SRC造とは?RC造・鉄骨造との違いと仕様規定(令第79条の3・令第79条の4)
ルート君
SRC造って、RC造や鉄骨造とどう違うの?
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)は、鉄骨骨組の周囲に鉄筋コンクリートを配した複合構造です。
RC造の剛性・耐久性と鉄骨造の靭性・引張強度を兼ね備えており、超高層建築物の下層部や大スパンの柱に採用されます。
建築基準法施行令では、令第79条の3〜令第79条の4にSRC造の仕様規定が定められています。
SRC造はどんな特徴を持ち、どこで使われるのか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 構造の特徴 | 鉄骨骨組(H形鋼・十字形鋼等)をRC断面内に埋め込む。鉄骨が引張・靭性を担い、コンクリートと鉄筋が圧縮・剛性を担う。 |
| RC造との違い | 鉄骨の存在により同じ断面積でも高い靭性(DS値)が確保できる。RC造より柱断面を小さくできる場合がある。 |
| 鉄骨造との違い | コンクリートの被覆により耐火性・耐久性が高い。純鉄骨造と比較して座屈に強い。 |
| 主な適用場面 | 超高層建築物の下層部・大スパン架構の柱・高層事務所ビルの柱 |
SRC造の柱・かぶり厚さはどう規定されているのか(令第79条の3・第79条の4)
建築基準法施行令 第79条の3・第79条の4(鉄骨鉄筋コンクリート造)
第79条の3:鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さは、5cm以上としなければならない。
第79条の4:鉄骨鉄筋コンクリート造には、鉄骨造(第5節)・鉄筋コンクリート造(第6節)の規定を準用する(ただし令第65条・第70条・第77条第四号を除く)。
令第79条の3は鉄骨のかぶり厚さを、令第79条の4はRC造・鉄骨造の規定の準用を定めています。SRC造の柱の配筋は、令第79条の4により鉄筋コンクリート造の柱(令第77条)の規定を準用します(帯筋比=令第77条第四号は準用から除外)。
| 項目 | 規定数値 | 根拠 |
|---|---|---|
| 鉄骨に対するかぶり厚さ | 5cm以上 | 令第79条の3 |
| 柱の主筋 | 4本以上(RC造令第77条第一号を準用) | 令第79条の4・令第77条 |
| 柱の主筋断面積 | コンクリート全断面積の0.8%以上(令第77条第六号を準用) | 令第79条の4・令第77条 |
| 帯筋の径・間隔 | 径6mm以上、間隔15cm(端部は10cm)以下かつ最も細い主筋径の15倍以下(令第77条第三号を準用) | 令第79条の4・令第77条 |
| 帯筋比(令第77条第四号) | 準用から除外(SRC造には適用しない) | 令第79条の4 |
なお、設計実務やSRC規準(学会基準)では靭性確保のため帯筋を令の準用値より密に配置する(一般部10cm・端部5cm程度)のが一般的ですが、これは令の準用値(15cm・端部10cm)とは別の設計上の基準です。「骨組(鉄骨)断面積0.8%以上」も令ではなくSRC規準による設計上の目安です。
SRC造のかぶり厚さはどう規定されているのか(令第79条の3)
令第79条の3は、SRC造における鉄骨へのコンクリートのかぶり厚さ(5cm以上)を定めています。
| 部位 | 最小かぶり厚さ | 根拠 |
|---|---|---|
| 鉄骨外面からコンクリート表面まで | 5cm以上 | 令第79条の3 |
なお、鉄筋のかぶり厚さについてはRC造の規定(令第79条)が令第79条の4によりSRC造にも準用されます(耐力壁・柱・はり:3cm、直接土に接する部分:4cm、基礎:6cm)。
したがって、コンクリート表面から鉄筋外面までのかぶり(部位に応じ3〜6cm)と、鉄骨外面まで5cm以上の両方を確保する必要があります。
SRC造のはりにはどんな仕様規定が適用されるのか
SRC造のはりについても、RC造のはり(令第78条)と同様にあばら筋の間隔・比率に関する規定が準用されます。
主筋・あばら筋の配筋仕様はRC造の規定に準じます。
SRC造の保有水平耐力計算でDS値はどう決まるのか
SRC造の構造計算では、RC断面と鉄骨断面の許容応力度を合算した断面耐力を算定します。
