構造計算と仕様規定の関係とは?ルート別の適用範囲と耐久性等関係規定(令第36条第2項)
ルート君
ルートによって、仕様規定の適用範囲が変わるって本当?
採用する構造計算ルートによって、仕様規定(令第36条)の適用範囲が変わります。
構造計算(令第81条以降)と仕様規定(令第36条〜第80条の3)は、法第20条第1項の「基準」を構成する2本の柱です。
採用する計算ルートによって、適用される仕様規定の範囲が変わります(令第36条第2項)。
計算ルートによって仕様規定の適用範囲はどう変わるのか(令第36条第2項)
| 計算ルート | 適用される仕様規定の範囲 | 根拠 |
|---|---|---|
| ルート1(令第82条)・ルート2(令第82条の2等) | 令第36条〜令第80条の3の全て(耐久性等関係規定+その他全て) | 令第36条第2項第一号・第三号 |
| ルート3(令第82条の3) | 全て適用(ただし大臣認定があれば一部除外可) | 令第36条第2項第一号 |
| 限界耐力計算(令第82条の5) | 耐久性等関係規定のみ(その他の仕様規定は免除) | 令第36条第2項第二号 |
| 大臣認定ルート(令第81条第1項) | 耐久性等関係規定のみ(大臣認定に含まれない仕様は免除) | 令第36条第1項 |
なぜ計算ルートで仕様規定の適用範囲が変わるのか
仕様規定は、詳細な計算を行わない場合の最低基準を一律に定めたものです。
限界耐力計算では、変形能力・降伏後の挙動を詳細にモデル化するため、一律の帯筋間隔等の仕様規定より計算の方が合理的な設計を可能にする場合があります。
そのため、より高度な計算を採用するほど仕様規定の縛りが緩和される仕組みになっています。
耐久性等関係規定はどんな計算ルートでも適用されるのか
耐久性等関係規定(令第36条第1項に列挙)は、どの計算ルートを採用しても適用が免除されません。
- コンクリートの強度(令第74条)
- コンクリートの養生(令第75条)
- 鉄筋のかぶり厚さ(令第79条)
- 鉄骨造の柱の防火被覆(令第70条)
- 基礎の設計(令第38条第1〜3項)
- 構造部材の耐久性(令第37条)
試験で問われやすいポイント
- 計算ルート別の仕様規定適用範囲(令第36条第2項):ルート1・2・3→全仕様規定適用(ルート3は大臣認定で一部除外可)。限界耐力計算→耐久性等関係規定のみ適用。大臣認定ルート→耐久性等関係規定のみ。
- 令和3年 学科3 問51(正:限界耐力計算でも令第79条のかぶり厚さは適用):令第79条(鉄筋のかぶり厚さ)は耐久性等関係規定のため、限界耐力計算を採用しても免除されない。「令第79条は限界耐力計算で除外できない」は頻出の正しい選択肢。
- 平成28年 学科3 問52(正:限界耐力計算では令第65条の有効細長比は適用不要):令第65条(鉄骨の有効細長比)は耐久性等関係規定ではないため、限界耐力計算では適用不要。令第65条の有効細長比は限界耐力計算で除外可能な規定の代表例(令第70条は柱の防火被覆で別規定)。
一問一答
Q. 限界耐力計算(令第82条の5)を採用した場合、令第79条(鉄筋のかぶり厚さ)は適用されるか(令第36条第2項)。
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適用される(免除されない)。令第79条は「耐久性等関係規定」のため、どの計算ルートを採用しても免除できない(令第36条第2項第二号・令和3年 学科3 問51)。限界耐力計算は耐久性等関係規定以外の仕様規定を免除するが、令第79条は耐久性等関係規定に該当するため常に適用される。
Q. ルート3(保有水平耐力計算)を採用した場合、令第36条の仕様規定の適用範囲はどうなるか。
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原則として全仕様規定が適用される(令第36条第2項第一号)。ただし大臣認定を取得した場合は、大臣認定の範囲内で一部の仕様規定を除外できる。「ルート3=高度な計算だから仕様規定が緩和される」という理解は誤り——ルート3では仕様規定の免除はほとんどない。
Q. 令第65条(鉄骨の有効細長比)は、限界耐力計算を採用した場合に適用除外できるか(令第36条第2項)。
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除外できる。令第65条(有効細長比)は耐久性等関係規定ではなく「その他の仕様規定」に該当するため、限界耐力計算(令第82条の5)を採用した場合は適用不要(令第36条第2項第二号・平成28年 学科3 問52)。令第79条(かぶり厚さ)は除外不可だが、令第65条(有効細長比)は除外可能という違いに注意。
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参照
- 建築基準法施行令 第36条(仕様規定の適用範囲)
- 建築基準法施行令 第81条(構造計算の種類)