンクリートのない場合は6cm以上、捨てコンクリートがある場合は捨てコン上面から4cm以上(令第79条第1項)。数値を逆に覚えないよう注意。
  • 令第79条は耐久性等関係規定(令第36条第1項):超高層(第一号)・限界耐力計算・ルート3のいずれでも適用除外なし。「限界耐力計算では不要」という誤答が出題される。

一問一答

Q. RC造の直接土に接する柱のかぶり厚さの最小値はいくつか(令第79条第1項)。

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4cm以上。屋内の柱・はり(土接触なし)は3cm以上、直接土に接する場合は4cm以上(令第79条第1項・令和3年 学科3 問51)。

Q. 捨てコンクリートのない場合の基礎のかぶり厚さの最小値は何cmか(令第79条第1項)。

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6cm以上。捨てコンクリートがある場合は捨てコン上面から4cm以上(令第79条第1項)。

Q. 保有水平耐力計算(ルート3)採用時に令第79条(かぶり厚さ)は適用除外になるか(令第36条)。

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除外されない。令第79条は耐久性等関係規定(令第36条第1項)に該当するため、どの構造計算ルートを採用した場合でも適用される(令和3年 学科3 問51)。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法施行令 第79条(RC造のかぶり厚さ)
  • 建築基準法施行令 第36条第1項(耐久性等関係規定の列挙)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。