保有水平耐力計算(ルート3)におけるDS値は、SRC造柱の靭性確保規定(帯筋比等)の充足状況によって決まります。
帯筋比・幅厚比が規定を満たすほど高い靭性(小さいDS値)が認められます。
なぜSRC造はRC造より小さい断面で高い靭性を発揮できるのか
SRC造の柱では、鉄骨がコンクリートに囲まれた状態で一体となって力を負担します。RC造では柱の変形能力(靭性)を高めるために帯筋比を上げる必要がありますが、SRC造では鉄骨の靭性がその役割を補完するため、同等の靭性をより小さい断面で確保できます。
このため超高層建築物の下層部などで重宝されます。
なぜSRC造の帯筋間隔はRC造より厳しいのか
SRC造の帯筋は、設計実務・SRC規準では一般部10cm・端部5cm程度と、RC造の令の準用値(15cm・端部10cm)より密に配置するのが一般的です。
鉄骨とコンクリートが一体となるSRC造では、地震時に大きな変形が生じても一体性を保つことが重要です。
帯筋を密に配置することでコンクリートの拘束効果が高まり靭性が確保されます。
端部(柱脚・柱頭)は応力集中が大きいためさらに密にしています(5cm以下)。
試験で問われやすいポイント
- 令和3年 学科3 問51(選択肢4正):SRC造柱の主筋(令第77条第一号:4本以上等)は保有水平耐力計算(ルート3)においても適用除外とならない。令第73条(継手・定着)の除外とは異なり、主筋本数等の配筋規定はルート3でも遵守が必要。
- SRC造の柱の配筋は令第79条の4でRC造(令第77条)を準用:主筋4本以上(令第77条第一号)、主筋断面積はコンクリート全断面積の0.8%以上(令第77条第六号)。ただし帯筋比(令第77条第四号)は準用から除外。鉄骨断面積0.8%等はSRC規準による設計上の目安で、令の規定ではない。
- SRC造の帯筋間隔:令第79条の4でRC造令第77条第三号を準用し15cm(端部10cm)以下。設計実務・SRC規準では靭性確保のため一般部10cm・端部5cm程度に密配置するのが一般的だが、これは令の準用値とは別。
- SRC造のかぶり厚さ(令第79条の3):鉄骨の外面からコンクリート表面まで5cm以上。鉄筋のかぶり厚さ(令第79条を準用:耐力壁・柱・はり3cm等)とは別に、鉄骨に対して設けられている。
一問一答
Q. SRC造の柱の配筋規定は令でどのように定められているか。
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SRC造の柱は令第79条の4でRC造(令第77条)を準用し、主筋4本以上・主筋断面積はコンクリート全断面積の0.8%以上(令第77条第六号)。帯筋比(令第77条第四号)は準用から除外される。鉄骨断面積0.8%等はSRC規準による設計上の目安で令の規定ではない。
Q. SRC造柱の帯筋間隔は令でどう定められているか。設計実務での扱いも述べよ。
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令第79条の4でRC造令第77条第三号を準用し15cm(端部10cm)以下(最も細い主筋径の15倍以下も)。設計実務・SRC規準では靭性確保のため一般部10cm・端部5cm程度に密配置するのが一般的だが、これは令の準用値とは別の設計上の基準。
Q. SRC造において、保有水平耐力計算(ルート3)を採用した場合、SRC造柱の主筋の配筋規定は適用除外となるか(令和3年 学科3 問51)。
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適用除外とならない(令和3年 問51 選択肢4正)。主筋の本数等の配筋規定(令第77条第一号等)はルート3でも遵守が必要。令第73条(継手・定着)の除外(ルート3で可能)とは異なる扱い。
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参照
- 建築基準法施行令 第79条の3(SRC造の鉄骨のかぶり厚さ5cm)
- 建築基準法施行令 第79条の4(SRC造への鉄骨造・RC造規定の準用)
- 建築基準法施行令 第79条(RC造のかぶり厚さ・SRC造に準用)
- 平成12年建設省告示第1450号(コンクリートの許容応力度)・第2464号(鋼材・鉄筋の基準強度)