長期優良住宅の木造は床下空間330mmと点検口が必要?劣化対策等級3への上乗せ(告示第209号)

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ルート君

床の高さは45cmでいいって習ったのに、長期優良住宅だと床下をもっと高くしろって言われた。どこの決まりなの?

長期優良住宅の木造は、品確法の劣化対策等級3に適合したうえで、点検口床下空間の有効高さ330mm以上が上乗せで求められます。

この上乗せは建築基準法にも品確法にもなく、長期優良住宅の告示第209号の側にあります。

長期使用構造等とするための措置及び維持保全の方法の基準(平成21年国土交通省告示第209号)第3の1(2)①

「イ 区分された床下空間(人通孔等により接続されている場合は、接続されている床下空間を1の部分とみなす。)ごとに点検口を設けること。」

「ロ 区分された小屋裏空間(人通孔等により接続されている場合は、接続されている小屋裏空間を1の小屋裏空間とみなす。)ごとに点検口を設けること。」

「ハ 床下空間の有効高さを330mm以上とすること。」

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床下の決まりは3つの層に分かれている

木造の床下には、建築基準法・品確法・長期優良住宅法の3つが重なってかかります。

それぞれ測っている対象も数値も違うので、混ぜないことが大切です。

項目 建築基準法(令第22条 品確法(劣化対策等級3) 長期優良住宅(告示第209号)
高さ 床の高さ=直下の地面から床の上面まで45cm以上 地面から基礎上端まで又は地面から土台下端までの高さが400mm以上 床下空間の有効高さ330mm以上
床下換気 外壁の床下部分に、壁の長さ5m以下ごとに面積300cm²以上の換気孔(ねずみの侵入を防ぐ設備付き) 壁の長さ4m以下ごとに有効面積300cm²以上、又は壁の全周にわたり壁の長さ1m当たり有効面積75cm²以上等 等級3の基準による
床下防湿 床下をコンクリート・たたき等で覆う場合は令第22条の適用外 厚さ60mm以上のコンクリート、厚さ0.1mm以上の防湿フィルム等で覆う 等級3の基準による
点検口 規定なし 規定なし 区分された床下空間・小屋裏空間ごとに設ける

建築基準法が測るのは「床の上面まで」の45cmで、長期優良住宅が測るのは「床下空間の有効高さ」の330mmです。

基準となる位置が違うため、45cmを満たしていれば330mmも満たす、という関係にはなりません。

長期優良住宅の木造で上乗せされるのは何か

告示第209号 第3の1(2)は、まず評価方法基準の劣化対策等級3の基準に適合することを求めています。

そのうえで、木造については点検口(イ・ロ)と床下空間の有効高さ(ハ)が加わります。

内容
区分された床下空間ごとに点検口を設ける(人通孔等により接続されている場合は、接続されている床下空間を1の部分とみなす)
区分された小屋裏空間ごとに点検口を設ける(人通孔等により接続されている場合は、接続されている小屋裏空間を1の小屋裏空間とみなす)
床下空間の有効高さを330mm以上とする

イとロの「区分された」と「1の部分とみなす」がつながっているところが要点です。

基礎で床下が仕切られていても、人通孔等で行き来できるなら、そのまとまりに点検口が1つあればよい形になります。

330mmにはただし書きがあるのか

ハには、次のただし書きが付いています。

告示第209号 第3の1(2)①ハ ただし書き

「ただし、浴室の床下等当該床下空間の有効高さを330mm未満とすることがやむ得ないと認められる部分で、当該部分の点検を行うことができ、かつ、当該部分以外の床下空間の点検に支障をきたさない場合にあっては、この限りでない。」

浴室の床下のように、330mm未満とすることがやむを得ないと認められる部分が対象です。

その部分の点検ができること、ほかの床下空間の点検に支障が出ないことの両方が条件になります。

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増築・改築のときも330mmが要るのか

増改築基準では、扱いが変わります。

点検口から目視等により床下空間の各部分の点検を行うことができる場合には、ハ(330mm以上)の基準が除かれます

また増改築基準では、劣化対策等級3の基準の一部が読み替えられます。

等級3の原文 増改築での読み替え
地面からの高さ1m以内の部分 地面からの高さ1m以内の部分で床下空間に露出している部分及び増築又は改築の工事において露出する部分
土台 土台のうち床下空間に露出している部分及び増築又は改築の工事において露出する部分
4m以下ごとに(床下換気) 5m以下ごとに

いずれも、仕様に応じた維持管理のために必要な点検間隔を置く場合の扱いです。

試験・実務で押さえるポイント

  • 長期優良住宅の木造は、劣化対策等級3に適合したうえで、点検口(床下・小屋裏)と床下空間の有効高さ330mm以上が上乗せされる(告示第209号 第3の1(2)①)。
  • 建築基準法(令第22条)の45cmは「直下の地面から床の上面まで」、長期優良住宅の330mmは「床下空間の有効高さ」で、測る対象が違う。
  • 点検口は「区分された床下空間・小屋裏空間ごと」。人通孔等で接続されていれば、1の部分とみなす。
  • 330mmには浴室の床下等のただし書きがあり、当該部分の点検ができ、かつ他の床下空間の点検に支障がないことが条件。
  • 増改築基準では、点検口から目視等で点検できる場合に330mmの基準が除かれる。床下換気は4m以下ごと→5m以下ごとに読み替えられる。

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一問一答

Q. 長期優良住宅の木造で、床下空間の有効高さはいくつ以上か。

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A. 330mm以上(告示第209号 第3の1(2)①ハ)。ただし浴室の床下等でやむを得ないと認められ、当該部分の点検ができ、他の床下空間の点検に支障がない場合は除かれる。

Q. 建築基準法の45cmを満たしていれば、長期優良住宅の330mmも満たすか。

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A. 満たすとは限らない。令第22条の45cmは直下の地面から床の上面までの高さ、告示第209号の330mmは床下空間の有効高さで、測る対象が異なる。

Q. 床下が基礎で仕切られている場合、点検口は仕切られた数だけ必要か。

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A. 人通孔等により接続されている場合は、接続されている床下空間を1の部分とみなすため、そのまとまりごとに設ければよい。

床の高さそのものは居室の床の高さと床下換気(令第22条)、長期優良住宅の耐震性は4つの適合ルートで扱っています。

最終判断は、所管行政庁または登録住宅性能評価機関に確認してください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。告示第209号は令和6年12月27日国土交通省告示第1396号による改正版(令和7年4月1日施行)を参照しています。

参照

  • 長期使用構造等とするための措置及び維持保全の方法の基準(平成21年国土交通省告示第209号・最終改正 令和6年12月27日国土交通省告示第1396号/令和7年4月1日施行)第3の1=構造躯体等の劣化対策
  • 評価方法基準(平成13年国土交通省告示第1347号・令和8年5月29日施行)第5の3の3―1(3)イ=木造の劣化対策等級3(e 基礎・f 床下)
  • 建築基準法施行令 第22条(居室の床の高さ及び防湿方法)
  • 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。