コンテナを利用した建築物に構造規定はかかる?建築物該当と基礎への緊結・積み重ねの接合(国住指第2174号)

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ルート君

空き地に置いてあるコンテナの倉庫。置いてあるだけなら、建築とは関係ないんじゃないの?

随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から建築基準法第2条第1号に規定する建築物に該当します。

建築物である以上、構造耐力(法第20条)の規定がかかり、基礎への緊結や積み重ねる場合の接合が問われます。

コンテナを利用した建築物の取扱いについて(技術的助言)(平成16年12月6日 国住指第2174号)

「最近、コンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する例等が見受けられる。このような随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から建築基準法第2条第一号に規定する建築物に該当する。」

「したがって、貴職におかれては、すでに設置されているコンテナを利用した建築物について、建築基準法に適合しない事項がある場合には、違反建築物として扱い、是正指導又は、必要に応じ是正命令されるようお願いする。」

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コンテナの扱いはどの通知で決まっているのか

コンテナを利用した建築物の扱いは、3つの通知が重なっています。

発出 文書 きっかけ・内容
平成元年7月18日 住指発第239号(建設省住宅局建築指導課長通達) コンテナをカラオケルームに転用し不特定多数の者の利用に供している例。構造耐力上の安全性の確認に当たっての留意点を示した
平成16年12月6日 国住指第2174号(技術的助言) コンテナを倉庫として設置し継続的に使用する例。随時かつ任意に移動できないコンテナは法第2条第1号の建築物に該当する
平成26年12月26日 国住安第5号 違反対策の徹底。主な違反内容の例と特定行政庁の取り組み事例を示した

入口が「カラオケルーム」だったところに、後から「倉庫」の実態が加わったという流れです。

平成26年の通知は、構造関係規定や用途規制への違反が疑われるものが依然として見受けられ、地震等に対する構造耐力不足や周辺の住環境への悪影響が懸念される、としています。

どこから建築物になるのか

分かれ目は、随時かつ任意に移動できるかどうかです。

国住指第2174号は、コンテナを倉庫として設置し継続的に使用する例を挙げ、このような随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から建築物に該当するとしています。

平成26年の国住安第5号も、コンテナを倉庫として設置し継続的に使用する物件等は、その形態及び使用の実態から法第2条第1号の建築物に該当するため、新たに設置する場合には建築確認申請が必要となることを広く周知するよう求めています。

置いてあるだけに見えても、継続的に使う実態があれば建築確認の対象になるという整理です。

構造耐力では何が違反とされているのか

国住安第5号は、主な違反内容の例として法第20条(構造耐力)違反に3つを挙げています。

法第20条(構造耐力)違反の例
適切な基礎が設けられていない
コンテナと基礎とが適切に緊結されていない
複数積み重ねる場合に、コンテナ相互が適切に接合されていない

いずれも、荷重や外力を地盤まで伝える経路が切れているという指摘です。

同号は、複数積み重ねる場合には、地震発生時等に転倒し、周囲に危害を及ぼすおそれがあることに留意するよう求めています。

用途の側では、法第48条(用途地域等)違反として、コンテナを利用した貸し倉庫を第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域内に建築している例が挙げられています。

構造耐力上の安全性は何に留意するのか

平成元年の住指発第239号は、コンテナの転用という特殊性にかんがみ、3点の留意事項を示しています。

住指発第239号(平成元年7月18日)記 2

「(1)構造耐力上主要な部分が腐食、腐朽していないコンテナを使用すること。」

「(2)コンテナを鉄筋コンクリート造等の基礎に緊結し、コンテナに作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝えること。」

「(3)コンテナに開口部を新たに設けること等により構造耐力上支障を生ずるおそれのある場合には、適切な補強を行うこと。」

(1)は、既製品を持ってくる以上、構造耐力上主要な部分の劣化が前提から外れることへの留意です。

(2)は基礎への緊結を求めるもので、置いただけでは荷重及び外力を安全に地盤に伝えられません。

(3)は、窓や出入口を新たに開けると、もともとの箱としての強さが変わることへの留意です。

開口部を設けて構造耐力上支障を生ずるおそれがある場合には、適切な補強を行うこととされています。

建築物の定義と構造規定の関係は、学科試験でも問われやすい分野です。学習の進め方は、スタディングの評判もあわせてご覧ください。

カラオケルームに使う場合はどうなるのか

住指発第239号は、コンテナをカラオケルームとして使用する場合の留意点も示しています。

項目 内容
用途 カラオケルームとして使用されるコンテナは、法別表第一(い)欄(4)項に規定する遊技場に該当する
換気 有効な換気を確保するため、機械換気設備その他の換気設備を設ける

用途が特殊建築物の側に入ると、規模によって構造計算や確認の扱いも変わってきます。

規模による区分は法第20条の規模区分と構造計算の要否で扱っています。

試験・実務で押さえるポイント

  • 随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から法第2条第1号の建築物に該当する(平成16年12月6日 国住指第2174号)。
  • 建築物に該当すれば法第20条(構造耐力)がかかり、適合しない事項があれば違反建築物として是正指導又は是正命令の対象になる。
  • 法第20条違反の例=適切な基礎が設けられていないコンテナと基礎とが適切に緊結されていない複数積み重ねる場合にコンテナ相互が適切に接合されていない(国住安第5号)。
  • 構造耐力上の留意点=腐食・腐朽していないコンテナを使用/鉄筋コンクリート造等の基礎に緊結し荷重及び外力を安全に地盤に伝える/開口部を新たに設ける等で支障を生ずるおそれがある場合は適切な補強(住指発第239号)。
  • カラオケルームとして使用するコンテナは、法別表第一(い)欄(4)項の遊技場に該当する。

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一問一答

Q. コンテナはどこから建築基準法の建築物になるか。

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A. 随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から法第2条第1号に規定する建築物に該当する(国住指第2174号)。倉庫として設置し継続的に使用する例が挙げられている。

Q. コンテナを利用した建築物で、法第20条違反として挙げられている例は何か。

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A. 適切な基礎が設けられていない、コンテナと基礎とが適切に緊結されていない、複数積み重ねる場合にコンテナ相互が適切に接合されていない、の3つ(国住安第5号 参考1)。

Q. コンテナに窓を開けるときに留意することは何か。

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A. 開口部を新たに設けること等により構造耐力上支障を生ずるおそれのある場合には、適切な補強を行うこと(住指発第239号 記2(3))。

Q. コンテナを積み重ねる場合に、通知が特に留意を求めているのは何か。

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A. 地震発生時等に転倒し、周囲に危害を及ぼすおそれがあること(国住安第5号 記1)。コンテナ相互を適切に接合することが求められる。

建築物に該当した後の構造規定は法第20条(構造耐力)、工作物としての扱いは工作物の構造規定で扱っています。ほかの記事は総則・第20条の記事一覧から探せます。

最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。個別のコンテナが建築物に該当するかどうかは、その形態及び使用の実態により判断されます。

参照

  • コンテナを利用した建築物の取扱いについて(技術的助言)(平成16年12月6日 国住指第2174号)
  • コンテナを利用した建築物に係る違反対策の徹底について(平成26年12月26日 国住安第5号)+別紙 参考1・参考2
  • 建設省住宅局建築指導課長通達(平成元年7月18日 住指発第239号)記2・記3
  • 建築基準法 第2条第1号(建築物)・第20条(構造耐力)・第48条(用途地域等)・別表第一

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。