告示第110号とは?型枠(せき板)・支柱の取りはずしの基準と存置期間(令第76条)

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ルート君

コンクリートを打ったあと、型枠っていつ外していいの?何日待つとか決まってるの?

現場打ちコンクリートの型枠(せき板)や支柱をいつ取りはずせるかは、令第76条第2項に基づく昭和46年建設省告示第110号が定めています。

せき板はコンクリートの圧縮強度存置日数で、支柱は存置日数か、強度と構造計算による確認で判断します。

現場打コンクリートの型わく及び支柱の取りはずしに関する基準(昭和46年1月29日建設省告示第110号)第一

「せき板及び支柱の存置期間は、建築物の部分、セメントの種類及び荷重の状態並びに気温又は養生温度に応じて、次の各号に定めるところによらなければならない。」

告示第110号がどこから委任されているかを整理すると、次の階層になります。法第20条(構造耐力の基本原則)が施行令第76条第2項に、さらに施行令が告示第110号に、型枠・支柱の取りはずしの基準を順に委任する形です。

制定機関 根拠の階層(上ほど上位) 国会 建築基準法 第20条 建築物の構造耐力(安全性の基本原則) 委任 内閣 建築基準法施行令 第76条第2項 型枠(せき板)・支柱の取りはずしの基準を大臣に委任 委任 建設大臣 昭和46年建設省告示 第110号 せき板・支柱の存置期間(圧縮強度・存置日数)の 判定基準を規定 ← この記事で解説する告示
図:告示第110号の位置づけ(法第20条→施行令第76条第2項→告示第110号の委任関係)。

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建築関係法令集 法令編

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この告示は何を定めているのか

正式な件名は「建築基準法施行令第76条第2項の規定に基づく現場打コンクリートの型わく及び支柱の取りはずしに関する基準」です。

昭和46年に定められ、直近では平成28年3月17日国土交通省告示第503号で改正されています。

内容
第一 せき板・支柱の存置期間(圧縮強度・存置日数)
第二 支柱の盛りかえの基準
別表 部分・セメントの種類・気温別の存置日数と圧縮強度

存置期間は、建築物の部分・セメントの種類・荷重の状態・気温(養生温度)に応じて定められます。

特別な調査又は研究の結果に基づく場合は、それによる存置期間とすることもできます。

せき板はいつ外せるのか

せき板(型枠の板)は、部分によって判断のしかたが分かれます。

部分 取りはずせる条件
基礎・はり側・柱・壁 別表の存置日数以上、又は圧縮強度が5N/mm²以上
版下・はり下 別表の存置日数以上、又は圧縮強度が設計基準強度の50%以上

基礎・柱・壁のような縦の面は、コンクリートが自重を支える必要がないため5N/mm²という比較的低い強度で外せます。

一方、版下・はり下は上の荷重を受ける面なので、設計基準強度の50%まで求められます。

支柱はいつ外せるのか

支柱(版やはりを下から支える柱)は、より慎重です。

部分 取りはずせる条件
版下 別表の存置日数以上、又は圧縮強度が設計基準強度の85%以上
はり下 別表の存置日数以上、又は圧縮強度が設計基準強度の100%以上

これとは別に、圧縮強度が12N/mm²以上(軽量骨材を使用する場合は9N/mm²以上)であり、かつ施工中の荷重及び外力によって著しい変形又は亀裂が生じないことが構造計算で確かめられた場合は、存置日数によらず取りはずせます。

圧縮強度の求め方は、JIS A1108の試験や、JIS A1107のコア供試体の試験などによります。

存置日数はどのくらいか

別表の存置日数は、部分・セメントの種類・存置期間中の平均気温で変わります。

たとえば普通ポルトランドセメントのせき板(基礎・はり側・柱・壁)は、次のとおりです。

存置期間中の平均気温 存置日数(せき板・基礎・柱・壁/普通ポルトランドセメント)
15度以上3日
5度以上15度未満5日
5度未満8日

気温が低いほどコンクリートの硬化が遅いため、存置日数は長くなります。

この表は普通ポルトランドセメントの一例で、早強・中庸熱・低熱・高炉・フライアッシュなどセメントの種類ごとに日数が異なります。正確な値は別表でご確認ください。

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支柱の盛りかえには何が求められるのか

第二は、支柱を一度外して再び立て直す盛りかえの基準を定めています。

支柱の盛りかえの基準(第二)
大ばりの支柱の盛りかえは行わない
直上階に著しく大きい積載荷重がある場合は、支柱(大ばりの支柱を除く)の盛りかえを行わない
養生中のコンクリートに有害な影響をもたらすおそれのある振動・衝撃を与えない
盛りかえは逐次行い、同時に多数の支柱について行わない
盛りかえ後の支柱の頂部には、十分な厚さ・大きさの受板・角材等を配置する

大ばりの支柱を盛りかえないのは、大ばりが大きな荷重を受けるため、支えを一度でも外すと危険だからです。

盛りかえるほかの支柱も、一度に多数ではなく逐次行うことが求められます。

試験・実務で押さえるポイント

  • 型枠・支柱の取りはずしは令第76条第2項・告示第110号による。存置期間は部分・セメントの種類・気温で変わる。
  • せき板=基礎・柱・壁は圧縮強度5N/mm²以上版下・はり下は設計基準強度の50%以上(又は存置日数)。
  • 支柱=版下は設計基準強度の85%、はり下は100%(又は存置日数)。別ルートとして12N/mm²(軽量9N/mm²)以上かつ構造計算で確かめれば取りはずせる。
  • 存置日数は気温が低いほど長い(普通ポルトランドのせき板・柱壁で15度以上3日・5度未満8日)。
  • 支柱の盛りかえ=大ばりの支柱は盛りかえない/逐次行い同時に多数はしない(第二)。

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一問一答

Q. 柱・壁のせき板は、どの強度で取りはずせるか。

答えを見る

A. 圧縮強度が5N/mm²以上になるまで、又は別表の存置日数以上経過するまで取りはずさない(告示第110号 第一第一号)。基礎・はり側・柱・壁が対象。

Q. 版下・はり下のせき板・支柱は何%の強度が要るか。

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A. せき板(版下・はり下)は設計基準強度の50%以上。支柱は版下で85%、はり下で100%。いずれも別表の存置日数以上でも可。

Q. 存置日数によらず支柱を外せる場合はあるか。

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A. ある。圧縮強度が12N/mm²以上(軽量骨材は9N/mm²以上)であり、かつ施工中の荷重・外力で著しい変形・亀裂が生じないことを構造計算で確かめた場合。

Q. 大ばりの支柱は盛りかえてよいか。

答えを見る

A. 行わない(告示第110号 第二第一号)。大ばりの支柱の盛りかえは行わないこととされている。

RC造の仕様はRC造の仕様規定(令第72条〜第79条の3)、コンクリートの許容応力度は告示第1450号で扱っています。ほかの告示は告示の一覧技術的助言・告示の記事一覧から探せます。

最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。告示第110号は平成28年3月17日国土交通省告示第503号による改正版を参照しています。部分・セメントの種類・気温別の存置日数は別表に定められているため、正確な値は告示の別表をご確認ください。

参照

  • 建築基準法施行令第76条第2項の規定に基づく現場打コンクリートの型わく及び支柱の取りはずしに関する基準(昭和46年1月29日 建設省告示第110号・最終改正 平成28年3月17日国土交通省告示第503号)第一・第二・別表
  • 建築基準法施行令 第76条(型わく及び支柱の除去)・第74条(コンクリートの強度)
  • 日本産業規格 A1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)・A1107(コアの採取方法及び圧縮強度試験方法)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。