R7.4.1(2025年4月)建築基準法改正まとめ|構造関係の変更点

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ルート君

2025年4月の改正で、構造のルールはどこが変わったの?

令和7年4月1日(2025年4月1日)施行の改正では、構造関係で主に①四号特例の縮小②木造の構造計算対象規模の見直し③無筋コンクリート基礎の廃止④壁量と壁倍率の見直しの4点が変わりました。

このうち①は確認申請(法第6条)の話、②は構造計算ルート(令第36条の2・法第20条)の話で、「確認の区分」と「構造計算の区分」は別の軸です。混同しやすいので、軸を分けて押さえておきたいところです。

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R7.4.1改正の構造関係の変更点は何か(全体像)

改正項目 根拠 変更前 → 変更後
四号特例の縮小(確認の区分) 法第6条第1項 四号建築物 → 新二号・新三号に再編
木造の構造計算対象規模(計算ルート) 令第36条の2/法第20条 高さ13m超・軒高9m超 → 階数4以上・高さ16m超
無筋コンクリート基礎の廃止 令第38条・告示第1347号 地盤により無筋可 → 原則すべて鉄筋コンクリート
木造の壁量・壁倍率の見直し 令第46条 屋根重量区分の係数方式・壁倍率上限5.0 → 重量積算方式・壁倍率上限7.0

このうち①と②は、それぞれ別の軸で区分が動きました。

R7.4.1改正:「確認の区分」と「構造計算の区分」は別の軸 軸① 確認申請の区分(法第6条) 改正前 四号 木造2階建て以下・延べ500㎡以下 等 確認で構造審査を省略 改正後 新二号=2以上の階数 又は 延べ200㎡超 構造関係図書の提出・審査が必要 新三号=平屋かつ200㎡以下は審査省略 軸② 構造計算が必要な規模(法第20条・令第36条の2) 改正前 木造は 高さ13m超・ 軒の高さ9m超 から 改正後 木造は 階数4以上・高さ16m超 から 木造3階建て・高さ16m以下はルート1で対応可 ※ 木造2階建ては延べ面積にかかわらず新二号。構造計算の要否は軸②で別に判定する
図:R7.4.1改正で動いた2つの軸(確認申請の区分と、構造計算が必要な規模)。

① 四号特例の縮小(法第6条)はどう変わったのか

改正前の四号建築物(木造2階建て以下・延べ面積500㎡以下等)が廃止され、新二号新三号に再編されました。確認申請での構造審査の省略(四号特例)が続くのは新三号だけです。

区分 対象(法第6条第1項) 確認での構造審査
新二号 二以上の階数を有する、又は延べ面積が200㎡を超える建築物 構造関係図書の提出・審査が必要(四号特例の対象外)
新三号 平屋建てかつ延べ面積200㎡以下(木造・非木造とも) 審査省略が継続(旧四号特例に相当)

よくある混同に注意

新二号は「二以上の階数を有し、又は延べ面積200㎡超」です。つまり木造2階建ては延べ面積にかかわらず新二号で、200㎡以下でも構造関係図書(壁量計算書等)の提出が必要になりました。「200㎡以下の2階建てなら審査省略のまま」ではない点に注意してください。新三号は平屋かつ200㎡以下に限られます。

四号特例は審査手続きの特例であって、設計者が仕様規定に適合させる義務はもともと省略されません。詳しくは四号特例の対象と2025年改正による縮小を参照してください。なお新二号に該当する場合、確認の法定審査期間は最大35日に延びます。

② 木造の構造計算対象規模(令第36条の2・法第20条)はどう変わったのか

木造で構造計算(ルート)が必要になる規模が見直されました。これは①の確認の区分とは別の軸です。

  • 木造の規模基準が「高さ13m超・軒の高さ9m超」から「階数4以上・高さ16m」に見直されました。これにより木造3階建て・高さ16m以下はルート1(令第81条第3項)で対応可能になりました。
  • 木造の延べ面積の閾値(令第36条の2の大臣指定建築物に関わる規模)が500㎡から300㎡に引き下げられました。
  • 鉄骨造を含め、ルート1の枠組みにルート1-3(地上3階以下・高さ16m以下等)が新設されました。

令第36条の2の現行の号構成や、中規模木造のルートの考え方は中規模木造の構造計算令第36条の2の区分を参照してください。

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③ 無筋コンクリート基礎の廃止(告示第1347号)はどう変わったのか

改正前は、著しい不同沈下等のおそれのない良好な地盤では無筋コンクリート基礎が認められていました。改正後は地盤の種別によらず、原則すべて鉄筋コンクリートの基礎としなければなりません(令第38条に基づく告示第1347号の改正)。

