平成12年建設省告示第1347号とは?基礎の構造方法と構造計算の基準(令第38条)

ルート君

基礎の形(布基礎・べた基礎)って、どの告示で決まってるの?

平成12年建設省告示第1347号は、建築物の基礎の構造方法と構造計算の基準を定めた告示です。

令第38条第3項・第4項の委任に基づき、布基礎・べた基礎・杭基礎の断面仕様・適用地盤・構造計算の基準が規定されています。

告示第1347号はどんな告示なのか

項目 内容
告示番号 平成12年建設省告示第1347号
正式名称 建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件
公布 平成12年(2000年)5月23日
根拠条文 建築基準法施行令 第38条第3項・第4項
主な内容 布基礎・べた基礎・杭基礎の構造方法および基礎の構造計算の基準

建築基準法施行令 第38条第3項・第4項(告示第1347号の根拠)

(第3項)基礎の構造は、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。(中略)

(第4項)前3項の規定は、建築物の基礎について国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって確かめられる安全性を有する場合においては、適用しない。

地盤の許容応力度と基礎形式の対応はどうなっているのか

告示第1347号は、地盤の長期に生じる力に対する許容応力度に応じて、採用できる基礎形式を次のとおり区分しています。

地盤の長期許容応力度 採用できる基礎形式
20 kN/m²未満 杭基礎(直接基礎は原則不可)
20 kN/m²以上30 kN/m²未満 べた基礎または杭基礎(布基礎は不可)
30 kN/m²以上 布基礎・べた基礎・杭基礎のいずれも可

地盤の長期許容応力度の算定方法は、別告示である平成13年国土交通省告示第1113号に定められています(告示第1347号は基礎形式の仕様基準、告示第1113号は地盤の許容応力度の算定を担当)。

布基礎の構造方法はどう定められているのか

布基礎は、連続した立上り部分を持つ基礎です。告示第1347号では、布基礎の各部寸法の最小値を次のとおり定めています。

部位・項目 最小値
根入れ深さ 24cm以上かつ凍結深度以下
立上り部分の高さ(地盤面から) 30cm以上
立上り部分の厚さ 12cm以上
底盤(フーチング)の厚さ 15cm以上

布基礎の底盤幅は、地盤の長期許容応力度と建築物の種類に応じて算定します。許容応力度が低いほど底盤幅を広く取る必要があります。

べた基礎の構造方法はどう定められているのか

べた基礎は、底盤全体を一体の鉄筋コンクリート造とした基礎です。告示第1347号では、べた基礎の各部寸法の最小値を次のとおり定めています。

部位・項目 最小値
立上り部分の高さ(地盤面から) 30cm以上
立上り部分の厚さ 12cm以上
底盤スラブの厚さ 12cm以上

木造建築物のべた基礎には、連続した立上り部分を設けることが必要です。

令和6年改正(R7.4.1施行)との関係

告示第1347号は、令和6年に改正されました(令和7年4月1日施行)。

改正前の告示では、著しい不同沈下等のおそれのない強固な地盤においては、無筋のコンクリート造の基礎(無筋コンクリート基礎)とすることが認められていました。

改正後は、地盤の種別に関わらず、基礎は鉄筋コンクリート造としなければならないこととされ、無筋コンクリート基礎は廃止されました。

この改正の詳細は無筋コンクリート基礎の廃止(R7.4.1)の記事で解説しています。

なぜこの告示が存在するのか

令第38条は基礎の設計に関する基本原則を定めていますが、布基礎・べた基礎・杭基礎の具体的な断面寸法や鉄筋の配置まではカバーしていません。

平成12年(2000年)の建基法改正(性能規定化)に伴い、従来の仕様規定を告示として明確化・整備したのが告示第1347号です。

地盤の許容応力度に応じた基礎形式の区分(20・30 kN/m²の閾値)は、この告示が根拠となっています。

建築士試験・確認申請の実務において「令第38条+告示第1347号」はセットで参照されます。

試験で問われやすいポイント

  • 告示第1347号の正式名称と根拠条文:「建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件」(令第38条第3項・第4項の委任)。平成12年建設省告示であること(2000年性能規定化改正と同時制定)がポイント。
  • 布基礎の寸法基準(告示第1347号):根入れ深さ24cm以上・立上り高さ30cm以上・立上り厚さ12cm以上・底盤厚さ15cm以上立上り高さ30cm・厚さ12cmはべた基礎・布基礎の仕様記事でも頻出。
  • 適用地盤と基礎形式の対応(告示第1347号):20kN/m²未満→杭基礎のみ、20以上30未満→べた基礎または杭基礎(布基礎不可)、30以上→布基礎・べた基礎・杭基礎ともに可。
  • 令和6年改正(R7.4.1施行):地盤種別を問わず無筋コンクリート基礎が廃止され、すべての基礎を鉄筋コンクリート造とすることが必要。この改正は告示第1347号の改正で実施された。

一問一答

Q. 平成12年建設省告示第1347号の正式名称と根拠条文は?

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A. 正式名称は「建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件」。根拠条文は建築基準法施行令第38条第3項・第4項(基礎の構造方法の大臣委任規定)。平成12年(2000年)の性能規定化改正と同時に制定され、布基礎・べた基礎・杭基礎の断面仕様と適用地盤を規定している。

Q. 告示第1347号における布基礎の根入れ深さの最小値は?また、立上り高さの最小値は?

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A. 根入れ深さは24cm以上(かつ凍結深度以下)、立上り高さ(地盤面から)は30cm以上(告示第1347号)。立上り厚さは12cm以上、底盤厚さは15cm以上。根入れ深さ24cm・立上り高さ30cm・立上り厚さ12cmをセットで暗記する。

Q. 地盤の長期許容応力度が25kN/m²の場合、布基礎を採用できるか(告示第1347号)。

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A. 採用できない。25kN/m²は20kN/m²以上30kN/m²未満の区分に該当し、この地盤ではべた基礎または杭基礎のみ採用可(告示第1347号)。布基礎が採用可能になるのは地盤の長期許容応力度が30kN/m²以上の場合から。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法施行令 第38条(基礎)
  • 平成12年建設省告示第1347号(建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件)
  • 平成13年国土交通省告示第1113号(地盤の許容応力度の算定方法)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。