長期優良住宅の維持保全計画は構造の何をいつ点検する?30年以上・10年ごと・地震時の臨時点検(告示第209号第4)

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ルート君

長期優良住宅は点検の計画を出すって聞いたけど、建物のどこを、どれくらいの間隔で見るの?

長期優良住宅の維持保全計画は、認定の要件のひとつです。

維持保全の期間は30年以上で、点検の時期は10年を超えない間隔とされ、地震時及び台風時には臨時点検を行うことが求められます。

長期優良住宅の普及の促進に関する法律 第6条第1項第五号

「イ 建築後の住宅の維持保全の方法が当該住宅を長期にわたり良好な状態で使用するために誘導すべき国土交通省令で定める基準に適合するものであること。」

「ロ 建築後の住宅の維持保全の期間が三十年以上であること。」

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維持保全計画はどの規定から降りてくるのか

法第6条第1項第五号イが、維持保全の方法を国土交通省令で定める基準に適合させることを求めています。

その省令が施行規則第5条で、そこから告示第209号の第4「維持保全の方法の基準」に降ります。

既存住宅について長期優良住宅維持保全計画の認定を受ける場合は、第七号イ・ロが同じ役割を果たします。

規定 内容
第6条第1項第五号イ 維持保全の方法が国土交通省令で定める基準に適合すること
第6条第1項第五号ロ 維持保全の期間が30年以上であること
省令 施行規則第5条 国土交通大臣が定める維持保全の方法の基準に委任
告示 第209号 第4 点検の時期及び内容が計画に定められていること

点検の対象になるのはどの部分か

告示第209号 第4の1が挙げるのは、法第2条第3項各号に掲げる住宅の部分です。

その中身は施行令の第1条から第3条までにあります。

法第2条第3項 政令が定めるもの
第一号
住宅の構造耐力上主要な部分
住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するもの)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するもの)で、当該住宅の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるもの(令第1条)
第二号
住宅の雨水の浸入を防止する部分
住宅の屋根若しくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、枠その他の建具(令第2条)
第三号
住宅の給水又は排水の設備
住宅に設ける給水又は排水のための配管設備(令第3条)

点検の項目及び時期は、この部分について点検の対象となる部分の仕様に応じて定められている必要があります。

点検の間隔と臨時点検はどう定められているのか

告示第209号 第4(維持保全の方法の基準)

「1.法第2条第3項各号に掲げる住宅の部分について、点検の対象となる部分の仕様に応じた点検の項目及び時期が定められたものであること。」

「2.1.の点検の時期が、それぞれ認定対象建築物の建築の完了又は直近の点検、修繕若しくは改良から10年を超えないものであること。」

「3.点検の結果を踏まえ、必要に応じて、調査、修繕又は改良を行うこととされていること。」

「4.地震時及び台風時に臨時点検を実施することとされていること。」

「5.住宅の劣化状況に応じて、維持保全の方法について見直しを行うこととされていること。」

「6.長期優良住宅建築等計画等の変更があった場合に、必要に応じて維持保全の方法を変更することとされていること。」

起点は「建築の完了」だけではありません。

直近の点検、修繕若しくは改良からも10年を超えないこととされています。

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建築基準法第8条の維持保全とはどう違うのか

建築基準法第8条第1項は、所有者・管理者・占有者に、敷地・構造・建築設備を常時適法な状態に維持する努力義務を課しています。

長期優良住宅の維持保全計画は、義務の性質が違います。

点検の時期及び内容が計画に定められていることが、認定の要件になっている点が要点です。

区分 建築基準法 第8条 長期優良住宅法
位置づけ 所有者等の努力義務(常時適法な状態の維持) 認定の要件(法第6条第1項第五号)
期間 定めなし 30年以上
点検の間隔 定めなし 10年を超えない
臨時点検 定めなし 地震時及び台風時に実施

品確法の10年保証とはどう違うのか

品確法の10年の瑕疵担保責任は、新築住宅の売主等が負う責任の話です。

長期優良住宅の維持保全は、認定を受けた住宅を建てた後に点検していく計画の話です。

対象部分の範囲も違い、長期優良住宅の維持保全では給水又は排水の設備まで点検の対象に入ります。

試験・実務で押さえるポイント

  • 長期優良住宅の維持保全の期間は30年以上(法第6条第1項第五号ロ)。既存住宅の長期優良住宅維持保全計画は第七号ロで同じく30年以上。
  • 点検の対象は法第2条第3項各号=構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分・給水又は排水の設備(令第1条〜第3条)。
  • 点検の時期は、建築の完了又は直近の点検、修繕若しくは改良から10年を超えないこと(告示第209号 第4の2)。
  • 地震時及び台風時に臨時点検を実施することとされていること(同第4の4)。
  • 建築基準法第8条は所有者等の努力義務で期間・間隔の定めはない。長期優良住宅は認定の要件として計画に定めさせる。

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一問一答

Q. 長期優良住宅の維持保全の期間は何年以上か。

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A. 30年以上(法第6条第1項第五号ロ)。長期優良住宅維持保全計画の認定でも同じく30年以上(第七号ロ)。

Q. 点検の時期は何を起点に10年を超えないこととされているか。

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A. 認定対象建築物の建築の完了、又は直近の点検、修繕若しくは改良(告示第209号 第4の2)。

Q. 建築基準法第8条の維持保全と、長期優良住宅の維持保全計画の違いは何か。

答えを見る

A. 建築基準法第8条は所有者・管理者・占有者が常時適法な状態に維持する努力義務で、期間や点検間隔の定めはない。長期優良住宅は認定の要件として、30年以上の期間と10年を超えない点検時期、地震時及び台風時の臨時点検を計画に定めさせる。

長期優良住宅の耐震性は4つの適合ルート、木造の劣化対策の上乗せは床下空間330mmと点検口で扱っています。

最終判断は、所管行政庁または登録住宅性能評価機関に確認してください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。告示第209号は令和6年12月27日国土交通省告示第1396号による改正版(令和7年4月1日施行)を参照しています。

参照

  • 長期優良住宅の普及の促進に関する法律(平成20年法律第87号)第2条第3項、第6条第1項第五号・第七号
  • 長期優良住宅の普及の促進に関する法律施行令(平成21年政令第24号)第1条〜第3条=構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分・給水又は排水の設備
  • 長期使用構造等とするための措置及び維持保全の方法の基準(平成21年国土交通省告示第209号・最終改正 令和6年12月27日国土交通省告示第1396号/令和7年4月1日施行)第4=維持保全の方法の基準
  • 建築基準法 第8条(維持保全)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。