枠組壁工法(ツーバイフォー)の構造規定とは?告示第1540号と階数・耐力壁線(法第20条・令第80条の2)
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ルート君
ツーバイフォー(枠組壁工法)は、在来軸組と法律の根拠が違うの?
枠組壁工法(ツーバイフォー)は、令第80条の2に基づく告示第1540号で構造方法の技術的基準が定められた工法です。
木材の枠組に構造用合板などの面材を打ち付けて壁と床版を設け、この面(壁)で水平力に抵抗するのが枠組壁工法です。
柱とはりの軸組で支える在来軸組工法とは、力の受け方が異なります。
地階を除く階数3以下などの仕様規定に適合させるか、これを超える場合は構造計算で安全性を確かめることになります。
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枠組壁工法はどの規定に位置づけられるのか(令第80条の2)
施行令第3章第3節から第7節の2までの規定は、在来軸組の木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造などを想定した仕様規定です。
面材で抵抗する枠組壁工法は、これらの通常規定では想定されていないため、令第80条の2(構造方法に関する補則)に基づいて国土交通大臣が告示で技術的基準を定めています。
建築基準法施行令 第80条の2(構造方法に関する補則)
構造耐力上主要な部分の構造方法は、この節から第7節の2までの規定によるほか、建築物の安全性を確保するために必要な技術的基準に関して国土交通大臣が定めた構造方法を用いる場合その他の場合における当該構造方法に関する必要な技術的基準は、国土交通大臣が定める。(第一号・第二号)
この委任を受けたのが平成13年国土交通省告示第1540号(枠組壁工法又は木質プレハブ工法を用いた建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める件)です。
枠組壁工法は、CLTパネル工法(告示第611号)・薄板軽量形鋼造(告示第1641号)・丸太組構法(告示第411号)と同じく、令第80条の2に基づいて告示で基準が定められた構造方法の一つです。
告示第1540号が定める主な技術的基準
告示第1540号は、階数から土台・床版・壁・小屋組・防腐措置までを第一から第十まで定めています。
主な柱は次のとおりです。
| 区分 | 主な内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 階数 | 地階を除く階数は3以下 | 告示第1540号 第一 |
| 土台 | 基礎に径12mm以上・長さ35cm以上のアンカーボルトで緊結し、間隔は2m以下として隅角部・継手部にも配置 | 第三 |
| 床版 | 床根太の支点間の距離は8m以下、床根太相互の間隔は65cm以下、開口部は同寸法以上の床根太で補強 | 第四 |
| 壁(耐力壁) | 耐力壁を釣合いよく配置し、床面積・見付面積に応じた壁量を確保 | 第五 |
| 耐力壁線 | 耐力壁線相互の距離は12m以下、耐力壁線で囲まれた部分の水平投影面積は40㎡以下(補強した場合は緩和あり) | 第五第六号 |
| 防腐措置 | 土台の防腐処理、地面から1m以内の木材の防腐・防蟻、金物のさび止め | 第八 |
耐久性等関係規定として指定されるのは、この防腐措置等(第八)です(令第36条第1項・告示第1540号 第十一)。
面材で抵抗する「壁量」の考え方(在来軸組との違い)
枠組壁工法の壁量は、各階の張り間方向・けた行方向ごとに耐力壁を配置し、床面積に応じた必要壁量と見付面積に応じた必要壁量の両方を満たすように定められています(告示第1540号 第五第五号)。
耐力壁の負担できる水平耐力は、令第46条第4項の軸組の耐力を基準にして換算します。
| 在来軸組工法(令第46条) | 枠組壁工法(告示第1540号) |
|---|---|
| 柱・はりの軸組+筋かい・構造用合板で抵抗 | 枠組に面材を打ち付けた壁(耐力壁)で抵抗 |
| 壁量計算(軸組の長さ×倍率) | 床面積・見付面積に応じた耐力壁の配置 |
| 令第3章第3節(木造) | 令第80条の2+告示第1540号 |
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仕様規定を超える規模は構造計算による(告示第1540号 第九)