ただし経過措置として、地階を除く階数が2以下・高さ13m以下・軒の高さ9m以下・延べ面積300㎡以内の木造建築物については、2026年3月31日まで現行(改正前)基準での検証も可能とされています。詳しくは無筋基礎の廃止を参照してください。

④ 木造の壁量・壁倍率(令第46条)はどう変わったのか

木造の必要壁量の算定で、「重い屋根・軽い屋根」の区分による係数方式が廃止され、建物の重量を積算する方式に見直されました。あわせて、組み合わせた壁倍率の上限が5.0から7.0に引き上げられました。

必要壁量は引き続き「地震力用(床面積比例)」と「風圧力用(見付面積比例)」の大きい方で決まり、配置のバランス確認(4分割法)も継続します。なお4分割法・壁倍率の規定は、令和6年改正で平成12年告示第1352号が廃止され、昭和56年告示第1100号(「木造の建築物の軸組の構造方法及び設置の基準を定める件」)に統合・改称されました(R7.4.1施行)。詳しくはR7.4.1改正後の壁量計算を参照してください。

同じ木造の仕様規定では、柱の小径(令第43条)でも「重い屋根・軽い屋根」の区分が廃止され、建物の重量に応じて必要な柱の小径を確認する方式に見直されました。詳しくはR7改正後の柱小径算定を参照してください。

なぜR7.4.1改正が行われたのか

背景には、省エネ基準適合の義務化に伴う建築物の重量増加と、近年の木造の中高層化があります。

断熱材・設備等で建物が重くなると、従来の簡易な壁量・基礎の基準では安全性の確認が十分でない場合があるため、壁量は重量積算方式へ、基礎は鉄筋コンクリートへと精度を高める方向で見直されました。

一方で、木造技術の進歩を踏まえ、中規模木造の構造計算ルートは「高すぎず低すぎない」水準に合理化されています。四号特例の縮小は、これらの確認を確実に審査するための手続き面の改正です。

試験で問われやすいポイント

  • 「確認の区分(法第6条)」と「構造計算の区分(令第36条の2・法第20条)」は別の軸。新二号の閾値は「階数2以上又は200㎡超」、木造ルートの閾値は「階数4以上又は16m超」「延べ面積300㎡」。数値を取り違えないこと。
  • 木造2階建ては延べ面積にかかわらず新二号(確認で構造関係図書の提出が必要)。新三号(審査省略継続)は平屋かつ200㎡以下に限られる。
  • 無筋コンクリート基礎は原則廃止(告示第1347号)。経過措置は階数2以下・13m以下・軒高9m以下・延べ面積300㎡以内の木造で2026年3月31日まで。壁倍率の組合せ上限は5.0→7.0

建築確認や構造規定は、建築士試験でもよく問われる分野です。試験対策の進め方は、建築士講座の費用の比較を参考にしてください。

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一問一答

Q. R7.4.1改正後、延べ面積150㎡の木造2階建て住宅は、確認申請で構造関係図書の提出が必要か。

答えを見る

A. 必要。木造2階建ては「二以上の階数を有する」ため、延べ面積にかかわらず新二号建築物(法第6条第1項第二号)となり、四号特例(審査省略)の対象外。審査省略が続く新三号は平屋かつ200㎡以下に限られる。

Q. R7.4.1改正で、木造の構造計算(ルート)が必要になる高さの基準はどう変わったか。

答えを見る

A. 「高さ13m超・軒高9m超」から「階数4以上・高さ16m超」に見直された。これにより木造3階建て・高さ16m以下はルート1(令第81条第3項)で対応できるようになった。これは確認の区分(200㎡・階数2)とは別の軸。

Q. R7.4.1改正後、無筋コンクリート基礎は認められるか。経過措置はあるか。

答えを見る

A. 原則認められず、地盤によらず鉄筋コンクリート基礎とする(告示第1347号)。ただし階数2以下・高さ13m以下・軒高9m以下・延べ面積300㎡以内の木造は、2026年3月31日まで現行(改正前)基準での検証も可能(経過措置)。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。適用時期・経過措置は建築物の規模・地域によって異なるため、所管行政庁にご確認ください。

参照

  • 建築基準法 第6条第1項(建築確認の区分・新二号/新三号)
  • 建築基準法 第20条・建築基準法施行令 第36条の2(構造計算の区分)
  • 建築基準法施行令 第38条・平成12年建設省告示第1347号(基礎の構造方法/無筋基礎の廃止)
  • 建築基準法施行令 第46条・昭和56年建設省告示第1100号(必要壁量・4分割法。令和6年改正で平成12年告示第1352号を統合・改称)
  • 国土交通省「改正建築基準法について」(令和4年6月公布/令和7年4月1日施行)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。