CLT(直交集成板)パネル工法の構造規定とは?告示第611号と構造計算ルート(法第20条・令第81条)
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ルート君
CLTって木造だけど、在来とは別の告示で決まってるの?
CLT(直交集成板)パネル工法は、在来木造とは別系統の構造方法として、専用の告示で技術的基準が定められています。
中心になるのが平成28年(2016年)の国土交通省告示第611号です。ここではCLTの法令上の位置づけと、構造計算のルートを整理します。
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CLT(直交集成板)とは何か
CLTは、ひき板(ラミナ)を繊維方向が直交するように積層接着した木質パネルです。
正式には直交集成板といい、面材として高い剛性をもつため、壁や床に用いて中高層の木造建築にも使われます。材料としての規格は日本農林規格(JAS)で定められています。
- 直交集成板のJAS:平成25年農林水産省告示第3079号(2013年制定)。
- 指定建築材料:建築基準法第37条に基づき、平成28年告示第561号(もとの平成12年建設省告示第1446号)で直交集成板が指定建築材料に追加されている。
- JAS品質に適合するもの、または国土交通大臣の認定を受けたものが使用できる。
指定建築材料の仕組みは建築材料の規定もあわせて参照してください。
CLTパネル工法はどの告示で規定されているのか
CLTパネル工法は、令第80条の2(特殊な構造方法)に位置づけられ、その構造方法の技術的基準を平成28年国土交通省告示第611号が定めています。
告示の前文では、CLTパネル工法を直交集成板を用いたパネルを水平力及び鉛直力を負担する壁として設ける工法と定義しています。床や屋根の水平構面は、CLT以外の木質材料で構成することもできます。
| 区分 | 告示・規格 | 内容 |
|---|---|---|
| 材料(JAS) | 平25農水告示第3079号 | 直交集成板の品質規格 |
| 指定建築材料(法第37条) | 平28告示第561号 | 直交集成板を指定建築材料に追加 |
| 材料強度・許容応力度 | 平28告示第562号 | 基準強度・許容応力度の算出方法 |
| 構造方法 | 平28告示第611号 | CLTパネル工法の技術的基準 |
| 構造計算書 | 平28告示第612号 | 計算ルートごとの構造計算書 |
材料のラミナ厚は、CLTパネル工法の技術的基準では24mm以上36mm以下とされ、小角材は使用できません。
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構造計算はどのルートになるのか(仕様規定だけで建てられるか)
CLTパネル工法は、規模にかかわらず構造計算が必要です。
在来木造の壁量計算のように仕様規定だけで建てられるルートは整備されていません。最も小規模なルート1でも、許容応力度計算が必要になります。
| ルート | 計算方法 | 適用規模(地階を除く) |
|---|---|---|
| ルート1 | 許容応力度計算 | 高さ13m以下・軒の高さ9m以下・階数3以下 |
| ルート2 | 許容応力度等計算 | 高さ31m以下・階数3以下 |
| ルート3 | 保有水平耐力計算または限界耐力計算 | 高さ31m超60m以下・階数4以上にも適用 |
構造計算書の内容は、令第81条第2項・第3項に基づき告示第612号が定めています。ルート1では、日本住宅・木材技術センターが規格化した接合金物(Xマーク金物)を用いることもできます。
計算ルートの全体像は構造計算ルートで解説しています。
在来木造や枠組壁工法とどう違うのか
CLTパネル工法は、令第3章第3節の在来軸組や枠組壁工法とは別系統の構造方法です。
ただし、他の構造と組み合わせる規定も整備されています。
- 混構造:令第36条の2第五号と告示第791号により、鉄筋コンクリート造などとの立面混構造で、CLTパネル工法も一定条件のもとに木造と同列に扱われます。
- 枠組壁工法(2×4):平成29年告示第867号で、枠組壁工法の2階以上の床・屋根などの水平構面に直交集成板が使えるようになりました。
- 燃えしろ設計:告示第563号・第564号で、CLTにも燃えしろ設計が適用されます。
CLTを含む特殊な構造方法全体の枠組みは令第80条の2(特殊な構造方法と大臣告示)、改正の流れはR7.4.1改正まとめもあわせて参照してください。
実務で押さえるポイント
- CLTパネル工法の構造方法は平成28年告示第611号、構造計算書は令第81条第2項に基づく告示第612号が定める。材料の直交集成板はJAS(平25農水告示第3079号)と指定建築材料(法第37条・平28告示第561号)で扱われる。
- CLTパネル工法は仕様規定だけで建てられるルートがなく、ルート1でも許容応力度計算が必要。ルート1は高さ13m以下・軒高9m以下・階数3以下、ルート3は31m超60m以下・階数4以上にも対応する。
- 在来軸組・枠組壁工法とは別系統。混構造は令第36条の2第五号・告示第791号、2×4水平構面へのCLT追加は平成29年告示第867号で規定されている。
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一問一答
Q. CLTパネル工法の構造方法を定める告示は何号か。
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平成28年国土交通省告示第611号。CLTパネル工法を直交集成板のパネルを水平力・鉛直力を負担する壁として設ける工法と定義し、材料・各部位・計算ルートなどの技術的基準を定める。構造計算書は告示第612号。
Q. CLTパネル工法は仕様規定だけで建てられるか。
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建てられない。規模にかかわらず構造計算が必要で、最小規模のルート1でも許容応力度計算を行う。在来木造の壁量計算のような仕様規定のみのルートは整備されていない。
Q. 直交集成板は建築基準法上どう扱われるか。
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法第37条の指定建築材料で、平成28年告示第561号(もとの平成12年建設省告示第1446号)で追加された。JAS(平25農水告示第3079号)に適合するもの、または大臣認定を受けたものを使用する。
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参照
- 平成28年国土交通省告示第611号(CLTパネル工法の構造方法)・第612号(構造計算書)・第561号(法第37条 品質基準)・第562号(材料強度)
- 平成25年農林水産省告示第3079号(直交集成板の日本農林規格)/平成29年国土交通省告示第867号(枠組壁工法の水平構面)
- 建築基準法 第20条・第37条/建築基準法施行令 第81条・第36条の2
- 河合誠「CLTの関連告示について」(GBRC Vol.43 No.1 2018/一般社団法人日本CLT協会)
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