告示の仕様規定に収まらない場合や、あえて仕様規定によらない場合は、令第82条などの構造計算で安全性を確かめます。
告示第1540号 第九は、この場合の構造計算が保有水平耐力計算(令第81条第2項第一号イ)と同等以上に安全性を確かめられるものと位置づけ、風圧力・地震力による層間変形角を200分の1以内とすることなどを定めています。
2025年(令和7年4月1日)改正で告示第1541号が統合された
枠組壁工法の耐力壁・床版の構造方法は、これまで告示第1541号(施行規則第8条の3に基づく告示)で別に定められていました。
令和7年4月1日施行の改正で、この告示第1541号は廃止され、告示第1540号に統合されました。
あわせて告示第1540号の名称に「等」が加えられています。
改正した告示は令和6年国土交通省告示第964号および令和7年国土交通省告示第247号で、いずれも令和7年4月1日施行です。
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階数や耐力壁線などの基本的な枠組みは維持されていますが、壁量などの具体的な数値は改正後の現行告示で確認してください。
なぜ枠組壁工法は別の告示で定められているのか
在来軸組の木造は令第3章第3節(令第40条〜令第50条)で仕様が定められています。
枠組壁工法は、柱の軸組ではなく面材の壁で抵抗する仕組みのため、令第3章の通常規定では想定されていません。
そこで令第80条の2で大臣告示に委任し、告示第1540号で階数・壁量・接合などの技術的基準をまとめて定めています。
CLTパネル工法や丸太組構法と同じ考え方です。
試験で問われやすいポイント
- 根拠規定:枠組壁工法は令第80条の2に基づく告示第1540号で技術的基準が定められる。在来軸組(令第3章第3節)とは根拠が異なる。
- 階数:仕様規定で建てられるのは地階を除く階数3以下。これを超える規模は構造計算による(告示第1540号 第一・第九)。
- 耐力壁線:耐力壁線相互の距離は12m以下、耐力壁線で囲まれた部分の水平投影面積は40㎡以下(補強で緩和)。面(壁)で抵抗する枠組壁工法に特有の規定。
- 2025年改正:告示第1541号が廃止され告示第1540号に統合された(令和7年4月1日施行)。
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一問一答
Q. 枠組壁工法の構造方法は、どの規定に基づいて定められているか。
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令第80条の2(構造方法に関する補則)に基づき、平成13年国土交通省告示第1540号で技術的基準が定められている。在来軸組の木造(令第3章第3節)とは根拠が異なる。
Q. 告示第1540号による枠組壁工法の耐力壁線の規定はどうなっているか。
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耐力壁線相互の距離を12m以下とし、かつ耐力壁線で囲まれた部分の水平投影面積を40㎡以下としなければならない(床版と床材の緊結部を構造耐力上有効に補強した場合は60㎡または72㎡以下に緩和できる)。
Q. 令和7年4月1日の改正で、枠組壁工法の告示はどう変わったか。
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耐力壁・床版の構造方法を定めていた告示第1541号が廃止され、告示第1540号に統合された。告示第1540号の名称にも「等」が加えられた。改正告示は令和6年国土交通省告示第964号・令和7年国土交通省告示第247号(いずれも令和7年4月1日施行)である。
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参照
- 建築基準法施行令 第80条の2(構造方法に関する補則)
- 平成13年国土交通省告示第1540号(枠組壁工法又は木質プレハブ工法を用いた建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める件・昭和57年建設省告示第56号の全部改正)
- 建築基準法施行規則 第8条の3(旧・平成13年国土交通省告示第1541号)
- 令和6年国土交通省告示第964号・令和7年国土交通省告示第247号(令和7年4月1日施行・告示第1541号の統合等)
- 建築基準法施行令 第46条第4項(軸組の種類と倍率)