エレベーター・エスカレーターの構造関係規定とは?地震時の脱落・転倒防止(令第129条の4・第129条の12・告示第1046号)

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ルート君

エレベーターやエスカレーターにも、地震対策の構造ルールがあるの?

エレベーター・エスカレーターは、地震時に脱落・転倒して人身被害を起こさないよう、構造関係の規定が定められています。

中心になるのは、エスカレーターの脱落防止(令第129条の12)と、エレベーターの地震対策(令第129条の4・第129条の10)です。いずれも大地震での被害を受けて強化されてきた規定です。

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エスカレーターの地震時脱落防止とは(令第129条の12第六号・告示第1046号)

エスカレーターは、令第129条の12第1項第六号により、地震その他の震動によって脱落しない構造とすることが求められます。

地震で建築物が層間変位を起こしても、エスカレーターがはりから外れて落下しないよう、建築物への緊結か、十分なかかり代の確保が必要です。具体的な構造方法は平成25年国土交通省告示第1046号が定め、平成28年の改正でかかり代の検証方法が見直されました。

措置内容
緊結方式一端を固定し他端を可動とするなど、建築物の変形に追従させて脱落を防ぐ
かかり代方式地震時の相対変位を見込んだ掛かり長さをはりに確保する

かかり代方式では、地震時にトラスがはりに衝突する場合の検証も求められます。

エレベーターの地震対策は何が定められているか(令第129条の4・第129条の10)

エレベーターは、かごや支持部分の強度と、地震時に安全に停止する装置の両面から規定されています。

  • 令第129条の4:かご・主要な支持部分・昇降路・駆動装置等を、地震に対して安全な構造とする。
  • 令第129条の10第3項:地震の加速度を検知してかごを最寄り階に停止させる地震時管制運転装置を設ける(平成20年国土交通省告示第1536号)。
  • 釣合おもりが地震時に脱落しないための措置を講じる。

地震時管制運転と釣合おもりの脱落防止は、エレベーター利用者の閉じ込めや落下被害を防ぐための要となる規定です。

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建築設備(令第129条の2の3)や工作物(法第88条)とどう違うのか

昇降機は、ほかの建築設備や工作物とは別の枠組みで扱われます。

区分対象根拠
昇降機建築物のエレベーター・エスカレーター令第129条の3〜第129条の12
昇降機以外の建築設備・屋上突出物水槽・煙突・冷却塔等令第129条の2の3
観光用エレベーター等遊戯施設として人を運ぶもの法第88条・令第138条第2項

水槽や煙突など昇降機以外の設備は建築設備の構造強度で、地盤等に自立する独立した構造物は工作物の構造規定で扱います。

なぜ地震時の脱落防止が重視されるのか

2011年の東日本大震災では、建築物の揺れによってエスカレーターがはりから外れて落下する事故が複数発生しました。

本体の柱・はりが無事でも、エスカレーターやエレベーターの設備が脱落すれば重大な人身被害につながります。これを受けて平成25年の改正で、エスカレーターの脱落防止が構造方法として明確化されました。

実務で押さえるポイント

  • エスカレーターは地震で脱落しない構造が必要(令第129条の12第六号・告示第1046号)。建築物への緊結か、十分なかかり代の確保で対応する。
  • エレベーターは令第129条の4で支持部分等の強度、令第129条の10第3項で地震時管制運転(最寄り階停止)と釣合おもりの脱落防止が定められている。
  • 昇降機は令第129条の2の3の「昇降機以外の建築設備」から除かれ、昇降機固有の規定(令第129条の3以降)で扱う点に注意。

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一問一答

Q. エスカレーターの地震時脱落防止を定める条文と告示は何か。

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令第129条の12第1項第六号と、平成25年国土交通省告示第1046号。建築物への緊結か、十分なかかり代の確保で脱落を防ぐ。

Q. エレベーターの地震時管制運転装置とはどのような装置か。

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地震の加速度を検知して、かごを最寄り階に自動停止させ戸を開く装置(令第129条の10第3項・平成20年国土交通省告示第1536号)。閉じ込めや走行中の被害を防ぐ。

Q. 屋上の水槽・煙突とエレベーターは、同じ条文で構造強度を確認するか。

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異なる。水槽・煙突等は令第129条の2の3(昇降機以外の建築設備)で扱い、エレベーター・エスカレーターは令第129条の3以降の昇降機の規定で扱う。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。昇降機の構造方法は最新の告示・大臣認定および所管行政庁の取扱いに従う必要があります。

参照

  • 建築基準法施行令 第129条の4(エレベーターの構造上主要な部分等の構造)
  • 建築基準法施行令 第129条の10(エレベーターの安全装置・地震時管制運転)
  • 建築基準法施行令 第129条の12(エスカレーターの構造・第六号の脱落防止)
  • 平成25年国土交通省告示第1046号(地震その他の震動によってエスカレーターが脱落するおそれがない構造方法。平成28年告示第917号改正)
  • 平成20年国土交通省告示第1536号(地震時管制運転の地震加速度検知装置の構造方法)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。