建築物の高さ・軒の高さ・階数の算定とは?屋上部分の不算入と規模区分(令第2条)

ルート君

屋上のエレベーター塔や階段室は、建物の高さや階数に入るの?

建築物の高さ・軒の高さ・階数は、令第2条で算定方法が定められています。屋上の階段室・昇降機塔などで水平投影面積が建築面積の8分の1以内のものは、原則として高さ・階数に算入しません。

これらの値は、構造計算ルートの規模区分(高さ60m超・木造の高さ・階数など)の判定に直接関わるため、構造設計でも重要です。

高さ・軒の高さ・階数はどこで定義されているか

用語 根拠 概要
建築物の高さ 令第2条第1項第六号 原則として地盤面からの高さ
軒の高さ 令第2条第1項第七号 地盤面から、小屋組等を支持する壁・敷桁・柱の上端までの高さ
階数 令第2条第1項第八号 建築物の階の数(屋上部分・地階の一部は不算入)

屋上の階段室・昇降機塔は高さ・階数に入るのか

屋上に出る階段室・昇降機塔(エレベーター機械室)・装飾塔・物見塔などは、一定の範囲内であれば高さ・階数に算入しません。

区分 取扱い
高さへの不算入(令第2条第1項第六号) 階段室・昇降機塔・装飾塔・物見塔・屋窓等の屋上部分で、水平投影面積の合計が建築面積の8分の1以内のものは、一定の高さまで高さに算入しない。棟飾・防火壁の屋上突出部等も算入しない
階数への不算入(令第2条第1項第八号) 昇降機塔・装飾塔・物見塔等の屋上部分、及び地階の倉庫・機械室等で、水平投影面積の合計がそれぞれ建築面積の8分の1以下のものは、階数に算入しない

注意点として、高さへの不算入には、適用される高さ制限の種類(北側斜線・日影規制など)によって取扱いが異なる場合があります。一方、構造の規模区分で用いる「建築物の高さ」では、原則としてこの不算入のルールが適用されます。

軒の高さとは何か

軒の高さは、地盤面から、建築物の小屋組(屋根を支える骨組)又はこれに代わる横架材を支持する壁・敷桁・柱の上端までの高さをいいます(令第2条第1項第七号)。屋根の最も高い部分(棟)までの「建築物の高さ」とは別の指標です。

木造などでは、軒の高さが構造計算の要否や規模区分の判断に使われてきました。

階数はどう数えるのか

階数は、建築物の階の数です。次の点に注意します。

  • 屋上の昇降機塔・装飾塔等(建築面積の8分の1以下)は階数に算入しない。
  • 地階の倉庫・機械室等(建築面積の8分の1以下)は階数に算入しない。
  • 建築物の部分によって階数が異なる場合は、そのうち最大のものを建築物の階数とする。

地階(地下階)は、原則として階数に算入されます(上記の機械室等の例外を除く)。階数は大規模建築物の判定や確認の区分、耐火要求など、多くの規定の基準になります。

高さ・階数は構造の規模区分にどう関わるのか

令第2条で算定した高さ・軒の高さ・階数は、構造関係の規模区分の判定に使われます。

基準 関係する構造規定
高さ60m超 超高層建築物として令第81条第1項の大臣認定ルート(時刻歴応答解析
高さ・軒の高さ・階数による区分 令第36条の2の規模区分や構造計算ルートの選択、大規模建築物(法第6条第1項)の判定

なお、木造の規模区分で用いられてきた「高さ13m超・軒の高さ9m超」などの基準は、2025年4月(令和7年)の改正で見直されています。最新の区分はR7.4.1改正まとめ木造中規模建築物の構造計算で整理しています。算定の方法(令第2条)自体は、これらの判定の前提となる共通のルールです。

試験で問われやすいポイント

  • 高さ・軒の高さ・階数の算定は令第2条。建築物の高さ=原則地盤面から、軒の高さ=小屋組等を支持する壁・敷桁・柱の上端まで。
  • 屋上部分の不算入:階段室・昇降機塔等で水平投影面積が建築面積の8分の1以内なら高さに算入しない(令第2条第1項第六号)。昇降機塔・地階の機械室等で8分の1以下なら階数に算入しない(第八号)。
  • 階数:部分によって階数が異なる場合は最大のものによる。地階は原則として階数に算入。
  • 構造との関係:高さ60m超は大臣認定ルート。木造の「13m・軒9m」等の規模基準はR7改正で見直し。

一問一答

Q. 屋上の階段室・昇降機塔は建築物の高さ・階数に算入するか。

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A. 水平投影面積の合計が建築面積の8分の1以内(高さ)/8分の1以下(階数)であれば、原則として高さ・階数に算入しない(令第2条第1項第六号・第八号)。棟飾・防火壁の屋上突出部等も高さに算入しない。

Q. 軒の高さとは何か。

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A. 地盤面から、小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁・敷桁・柱の上端までの高さ(令第2条第1項第七号)。屋根の棟までの「建築物の高さ」とは別の指標。

Q. 高さ・階数の算定は構造とどう関係するか。

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A. 高さ60m超は令第81条第1項の大臣認定ルート、その他の高さ・軒の高さ・階数は令第36条の2の規模区分や大規模建築物の判定、確認の区分などの基準になる。算定方法(令第2条)はこれらの判定の前提となる共通ルール。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。高さの不算入は適用される高さ制限の種類により取扱いが異なる場合があり、規模区分の基準はR7.4.1改正で見直されています。具体的な該当性は最新の条文・所管行政庁でご確認ください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。

参照

  • 建築基準法施行令 第2条第1項第六号(建築物の高さ)・第七号(軒の高さ)・第八号(階数)
  • 建築基準法 第6条第1項(規模による確認の区分)/建築基準法施行令 第36条の2(規模区分)
  • 建築基準法施行令 第81条第1項(高さ60m超の大臣認定ルート)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。