屋根ふき材の緊結とは?瓦の全数緊結と令第39条・告示第109号(令和4年施行)

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ルート君

台風で瓦が飛ぶって聞くけど、瓦って固定しなくていいの?

屋根ふき材は、風圧や地震で脱落しないように緊結することが義務づけられています(令第39条)。

瓦の緊結方法は令和4年1月1日施行の改正で強化され、粘土瓦・セメント瓦は原則すべてを緊結する全数緊結になりました。

建築基準法施行令 第39条(屋根ふき材等の緊結)

屋根ふき材、内装材、外装材、帳壁その他これらに類する建築物の部分及び広告塔、装飾塔その他建築物の屋外に取り付けるものは、風圧並びに地震その他の震動及び衝撃によって脱落しないようにしなければならない。

(第2項)屋根ふき材、外装材及び屋外に面する帳壁の構造は、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

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屋根ふき材はなぜ緊結しなければならないのか(令第39条)

令第39条は、屋根ふき材・外装材・帳壁・広告塔などが、風圧や地震で脱落しないよう固定することを求めています。

落下すれば通行人や隣家に被害を及ぼすため、屋外に取り付けるものを対象にした脱落防止の規定です。

規定内容
第1項 屋根ふき材・内装材・外装材・帳壁・広告塔等は、風圧・地震等で脱落しないようにする
第2項 屋根ふき材・外装材・屋外に面する帳壁の構造は、大臣が定めた構造方法(告示)または大臣認定によること

この第2項の「大臣が定めた構造方法」を具体的に示すのが告示で、瓦の緊結方法は昭和46年建設省告示第109号に定められています。

なお、屋根ふき材に働く風圧力の計算は令第82条の4・告示第1458号の系統で、緊結の「方法」を定める告示第109号とは役割が分かれています。

瓦の緊結はどう強化されたのか(昭和46年告示第109号・令和4年施行)

従来は、屋根の平らな部分(平部)の瓦について緊結方法の規定がなく、留め付けが不十分な屋根が数多く存在していました。

令和元年房総半島台風では、被害を受けた屋根の約8割が瓦屋根で、特にこの平部の被害が目立ちました。

これを受けて昭和46年建設省告示第109号が改正され、令和4年(2022年)1月1日から瓦の緊結方法が強化されています。

部位 改正前 改正後(令和4年1月〜)
平部(一般部) 緊結方法の規定なし 原則すべての瓦を釘・ビス等で緊結(全数緊結)
軒・けらば 一部を緊結 緊結を明確化
棟(むね) 土のせ等でも可 補強金物・芯材にビス等で緊結

対象は主に粘土瓦とセメント瓦で、風圧力に対して瓦がずれ落ちないよう、屋根全面で留め付けることが基本になりました。

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ガイドライン工法とは何か

ガイドライン工法とは、瓦業界団体がまとめた「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に基づく施工方法です。

このガイドラインは以前から原則すべての瓦を緊結する考え方を採っており、この工法で施工された屋根は台風でも脱落被害が少なかったとされています。

今回の告示改正は、このガイドラインの考え方を法令の基準に取り込んだものと位置づけられます。

既存の瓦屋根にもさかのぼって適用されるのか

強化された基準は、施行日(令和4年1月1日)以降に着工する工事に適用されます。

それ以前に適法に施工された既存の瓦屋根は、直ちに違反になるわけではなく、既存不適格として扱われます。

ただし、屋根を葺き替えるなどの工事を行う場合は、その工事に現行の緊結基準が適用されます。

屋根の葺き替えが大規模の修繕・模様替に当たるかどうかは主要構造部の過半で判断されるため、確認申請の要否とあわせて確認が必要です。

なぜ屋根ふき材の緊結が構造安全に重要なのか

屋根ふき材は、それ自体が主要な耐力部材ではありませんが、脱落すると人的被害や二次災害を引き起こします。

強風時には屋根面の風上側の軒や棟で大きな負圧(吸い上げ)が生じ、留め付けの弱い瓦が飛散しやすくなります。

全数緊結は、この吸い上げに対して屋根全面で抵抗させ、部分的な脱落から連鎖的な被害へ広がるのを防ぐ考え方です。

試験で問われやすいポイント

  • 屋根ふき材・外装材・帳壁・広告塔等は、風圧・地震等で脱落しないよう緊結する(令第39条第1項)。屋根ふき材の緊結の構造方法は大臣が定めた告示または大臣認定による(第2項)。
  • 瓦の緊結は昭和46年建設省告示第109号の改正で強化され、令和4年1月1日から原則すべての瓦を緊結(全数緊結)。従来規定のなかった平部が対象に加わった点が要点。
  • 屋根ふき材の風圧力の計算(令第82条の4・告示第1458号)と、緊結の方法(令第39条・告示第109号)は別の規定。混同に注意。
  • 改正基準は施行日以降の工事に適用され、既存屋根は既存不適格。葺き替え時は現行基準による。

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一問一答

Q. 屋根ふき材の脱落防止(緊結)を定める建築基準法施行令の条文は何条か。

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令第39条。屋根ふき材・外装材・帳壁・広告塔等を、風圧・地震等で脱落しないよう緊結することを定める。緊結の構造方法は大臣が定めた告示または大臣認定による(第2項)。

Q. 瓦の緊結方法の強化(昭和46年告示第109号の改正)はいつから施行されたか。

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令和4年(2022年)1月1日。粘土瓦・セメント瓦について、従来規定のなかった平部を含め原則すべての瓦を緊結する全数緊結に強化された。

Q. 屋根ふき材の「風圧力の計算」と「緊結の方法」は同じ告示か。

答えを見る

別の告示。風圧力の計算は令第82条の4・告示第1458号、瓦等の緊結の方法は令第39条・昭和46年告示第109号による。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。瓦の具体的な緊結方法(釘・ビスの仕様や棟の納まり)は告示・ガイドラインの原文によってください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法施行令 第39条(屋根ふき材等の緊結)
  • 昭和46年建設省告示第109号(屋根ふき材等の緊結方法/令和2年改正・令和4年1月1日施行)
  • 国土交通省「瓦屋根の緊結方法に関する基準が強化されます」

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。